第122話 軍神の知謀、知神の苦悩

【嵐side】


『ドラゴン・ファンタジー』で、カウントダウン・イベントが有ると由利凛から聞いた俺は、今から待ち遠しくて、タブレット端末を使い調べていた。


 流石に運営も正月早々にバカはやらない……と信じたい。


「アレスが人間の機械を使いこなしているだと !

 やはり、父上ゼウス義母上女神へらの考えは正しかったのですね !

 流石、全知全能の神ゼウスは偉大な御方です !」


 コイツヘルメスは、凄く親父ゼウスを尊敬しているからな。

 あのスチャラカ親父の本性が見えないらしい。

 そして、コイツヘルメスが、どういう目で俺を見ていたのか、よ~く判った !


「おい、何時までニワトリの姿で居るつもりだ !

 用事が済んだのなら、天界に帰れば良かろうに !」


 コイツニワトリが居るせいで、ウチの猫たちが俺の部屋に乱入しようとしている。

 アイツら、俺の言うことを聞かないからな!

 完全に舐めているとしか思えない。

 さっさとヘルメスを追い出して、平和な1人部屋を満喫したい。


「私は、なのだろう。

 ペットの面倒は最後まで責任を持って見るものだぞ !」


 …………ああ言えばこう言う、駄目神め!


「そうか、そうか、そういう事なら 悪魔由利凛に生け贄に捧げるのも自由な訳だな。

 悪魔由利凛も鶏肉が大好物みたいだし喜ぶぞ !」


「スマナイ、私が悪かった !

 だから、悪魔に生け贄にするのだけは勘弁してくれ……勘弁してください」


 まったく、仕方ない奴 !

 きちんと格付けしとかないとダメだからな、は!




 ♟♞♝♜♛♚♙♘♗♖♕♔


【ヘルメスside】



 くっ 悔しい !

 脳筋で暴れるだけが取り柄のアレスにマウントを取られてしまった。

 人間に転生しても本質は変わらないだろうと舐めていたのが不味かったようだ。


 そして想定外だったのは、戸々は日本神話のテリトリーらしく、オリュンポス十二神の私の神力が制限されてしまっている。

 だから、他かがに遅れを取ったのだ !

 断じて、私がヘタレだからな訳ではない !


 悔しいが 安全な居場所は、アレスの部屋以外に無いことだ !


 ヘパイストスにも頼んでみたが、即答で断られてしまった。

 神時代にアフロディーテに浮気された事をバカにした事を根に持っているようだ。

 まったく、狭量だから浮気なんて、されるんだぞ !


 アテナ明日菜エリス英里香にも頼もうとしたら、ムシを見るような目で見られ、


「「 変態 ! 」」


 わっ 私が悪いのか !?


 転生したとは云え、お前たち、人間に染まり過ぎだろう !


 こうなったら 天界に帰り、父上ゼウス報告密告して 『罰』を与えて貰おうと『神メール』を送ったら、何故か 義母上女神ヘラから、


〖当分の間、観察を続けるように !

 無断帰国は厳罰を与えるから留意するように〗


 父上ゼウスからは、何故か返事が帰って来なかった。

 きっと父上も仕事が忙しいのだろう。

 仕方ない、苦渋だが 父上、義母上の命令は絶対だ !


人間に転生した アレス達に記憶が残っているのも 父上ゼウスの深い考えがあるのでしょう。

ならば私は、父上の言いつけ道理にアテナ達の観察をして父上に報告することだけを心懸けすれば良いこと。

余計な事を考えずに、役目を果たしましょう。




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