第137話 三学期 ③

【嵐side】


 ゴーカートライダー・ドリフトのゲームをプレイする前に予習をしている……授業中だけどな !


 前情報は少ないが、ゴーカートは9種類から選んで自分で少しずつカスタムしていくらしいな。

 キャラクターも発表されているのは数人だが、キャラメイクは出来るのだろうか ?


 何時もは説明書やチュートリアルを見ない俺だが、反省して勉強しているのさ !


 トン トン


 誰だ、俺は忙しいんだ !

 無視してスマホから情報を確認していると


 トン トン


 しつこい奴だな、振り返り文句を言おうとしたら、


「忙しそうな処、悪いけどね !

 今は、社会科の授業中だからスマホを見ずに授業に集中して欲しいなぁ~、大江戸嵐くん 」


 浦和うらわ真知子まちこ先生が腰に手を当てながら怒っていた。

 これが 由利子オバチャンなら、問答無用でお仕置きをされる処だが、真知子先生なら


「ごめんなさい !

 以後、気を付けるので許してください 」


 きちんと謝れば、許してくれる……ハズだ。


「とりあえず、授業が終わるまで スマホは預かります !

 授業が終わったら返しますから、渡してくださいね 」


 ホラな ! これが、由利子オバチャンなら没収される処だったぜ。


 スマホを渡そうとしたら、真知子先生が手を滑らして落としそうに成った !


 思わず下から救い上げるようにキャッチしたら、勢い余って、真知子先生のスカートをスまくってしまった。


「スッ スミマセン !

 わざとじゃ無いんです、本当ですよ ! 」


 慌てて謝った……ラッキースケベなんて思っていないぞ !


「……白なのじゃ ! 」


 由利凛のバカヤロー 、一言余計なんだよ !


「イヤ~ン、まいっちんぐ …………何十年ぶりで懐かしいわね 」


 変なスイッチでも入ったのか、真知子先生 !

 授業の後に聞いたら、昔のアニメで真知子先生と同名の先生の決め台詞だったとか…………凄いな、昔のアニメ !


 一応、業とじゃ無いと理解して貰えたから良かったけど、由利子オバチャンの親友だけあって、真知子先生も変女だよな。



 ♟♞♝♜♛♚


 社会科の授業の次は、給食を挟んで担任の館林たてばやし瑠奈るな先生の数学の授業だ。

 瑠奈先生は、真知子先生以上に甘々な処があるから、尚更 注意しないとな ! しかし……


 コクリ コクリ、腹がふくれたのとエアコンの暖かさ、窓際の席のせいか、陽当たり良好 !


 春眠暁を覚えず……まだ、冬だけどな !



 夜中に目が覚めた俺が、面白い本は無いかと父ちゃんや母ちゃんの本棚から探していて見付けてしまった。

 ついつい読んでしまい寝不足に成ってしまったのも原因だな。

 母ちゃんのコレクションは、ラブコメが多く面白いは面白いんだが、父ちゃんが好き過ぎて、大学ノートに父ちゃん、母ちゃんが主役の青春小説を見付けた時の気まずさといったら無かったぞ。

 意外と面白かったけどな !


 まあ、そんな訳で船を漕いでいると居眠りしていると


 ゆさゆさとらしている奴が居る。


「俺は寝不足なんだ、寝かせてくれ…………


 ニッコリ笑っている怒っている瑠奈先生が居た !


「顔を洗ってきなさい、嵐くん 」


「アイ・アイ・サー !」


 俺は急いで洗面所に向かった。

 ヤベェ、ヤベェ、あまりヤラカシていると由利子オバチャンに報告されて、ゲームを禁止されてしまう。

 暴力反対なんて他神事だと想っていた俺が人間に転生して想い知らされるとはな、世界は広いぜ !


 男子トイレから出ると瑠奈先生が待って居た。

 サボると思われたようだ、信用無いのな、俺 !

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