第135話 三学期 ①
【嵐side】
今日から三学期、時の過ぎるのは早いもんだな。
ゲームばかりやっていた気がするが、勉強や運動だってしていたんだからな !
ガラ ガラ ガラ ガラ ガラ
教室のドアが開き、担任の
由利子オバチャンは、学年主任だから担任を持っていないハズなのに来たと云うことは、何か有ったのか ?
「
一見、若く見えるが由利子オバチャンの同期で子持ちとは思えない程、ホワホワした先生なんだよな。
がさつな由利子オバチャンと優しい
瑠奈先生に促されて、二人の転校生が入って来た。
一部を除き、女子生徒達が騒がしく成った。
少子化な上に少なく成った貴重な男子生徒が二人も教室に入って来たからだ。
しかし、二人の目線が向いている相手を確認して、ため息と嫌な雰囲気の嵐が吹き荒れた。
…………嵐と言っても俺が暴れた訳じゃないぞ、そこんトコロよろしく !
「
こちらの学園に親友が出来たので、転校して来ました。
よろしくお願いします 」
テルの奴が俺の方を見ながら言っているが、何時から親友に成ったんだよ!
確かに冬休みに泊まり掛けで遊びに来た時、朝練でグッタリしているのを介抱してやったが、お前の狙いは
腐女子たちが変な期待をするから、止めて欲しいんだが !
「
世野中くんと同じ中学から来ました。
よろしくお願いします 」
小柄な凪を見て、
「ショタきたー! 」
と、変女が騒いでいる…………マトモな生徒は俺達だけなのか ?
略奪愛とか聞こえてくるが、聞かなかったことにしよう。
恋愛沙汰は、神時代のアフロディーテの件で懲りているからな。
だけど、転校生の為だけに由利子オバチャンが来たのか ?
テルや凪が席に着いたのを確認した由利子オバチャンが、
「数年ぶりに『水郷マラソン』が復活したのは、皆も知っていると思うが、参加者が少ない為に市から要請が有った。
中学生の君らは、ハーフマラソン(21.0975km)の部に参加して貰う。
男子も女子も出来るだけ参加して貰いたいが、希望者が居ない場合は、私が指名させて貰う !
一般生徒は、記録より完走を目指して欲しい !
参加希望者は、後で私の元に来て欲しい、以上 ! 」
…………俺の方を見ないで欲しい。
身体を動かすのは好きだが、この寒い時期にマラソンなんて、カッタルクてやりたくないんだが……由利子オバチャンに ロック・オンされているから逃げようも無いんだろうなぁ~。
それなら無理矢理やらされるより、先手を打って
「ハイ、由利子オバ…………由利子先生 !
俺と巧、ロッキーとテル……世野中くんが参加します ! 」
「「嵐、テメェ ! 」」
巧とロッキーが文句を言うが、一蓮托生だろう俺たちは。
……凪は、可哀想だから除外した。
体力が、全然無いんだもんな
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