第145話 チキチキゴーカート超レース ⑥

【嵐side】


 まだまだ知らないアイテムがあることを知り、あらためてベルに聞いたが、


「ごめんね、もう結構 嵐を贔屓ひいきしているから教えられないんだ!

 だから、実戦で勉強するか、攻略サイトを見るかしてね ! 」


 すまなそうに言うベルには、これ以上は無理強いは出来ないな。


「それなら、あの悪魔アザゼルの乗っていたゴーカートの事ならどうだ ? 」


「ああ、アレね。

 あの機体ゴーカートは、リアルマネーで買えるプレミアムゴーカートの一つだよ。

 まさか、あのゴーカートを買う人が居るなんて、ボクもビックリだよ ! 」


 アザゼルの奴、そうまでして勝ちたいのかよ !

 本当に大人気ない奴だな。


「なあ、アザゼルの相棒もゲームの中から選べるのか ?

 あの目付きの悪いパンダ□成パンダを見たのは、始めてなんだが ? 」


 由利凛を含めて、妹たちや星華や秋穂、巧にロッキーもゲーム内にあるキャラクターから選んでいるようだったしな。


「ああ、あのパンダ京◌パンダのことだね。

 アレもリアルマネーでカスタマイズしたキャラクターみたいだよ。

 人間の男って、くだらない事にお金を使うんだね !

 嵐は、ああいう大人に成ったら駄目だからね ! 」


「誰が成るかぁー !」


 思わず叫んでしまった。

 アザゼルなんかと一緒にされてたまるかぁー !


 巧やロッキーとも話したが、アザゼルの事だから他にもプレミアムゴーカートを所有している可能性が高いと云うことで意見は一致した。

 ああいう大人は、食費を削っても己の趣味にお金をかけるからなぁ~。

 …………俺も気をつけよう。



 その後、皆で始めての公式レースに出走した。

 生憎あいにく、皆とバラけてしまったが苦労しながらも4位に入ることが出来た。

 C級レーサーだが、これからポイントを稼いで直ぐにB級、A級レーサーに成ってS級レーサーに成って……



 俺は『ゴーカートライダー王』に成る !




 野望の第一歩の為に、コツコツとレースに出よう。



 ♟♞♝♛♚♜


【アザゼルside】



 少しはウサが晴れたぜ !

 軍神アレス(嵐)に、鍛冶神ヘパイストス(巧)に、邪神ロキ(ロッキー)と云っても人間に転生したら恐くは無いんだよ !


 次のターゲットは、知恵と戦いの女神アテナ(明日菜)不和と争いの女神エリス(英里香)海と幸福の女神パラス(ポセイドンの孫娘)だな。


 そして、本命の異世界の知恵と悪戯の女神ユリリン(由利凛)と言わせてやる !


 その為に、プレミアムゴーカートを数台とカスタマイズする為に給料をつぎ込んだんだ !

 しばらくは、カップ麺が続くが悪魔を舐めるなよ !


 それにしても、ベルゼブブ悪魔シェムハザ堕天使も俺の金を凍結しやがって !

 人間世界が混乱するから資金の持ち込みを禁止しやがった。


 悪魔や堕天使が人間世界の心配して、どうすんだつぅーの !

 お陰で教員の給料だけで、やりくりしないとイケナイんだぞ !

 先輩教員由利子先生は、そこいらの神より恐いし、何処の武神だっつうの!


 ベルゼブブやシェムハザは、由利子先輩を

『悪魔や堕天使にスカウトしてこい !』

 なんて、言っていたが…………出来るかぁー !


 悪魔だって『命』は惜しいんだよ !


 だから、ウサ晴らしに人間に転生した神々に嫌がらせの一つくらいしても問題無いハズだよな !


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る