第157話 節分と……手料理
【嵐side】
毎回思うんだが、鬼に豆を撒いて倒せるのか ?
以前、ユリリン達の管理する世界で見た、大魔王 恭華の部下である、ハイパーオーガ達に通じるとは思えないんだが…………と、云う訳で悪魔さん達に依頼した訳だ。
「何が『……と、云う訳だ 』なんだよ !
『アルバイト代として食料を分けてくれる』
と言うから来たのに、悪魔を何だと思っているんだ! 」
駄目悪魔アザゼルが文句を言うが、パックごはんや缶詰、インスタント食品の詰め合わせを見せたら、
「ヘッ、ヘッ、ヘッ、アレスの旦那も人が悪……神が悪いですぜ。
俺達で、良ければ喜んで『鬼役』を
アザゼル、マモン、ベルフェゴールの三悪魔が下手に出ている。
この三悪魔は、ゲームだけに飽き足らずにパチンコやパチスロに日本での活動費を使い込み資金が無くなったのだ。
ちなみにアスタロトは貴族だからホテル住まいで別行動をしているが、仲魔の為に金を出すつもりは無いようだ。
欲望に忠実な悪魔に
〖お兄ちゃんも怠けているとアザゼルみたいに成るのじゃ ! 〗
と、語っている。
失礼な、 俺は
♟♞♝♜♛♚
【アザゼルside】
オリュンポスの神々とは云え、所詮は人間に転生していたから舐めていた !
「「ウギャァー ! 」」
「痛い、 痛い ! こら、異世界の邪神 !
豆の代わりにパチンコ玉なんかを投げるんじゃ無い !」
ユリリンとか云う異世界の邪神は笑いながら俺達、悪魔にパチンコ玉をぶつけて喜んでいる。
人間に転生しても邪神は邪神だったと後悔しているが、ここで逃げ出してら報酬である食料が貰え無い!
流石にアテナ達、オリュンポスの女神は豆を投げているが、地味に痛いのは人間と地力が違うからか ?
何処の世界も女は恐ろしい……
♟♞♝♜♛♚
【嵐side】
豆撒きは、結果的に大成功だった。
一緒に参加した陽野芽も星奈も凄く楽しんだようだった。
それよりも、ジャンヌが一番はしゃいでいた気がする。
「イングランド野郎は外ぉー ! 」
「イングランド野郎は外ぉー ! 」
「イングランド野郎は◌ねぇー ! 」
鬼気迫る迫力に俺達だけで無く、アザゼルたち悪魔も引いていた。
ジャンヌダルクの最後を考えると仕方ないが、逆に心配だな。
最後に母ちゃん達から教わった俺特製の恵方巻きを 南南東の方を見ながら食べた。
紅い礼装を着た
妹たちは、相変わらず苦手な料理から逃げている。
母ちゃん達が嘆いていたぞ !
俺達、オリュンポスの神々が日本の縁起モノにあやかる日が来るとは……まあ、旨かったから、これで良いのだ !
♟♞♝♜♛♚
【蝶子side】
驚いちゃった !
蝶子の嵐くんが料理もするなんて、蝶子の見る目に間違いは無かった訳よね。
それよりもジャンヌが、はしゃいでいたのは意外だったわ。
普段は、大人しい良い子だけど怒らしたら危険な娘だと、改めて感じた。
念のためにジャンヌに嵐くん達のことを聞いたけど、
「嵐さまや巧さまは魅力的ではありますが、今の私には考えられないことです。
それと、私はカトリックなので、今の日本の一夫多妻や多夫一妻は、馴染めそうにありません 」
う~ん、とりあえずジャンヌはライバルには成らないとして警戒しなくても良いみたい。
〖 黙って聞いておれば言いたい放題言いおって、小娘に何が解ると云うのよ ! 」
※作者より
本作中にパチンコ玉を投げるシーンがありますが、節分に限らずに人や動物に向けて投げるのは危険なので止めましょうね。
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