第130話 嵐のごとく Ⅶ ⑪

【嵐side】


 敵は、アンデッドか……やはり『聖属性』の武器や魔法が有利だと思うんだが、


旦那様だんなさま、旦那様、アタイは『聖属性』に成ったんだから役に立つから使って損は無いよ ! 」


 否、お前ダークネスの大盾を使うと、俺の精神が磨り減るんだよ !

 しかし、背に腹はかえられないから仕方ないかぁ

 他にも盾を探したが、コイツダークネスの大盾以上に良い盾が無かったのも事実なんだよな。


 確かに、黒い禍々しい大盾から白く清らかな大盾に変わったが、中身は『ドM』のままだから聖属性と言われても、いまいち信じられないんだよ。

 後は聖属性を使えそうなのが、アゲハ蝶子なんだよな…………ハァ。


「なに なに、蝶子ちゃんをジッと見詰めちゃって、やっと蝶子ちゃんの魅力に気付いちゃったぁ~ !

 きゃあ~、蝶子もぉ~ 嵐くんの事がお気に入りだからぁ~ 付き合って上げても良いよぉ~ ❤️ 」


 自意識過剰な処は、アフロディーテの頃と変わらないのな !


「そうじゃなくて、今度の戦闘ではアテにしてるぞ !

 聖属性の魔法が使えるのは、アゲハ蝶子しか居ないからな !

 くれぐれも勘違いするなよ ! 」


 巧やロッキーが、ニヤニヤしながら『グッジョブ』と小声で言いながら、親指を突き出していた。

 ……他人事だと思いやがって、覚えていろよ !



 精霊国に近付いて来たせいか、アンデッドが出始めた。

 てっきり、中国のアンデッドだから、キョンシーが出るものだと考えていたが、普通のゾンビやゴーストだ。


 それを妹たちが中心に成り倒している。

 普通の女の子なら恐がるか気味悪がると思うんだが、 元女神だからか、そんな素振りを見せたりはしない。

 そして、当然ながら武器を換装かんそうしていた。


 アリア(明日菜アテナ)は、聖槍ロンゴミニアド


 エデン(英里香エリス)は、神銃ジークフリート


 リアス(パラス)は、 三叉の矛 トリアイナ


 アゲハ( 蝶子アフロディーテ)は、宝帯ケストス


 いつの間にか、皆が武器を新調していた…………つうか、蝶子の奴はアフロディーテの記憶の封印が解けているんじゃないだろうな !


 それとなく、探りを入れたが封印が解かれた訳では無く、本能で選んだようだ。


 素材を集めて神話の知識からヘパイストスが完成させていたようだ。

 レベルアップで転職して、超級錬金術師と超級鍛冶師に成っていたようだ。


 良かったな、希望通りの職業で !

 俺なんか、俺なんか、勝手にガーディアンに成っているし…………おのれ、運営め ! 俺に何の恨みがあると云うんだ !


 何処かの無双するゲームみたいに蹂躙する妹たちに、趙高ちょう こうが青い顔をしている。

 …………元々、死者だから顔色が悪いのは、当たり前か。


 尚、本当に普通の女の子である星華たちは、俺の後ろで震えている為に俺は動けずに彼女たちを守っている。

 駄竜ことカゲトラ(龍騎青龍)は、クッパ(玄武)が冬眠した為に役立たずに成ったので、星華たちと一緒に居る。


「なあ、何で 項羽とか呂布や張飛といったスーパー武将が居ないんだ ? 」


 ベルに聞いてみたら、


「 そういう英雄は、戦乙女ワルキューレがヴァルハラに連れて行っちゃったよ !

 特に呂布なんて、生きているうちに戦乙女ワルキューレの長女ブリュンヒルデにスカウトされたみたいだよ ! 」


 なっ 北欧神話、オーディーンの爺さんも抜け目が無いぜ…………って、ゲームだったから関係無いと思うが、スカウトはやっていそうだな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る