第150話 子羊たちの大冒険 ④

【ベルside】


 困った、本当に困ったよ !

 カーディナルの頭脳を持ってしても難しい問題だよ !


 嵐たちが『C級ライセンス』を取ったことと、この間のC級公式レースの配信を見て、すっかりやる気を出したチビッ子達を止める方法が無いんだよ !


 直ぐにでも『C級ライセンス』に挑戦しようとしたから少し待って貰ったけど、誤魔化せるのは時間の問題な気がする。


 問題なのは、二人のチビッ子達が嵐よりゴーカートの運転が上手いことなんだよね。

 試験を受ければ、まず合格すると思う。



 ポーン ♪ ポーン ♪


 ウワァ、もう来たよ !


「「ベル~、もう良いでしょう ! 」」


「もう少し、もう少し待とうか !

 そうだ、ジュニア用小学生以下用の方なら大丈夫なんだけど、どうかなぁ~ ? 」


やーやだにーにーと遊びたいんだもん ! 」


「私もお兄ちゃんと遊びたいので、ジュニア用は無いですね 」


 どうして、陽野芽ひのめ星奈せなも意思が固いんだよぉ~ !



 結局、チビッ子達に押される形で『C級ライセンス』を受けることに成っちゃったよ。




「おい、おい、この間のガキ共じゃないかよ !

 まさか、『C級ライセンス』を受ける気なのか ?

 無駄、無駄、無駄ぁー !

 ガキは大人しく初心者用コースで遊んでいろやぁ~ 」


 あっ、この間のヒキニート学生だ。

 バカだよねぇ~、フレンド登録してないと会話が出来ない仕様に成っているのに、気が付いていないのかなぁ~。


 案の定、チビッ子達は『キョトン』としている。

 それが気に食わなかったのか、怒り始めた。


「生意気なガキ共だな、少し教育してやろうか 」


 三人のヒキニートがチビッ子達を囲んで逃げられないようにしている。

 ボクは、何時でもBAN出来るように準備していたけど……


 ジィーーーーーーーー ット !


 アレ、あの娘は嵐の…………自称、恋人……友達だよね。

 アゲハこと蝶子ちゃんが見ていた。

 嵐のことが心配でお母さん(オモイカネ)スーパーコンピューターで嵐のパーティーメンバーやクランメンバーは調査済みさ !


 その蝶子ちゃんに気が付いたのか、ヒキニート達が


「オイ、ヤベェよ、ヤベェよ。

 あの娘、MyTuberのアゲハだぞ !

 俺達の事が配信されたら、直ぐに調査班に調べられて身バレするかも知れんぞ !? 」


「ウゲェ、アゲハの右腕の腕章を見ろよ !

 あの女、

『運営から公式配信者に任命さましたぁ~ ! 』

 とか、MyTubeで言っていたのは本当みたいだぞ ! 」


「と、云うことは俺達のことは運営に筒抜けで…………

 ヤベェ、垢BANされるから撤退するぞ ! 」


 三人のヒキニートA、B、Cが説明的なセリフを吐いて去って行った。

 そうかぁ、Ωオメガチームは有名プレイヤーを取り込みに来たみたいだね。



 ♟♞♝♜♛♚


【蝶子(アゲハ)side】


 行っちゃった~、せっかくDQNドキュンプレイヤーをアゲハ蝶子ちゃんが華麗に退治して公式MyTuberとしてのデビュー作品に成る予定だったのになぁ~。

 仕方ないから元々予定していた『美幼女の初めてのライセンス試験』を実況するしかないなぁ~。

 欲しい洋服やアクセサリー、化粧品、とてもお小遣いだけじゃ足りないから MyTubeの配信を始めたら、大人気に成り配当金で欲しいモノが沢山買えるように成ったわ。

 蝶子、感激ぃ~♪


 ベルちゃんを説得して私が陽野芽ひのめちゃんや星奈せなちゃんのアドバイザーとして一緒に参加する事に、ついでに私のゴーカートも私の従魔ノワールバイコーンを改造して貰ったわ。


 嵐くんとタヌキチみたいに私もノワールとは仲良しだから嬉しいなぁ~。

 嵐くんや明日菜ちゃん達より出遅れたけど、三人で一緒に合格したら喜んでくれるかなぁ~。

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