第161話 テスト勉強とゴーカートライダー・ドリフトと

【嵐side】


 皆と一緒に大江戸家でテスト勉強をしている。

 心配していたジャンヌの知識だけど、 冥界で勉強をしていたのか、日本史以外の科目は優秀だった。

 疑問に思った明日菜が誰に教わっていたか聞いたら、


「アシュ様に教えて頂きました。

 あの方が悪魔だなんて信じられませんわ 」


 まあ、聖書の神に敵対した異教の神々を悪魔に仕立てたんだから無理は無いな。

 ちなみに、星華や秋穂たち純粋な人間達は風呂に入っているから出来る話しなんだな。


「アシュタロトは、元々 古代フェニキア人などが信仰した豊穣多産の女神アスタルテが本当の姿なのよ。

 それを聖書の神の信徒たちが古代フェニキア人を滅ぼして悪魔にしてしまったのね。

 あのアザゼルでさえ、元々は上級天使だったのだから……」


 アザゼルの奴は、自業自得だ !

 上級天使の癖に人間の女に手を出したのだからな !

 まあ、ウチの親父天空神ゼウスみたいな女癖の悪い主神に仕えていたのなら堕天しなかっただろうにな。



 ♟♞♝♜♛♚


 星華たちが風呂から上がったので、皆でゲームをすることに成った。

 もちろん、やるゲームは『ゴーカートライダー・ドリフト』だ !

 まあ、その為に星華や秋穂たち、蝶子やジャンヌもお泊まりセットを持って来たんだけどな。

 ゲームが終わったら、女性陣は客間でパジャマパーティーをするそうだ。

 楽しそうで良かったな。


 俺達、男性陣は俺や巧の部屋でゲーム用ヘルメットをかぶりログインする予定だ。


 ♙♘♗♖♕♔


 今日のレースは、スピード戦だ !

 使えるアイテムは、『ブースター』だけのドライビングの腕だけの勝負な訳だ。


 ブォーン ! ブォーン ! ブォーン !


 アクセルを吹かしてスタートの準備をしている。


 ピッ ピッ ピッ ピィーン !


 ブォーーーン !


 スタートブースターを使いトップに踊り出た !


 まず、最初のカーブをアウトからインに入るべく端に寄せた。

 連続カーブのあるコースだからコーナーリンクが物を言うんだ。


 俺の超絶テクニックを魅せてやるぜ !


 アウト、イン、アウト がコーナーリンクの基本だ。


 俺の華麗な姿を蛍に見て貰い、好感度アップだぜ !

 観客席から蛍や秋桜、天音姉ちゃんが見学しているから無様な姿は見せられ無いからな。


 さあ、もうすぐゆるい連続カーブだ。

 アウト側に寄せた俺を後ろからスピードを落とさずに突っ込んでくる白いスポーツカータイプのゴーカート。


「バカめ、そのスピードだと曲がり切らずに激突するぞ ! 」


 しかし、器用にドリフトを使い抜き去って行った。


「チェッ、上級者がレースに交じっていたか !

 きっと、ゲームばかりしている奴だな、仕方無い 」


 俺のつぶやきにベルが反応した。


『今のスポーツカーゴーカート、嵐の友達のマーズだよ。

 D・Fドラゴン・ファンタジーでは、目立たない子だったけど、中々のドライビングテクニックだね 」


「ナヌゥー、マーズだと !

『人は見かけによらぬもの』と云うが、得意分野だったか。

 前にベルが言ったように、

『一番じゃなきゃダメですか ? 2位じゃダメなんでしょうか?』

 と、恐いオバサン政治家も言っていたしな」


「ちょっと、ちょっと、嵐ぃ~ !

 前に言っていたことと違うよ~ 」


「いいんだよ !

『人、それを臨機応変と云う』と某ヒーローも言うだろうよ ! 」


 まだ何か言いたげなベルだけど、このスピードレースはコースを2週するんだから、まだチャンスがあるハズさ !


 それに次は、魔のヘアピンカーブだ !

 コースアウトしないようにブレーキをかけて、ドリフトの準備をする。


 しかし、今度は青い流れ星のペイントをした紅いスポーツカーゴーカートが凄いスピードで突っ込んで来た。


「オイオイ、そのスピードだとドリフトを使ってもコーナーリンクを曲がり切らずに吹っ飛ぶぞ ! 」


 しかし、吹っ飛びそうに成った青い流れ星のゴーカートは逆ハンドルを使って体制を整えて行ってしまった。


「そうか、アレはプロゲーマーだな !

 仕方無い、3位狙いに変更だ 」


「今のゴーカートも嵐の友達だよ。

 このゴーカートライダー・ドリフトでは『青い流れ星』と呼ばれる有名人だよ ! 」


「誰だよ、 巧やロッキーのドライビングテクニックは俺と どっこいどっこいだし、アザゼル達はお金が無くなったからコンビニアルバイトをしているハズだろう」


「凪だよ。辺奈へんななぎ 、 友達なのに知らなかったの、嵐 」


「知るかぁー ! 大人しい奴だと思っていたのに……

 そうか ! ハンドルを握ったら性格が変わるタイプだったんだな ! 」


 しょうがない、3位入賞で我慢するか。


 最後の急カーブを過ぎたら長いストレートだから、アイテムのブースターを使って距離を縮めてやる。


 しかし、またまた突っ込んで来るゴーカートが2台。

 巧とロッキーだ。

 まさか、お前らまで腕を上げていたのか !


 3台で急カーブを曲がった時、巧とロッキーのゴーカートが曲がり切らずに俺の方に吹っ飛んで来た !




 結果、3台ともコースアウトして…………時間切れで失格に成ってしまった。


 1位と2位を取った、凪とマーズを由利凛と恵利凛が祝っている。


 くっ 悔しくなんか無いんだからな !


「由利凛ちゃんは、僕のだね ! 」


 嬉しそうに凪は言っているが、だまされているぞ !


 由利凛は、だからな !



※作者より


次回から奇数日更新(予定)に成ります。

カクヨムコンテスト中、毎日更新していました。

読んで頂き ありがとうございます。


引き続きよろしくお願いします。


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