第121話 それは秘密です…………でもバレバレ🤫

【嵐side】


「何しに来たんだ、 ?」


 俺が質問すると、あからさまに目を剃らした。


「コケッ 」


 首を傾げて、とぼけてやがる。

 微妙に可愛くしているのがムカつくな !


「どうやら、俺の勘違いだったようだな。

 猫たちの退屈しのぎ用に飼って見るか。

 おーい、にゃんゴロー、ウッシッシ、オハギ俺の猫(子分)たち

 生きの良い玩具が有るから、おいでぇ~ ! 」


 ドタドタ ドタドタ ドタドタ


 猫たちがやってきた。

 コイツらは、半野良猫で普段は外で自由にしているが、エサと寝床はウチが提供している。

 そのせいか、番猫をしてくれているんだ。

 農家が多く、田んぼや畑があるからネズミ避けに猫を飼っている家が多い。

 ウチで飼っている、タビやボンド達と違い 比較的、俺になついているから可愛く思っている。



「待て、まて、マテ、待ってくれ !

 私が悪かったから、猫に差し出すのは勘弁して欲しい ! 」


 やっと 、ニワトリヘルメスが話した。

 まったく、最初から素直に話せば良いモノを !


 常備してある猫用ジャァキーを猫たちに渡し、お帰りをして貰った。


 あからさまに、ホッ としているニワトリヘルメスに、


親父ゼウスからの伝言か、ヘルメス ?」


 一応、知恵の神であり 俺と同じオリュンポス十二神の一柱なんだが……メッセンジャーと云うより親父ゼウスのパシリなんだよな。


「それは、その~…………守秘義務が有るから言えないが、お前たちに対しての敵対行為では無いから安心して欲しいのだが、信じてくれると嬉しい」


 けがれを嫌う神は、基本的に『嘘』は吐けない。

 だから、ヘルメスの言っていることは本当なのだろう。

 生真面目なコイツが仕事をサボる訳は無いし……

 大方、俺達の監視を親父ゼウスから頼まれたと云う処だろうな。

 親父ゼウスはアテナには甘いからな。



「ところで、お前達は外で遊ばないのか ?

 子供は外で元気に遊ぶものだろう。

 ここしばらく観察していたが、日本の子供は遊ばないのだろうか ?」


「今時の子供は、外で遊ぶのは少数派だと思うぞ !

 寒い冬は風邪を引かないように家に居るのが多いからな 」


 まったく、コイツヘルメスは何時の時代の話をしているんだ。

 情報のアップグレードくらいしておけよ !



 テポ テポ テポ テポ テポ テポ


「お兄ちゃん、崑崙飯店の出前が来たのじゃ !

 麻婆豆腐や青椒肉絲にエビチリ、もあるから早く来ないと無くなっても知らないの…………美味しそうなニワトリなのじゃ !

 ジュルリ ! そのニワトリも食べるのか、お兄ちゃん ? 」


「 コケッー ! 」


 ヘルメスが、あわてて俺の後ろに隠れた。

 由利凛の奴、気づいていて わざとやっているな !

 後ろで震えているニワトリヘルメスも気づけよ、本当に知恵の神かコイツ !


「否、このニワトリヘルメスは俺のペットにするから食べるなよ !

 ……フリじゃ無いから、食べるなよ ! 」


「ふ~ん、判ったのじゃ !

 だけど、変な事をしたら間違ってめてしまうかも知れないから、よ~くしつけておいて欲しいのじゃ、お兄ちゃんアレスお兄ちゃん !」


 そう言い残して部屋から出て行った。


「あっ 悪魔が居る !

 助けてくれて ありがとう、アレス。

 私は、貴方を誤解していた。

 今ので尊敬している神ランキングのベスト10に入ったよ !」


 震えているニワトリヘルメス、コイツは本当に知恵の神か ?

 由利凛は悪魔では無くなんだけどなぁ~。

 そして、俺の以前のランキングが気になったが、聞かない方が良さそうだな。


 早く行かないと本当に俺の食べる分が無くなりそうだから急いで行かないとな !

 ニワトリヘルメスを皆に紹介しようと思っていたが、頑なに部屋から出ようとしなかったから 後で妹たちに紹介して驚かしてやろう。


 しかし、既に由利凛から聞いたのか明日菜アテナたちはあきれた顔をしていた。


 ダメ兄貴を持つと苦労するなお前が言うな! 略して『おま・ゆう』、妹よ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る