第118話 嵐のごとく Ⅶ ②

【嵐side】



 ファーストの街、俺達のパーティーハウスがある街。

 サタンだろうがルシファーだろうが守って見せるぞ!


 シャン シャン シャン シャン シャン


 空中にいきなりソリと沢山のシカ鹿モンスターがポップした。


 ソリの上には黒いサンタクロースが乗っている。

 本当にフザケている運営だぜ !



 空中で止まったソリから降りて来た、黒いサンタクロース…………

 否、サタンクローズが大きな袋をソリから下ろしながら、


「さあ、良い子の皆さん !

 サタンクローズのオジサンからのプレゼントだよ 」


 袋から出して来たのは、モンスターの群れだった!


 グレムリンやコウモリンコウモリ型モンスター、ワイバーン、空飛ぶスパゲッティ……スパゲッティだと !


 初登場モンスターは、最初にモンスターの頭の上に名前が表示される。


 暇か、ヒマなのか、運営!

 それとも俺達をめているのか ?


 ドッカァーン !


 爆音と同時にサタンクローズの上半身が吹き飛んだ!

 5本あるHpバー の1本が消えた…………

 やっぱりボス戦かよ !


 再生機能があるのか、サタンクローズが みるみる再生されていく。


 ドッカァーン !


 再び撃たれた、エデン英里香のヘカートⅡ で下半身が吹き飛んだサタンクローズ


 クリティカル・ヒット !!


 クリティカルが表示され、Hpバーが一気に減り残り1本に成った。


 サタンクローズの姿が変化した、二段変身と云う奴だな…………後、1~2回くらい変身を残していても可怪しく無いハズだな、アノ鬼畜運営なら !


 サタンクローズは、古典的なヤギの頭に角を生やした悪魔の姿に成った。


 …………説明係みたいに成っているが、俺はエデン英里香とセナやヒノメ、シリウスマーズを守っているから忙しいんだぞ !

 パラディンの職能で、バリアーみたいなモノを張っているんだ。


 アリア明日菜達は、前線で次々とモンスター達を倒している…………羨ましい !

 今回は龍騎や琥珀姉ちゃんが欠席の為に盾職が俺しか居ないんだ。

 二人は四霊の応龍や麒麟に呼び出しを受けて、とある神社に出かけている。

 二人して報告を忘れていたらしく上司の黄龍が怒っているようだ。


 ……聖獣も大変なんだな、同情はしないがな!




 ♟♞♝♜♛♚♙♘♗♖♕♔



【運営side】


「 バカヤロー ! だから、ファンタジーゲームに『銃』なんて反対だったんだ !

 それを、あのハゲ部長が

『欧米や中韓に売るには『銃』でしょう !』

 とか、言ってゴリ押しするからゲームバランスが可怪しく成っているんだぞ !」


 プレイヤーを蹂躙じゅうりんするハズが、逆に蹂躙されて、どうするんだよ!


 だっ 誰だ ! ヘカートⅡ なんて化け物を入れたバカは !

 ウチに『銃オタク』なんて居たのか ?


 周りを見渡すと……怪しいのが一人、真面目に画面を観察しているフリをしている。

 確か奴は『アニメオタク』だったハズ !

 問い詰めると、


「シノノンの愛銃を、どうしても再現したかったス !」


 クッ、どいつもこいつも趣味を丸出しにしやがって!


「 たっ 大変です、チーフ !」


「なんだ、ファーストのボスが倒されたのか ?」


「違います! セカンドのボスが倒されました !」


 なっ、早すぎる ! チートズルか ?


「 オモイカネからは、違反行為は認められません !」


 誰だ……と聞くまでも無く、こんな事をヤってのけるのは『ライジング・サン』しか居ないよな。


「『ライジング・サン』が中心に成って波状攻撃でボスが部下モンスターを出す前に…………あのぅ~ヤられました」


 オイ、オイ、オイ、今時の奴は様式美ようしきびと云うモノを理解していないのかよ !

 お互いに、名乗りを終わるまで待つのが美学だろうが !


「たった今、ファーストとサードのボスも倒されてしまいました、チーフ!」


 なんとぉー ! …………ファーストは仕方ないにしても、サードの防衛戦は参加プレイヤーは少なかったハズだよな。

 半数が第三魔王を倒しに行ったハズ……


「サードのボスはバック・アタック、挟み撃ちにあいました !

 どうやら第三魔王討伐に行った連中が引き返して来たようです! 」



 だっ だまされただと、俺たちが !

 全滅、3戦3敗……否、前回を入れれば、4戦4敗 全敗だ…

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