第159話 初デート ?

【嵐side】


 蛍の気が変わらないウチにデートをすることに成った…………大江戸ファミリーが一緒だがな !


 今、俺達はスケートリンクに来ている。

 残念ながらすべれない俺は、蛍に滑り方を教えて貰っている訳だ。

 出来れば、かっこ良く滑れる処を蛍に見せて印象を良く仕様としたのだが残念だ。


「ほ~ら、目線を上げて、わたしの手を絶対に離さないでね。 ゆっくり滑るよ 」


 俺は蛍に両手をにぎられてスケートの滑り方を教わっている。


 氷の上に立つだけでも生まれたての小鹿みたいに足が震えている。


「お兄ちゃんののにスケートは滑れ無いとは面白いのじゃ ! 」


 由利凛のヤロウ !

 俺のギャグの何処がスベると言うんだよ !


「プッ、クックックックッ !

 君たちは、小さい頃から本当に変わらないねぇ~ 」


 ほら 見ろ、蛍に笑われてしまったじゃないか !


 由利凛と恵利凛は、小さい頃からハルトおじさんに連れて来て貰っていたのか、スケートを楽しんでいる。


 一方、妹たちは、由利子オバチャンの従姉妹である潮来 秋桜こすもすにスケートの滑り方を教えて貰っている。

 初めて知ったのだが、蛍と秋桜は幼馴染みな上に、ドラゴン・ファンタジーで一緒に遊んだ『ライジング・サン』のトモエだと判った。


 秋桜の兄である龍太郎さんは、ラノベ作家で代表作品である、


『運命の番をさがして八万キロ !──私の赤い糸は誰と繋がっているの── 』


 は、アニメ化にまで成ったんだぜ。


 また 秋桜も、『 ITAKO 49 』と云うアイドルグループのリーダーだったけど、卒業して今は女優として勉強中だ。

 由利子オバチャンの家系だけあり、潮来一族も地味に凄いよな。


「ほら、考えごとをしないで、今はスケートに集中して ! 」


 ジト目の蛍も可愛いよな。


「ウッス、真面目に滑るから手を離さないでくれよ ! 」


 ワザと倒れて抱きつくなんてことはしないぞ !

 俺は、これでもなんだからな !

 でも手袋を通じて蛍の体温を感じる事が出来るのは、リアルならではだな。

 VRMMOとは云え ゲームでは、ここまでドキドキな気持ちには成ら無いだろうな。



 ♟♞♝♜♛♚♙♘♗♖♕♔


【蝶子&アフロディーテside】


 せっかく嵐くん達とスケートに来たのに、嵐くんがスケートを滑れ無いなんて !

 本当は、蝶子ちゃんが嵐くんからスケートのコーチをして貰おうと思っていたのになぁ~


 巧くんも滑れないから明日菜ちゃん達と一緒に秋桜さんから教えて貰っている。


 だから私は、ジャンヌから教えて貰うんだよね。


「おい、蝶子。 悪いがアフロディーテと代わってくれ !

 ジジイオーディーンが、アフロディーテとジャンヌに逢いたいそうだ 」


 ロッキー君から告げられたので、仕方無くオバサンアフロディーテと交代した。


 ♟♞♝♜♛♚


「フゥ~、やっと表に出られたわね。

 久しぶりね、ロキ。 ロッキーなのかしら ? 」


お前達蝶子とアフロディーテと違い、ロッキーとロキは統合しているから、好きなように呼べ ! 」


「はい、はい、相変わらず愛想が無いわね、ロキ。

 周りの目があるから、ロッキーと呼ぶわ !

 それよりもディーンお爺ちゃんオーディーンは、何のようかしら ? 」



 保護者として一緒に来ている、ディーン=アスガルドは、北欧神話の主神オーディーンの仮の姿なのよね。

 知識欲の塊であるオーディーンは、邪神ロキの監視と云う名目で日本に来て、いろいろ活動している。


 休憩所でコーヒーを飲みながらタブレット端末を見ているオーディーンにジャンヌが、


「はじめまして、私はジャンヌ・ダルクと呼ばれている者です。

 貴方が、オーディーン様ですか ? 」


「あに ? 」


 耳が遠いのかしら、オーディーンは。


「貴方は、オーディーン様ですかー ? 」


「あんだって ? 」


 相当、耳が遠いようね。


」「」「


 大声で言うジャンヌに、


「とんでもねぇ、あたしゃ神様オーディーンだよ 」


 スパーン 💥


 ロッキーがオーディーンの頭を叩いて、


「スマナイ、ジジイの奴オーディーンは最近、昔の日本のコントにハマっているんだよ !

 北欧神話の代表として謝るから許して欲しい 」



 その後、無事にオーディーンとの面談が終わって ホッとしたわ。


 北欧神話と云い、ギリシャ神話と云い、主神がアンナだと、周りの神々は大変よね。

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