第138話 チキチキゴーカート超レース ①

【嵐side】


 休み時間に成り、俺の様子を心配した星華や秋穂が来て訳を聞かれたから、『ゴーカートライダー・ドリフト』のことを教えたら二人は知っていた、俺よりも。


 どうやら『ドラゴン・ファンタジー』と同じ大江戸グループのゲームだと云うことが判った。


「嵐くんの家業のことなのに知らなかったの ? 」


「確かに知らなかったが、大江戸グループは『揺りかごから人工衛星まで』の総合企業だから、全てを知っている訳無いだろう ! 」


 まあ、大江戸グループは、明日菜や英里香、由利凛や恵利凛が居るから大丈夫だろう。

 俺は雲のごとく、自由にさせて貰おう !


「同じゲーム会社だから コンバート出来て、お得らしいよ 」


「へっ、コンバート ? 」


 何、それ、美味しいのかそれは『コンビーフ』だ、アホ


「つまり、大江戸グループのゲーム同士なら、アカウントを共有することに寄って、いろんな特典があるんだよ 」


「そうそう、お金やレベル、アイテムなんかは持ち越せ無いけどね。

 プレイヤーレベル(ステータス)は、ある程度 影響するらしいよ 」


 星華や秋穂の方が詳しかった……


 聞き耳を立てていたのか、明日菜たちまで俺たちの話題に入ってきた。

 どうやら『ドラゴン・ファンタジー』の運営に対して思うことがあるらしく、しばらくゲームを止めようかと妹たちだけで相談していたようだ。


 運営め、自業自得だな !

 …………一応、ベルにだけは事情を話しておくか。

 少し、皆より出遅れるが、俺の相棒だからな !



 ♟♞♝♜♛♚


【ベルsaid】


 ようやく、緊急メンテナンスが開けて、嵐たちと遊べるかと想っていたのに……


「 …………と云う訳で、しばらくは遊びに来れなく成りそうなんだわ !

 もちろん、時々はコチラの世界にも遊びに来るからな ! 」


 ……嵐たちの事情は理解したけど、せっかく仲良く成れたのにさみしいよ。


 だけど、同じお母さんオモイカネが管理するゲームなら、カーディナルのボクなら何らかの形で合流出来そうだね !


 フッフフフ、ボクからは逃げれ無いよ、嵐 !


 クイ クイ


 タヌキチぶんぶく茶釜が、目を潤ませてボクを見ている。

 そうか、タヌキチも嵐と一緒に居たいんだね。

 ボクに任せなさい !


 嵐がログアウトした後に、お家スーパーコンピューターに帰ったボクは、お母さんオモイカネにお願いした。


 ボクのお願いは聞き入れられて、晴れて『ゴーカートライダー・ドリフト』に参加出来るように成った。


 驚く嵐の顔が楽しみだなぁ~ ♪



 ♙♘♗♖♕♔


【運営said】


 緊急メンテナンスの間に、いろいろ調整したから 今度こそ大丈夫だぞ !

 …………しかし、メンテナンス開けなのに、ログインしているプレイヤーが少ない気がするが気のせいか ?


 しばらく待っても、ログインしてくるプレイヤーが少ない…………嫌な予感がするなぁ~


 他のスタッフも不安に思ったらしく、いろいろ調べ始めた。


「たっ 大変です !

 チームΩオメガの『ゴーカートライダー・ドリフト』のログイン数が、ウチのチームαアルファの『ドラゴン・ファンタジー』を抜きました ! 」


 少ししゃくだが、ライバルとは云え同じ大江戸グループのゲーム会社だ、そんなに慌てることは無いだろう。


「何を余裕ブッコイているんですか、チーフ !

 ウチの『ドラゴン・ファンタジー』からコンバートしたプレイヤーが大量に流れているんですよ ! 」


 何ですとぉーーー !


「原因の1つが解りました !

 プレイヤーネーム『アゲハ』、リアルネーム『夜野蝶子』が、この間の闘いと弱体化された武器のことを配信したのを見たプレイヤーがウチを見限ったようです ! 」


 ガッテム ! プレイヤーを甘く見すぎていたと云う訳か !


「よし、カムバックキャンペーンをやるぞ !

 1人、100連無料ガチャに1万エンジャーをを配るぞ ! 」


 クソゥ、とんだ大赤字だ !

 ハゲ部長からの大目玉は確実だな……ハァ~。

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