第115話 終業式、そして冬休み!
【嵐side】
なんか、ゲームばかり遊んでいたせいか、アッ と云う間に明日から冬休みだな。
漫画やアニメだと、いろいろイベントがあるのに……まあ、平和と云う事だから良いんだろう。
神時代に暴れ回っていたが、人間に転生してからは自分でも大人しく成ったのは理解している。
神力の封印のせいなのか、人間の理性が影響しているのかは判らないが 今が楽しいから、これで良いのだ……良いのだが、真冬の
俺たち、大江戸ファミリーがゲームに夢中に成っていることを心配した由利子オバチャンが、家の隣に造って貰った道場で武道の
なまじ大江戸家に金があるせいか、父ちゃんも母ちゃん達も大賛成して超突貫工事で建ててしまった。
もちろん、抵抗はしたが由利子オバチャンには、無理無駄無謀だった。
流石の妹たちが理論詰めで説得を試みるも精神論で押しきられてしまったよ……トホホ。
Mens sana in corpore sano
《健全な肉体は健全な精神に宿る》 (Wikipedia参照、ラテン語)
古代ローマの格言が日本で生きているなんて!
知らないだろう!
早朝、板張りの道場の床は、
その中で男女別れて柔軟体操を汗が出るまで地道にやるんだ。
参加メンバーは、風林火山や眠れる羊たちのメンバーも強制参加だ…………小学生の
柔軟体操が終わり、小休止した後に、それぞれの獲物を持ち稽古が始まる。
明日菜、パラスは薙刀で素振り
英里香は弓道では無く、由利凛や恵利凛と交ざり受け身の練習を畳が引いてある場所で始めている。
今日、初参加の
母親と同じなら、星華や秋穂は剣道、伊緒は柔道だが……
……と云うか、由利子オバチャンは何処の武神だよ!
小学生組は、柔軟体操だけで終了して母屋の方に行っている。
猫たちが一緒のせいか嬉しそうだな、俺には冷たい猫たちも子供には甘いようで、触られても嫌がらない。
せっかくの冬休み、朝寝坊してダラダラ過ごすつもりだったのに、とんだ誤算だぜ!
最初、嫌そうにしていた妹たちも今では充実感に溢れているようだ。
脳筋な妹たちと違い頭脳派の俺は今一、気が乗らない。
「
気合いを入れなさい !
…………私から『1本』取ったら、終了して良いぞ !」
よし、言質は取った。
今の由利子オバチャンは竹刀を持っていない。
星華たちに貸し出した為に素手の状態だ。
チ~ャンス !
「 天空一文字斬りぃー ! 」
由利子オバチャンの前で、ハイジャンプして打ちおろした…………もちろん寸止めのつもりだったが……
俺の渾身の一撃は……
パッシッ!
「なっ! 真剣白刃取り だと……グゲッ !
やすやすと由利子オバチャンに俺の一撃はキャッチされて回し蹴りを喰らった !
「ヒデェ~、剣道に『蹴り』なんて有りかよ 」
俺の文句にも涼しい顔した由利子オバチャンは、
「学園の剣道場は『剣道』だが、この道場は『
悔しかったら、私に勝ってみなさい !」
…………それ、無理ゲー !
俺と巧、ロッキーの三人がかりでも勝てないのに、単独で勝てる訳が無いだろう !
気のせいか、妹たちも由利子オバチャンに恐怖しているように見える。
父ちゃん、母ちゃん達の話だと、
『元々強かったらしいが娘を三人産んでから、更に磨きがかかった』
と、言っていた。
妹たちの検証によると女神を三人産んで『神化』したのでは……との話だ…………聖母じゃ無いのかよ !
結局、冬休み中の朝の稽古、寒稽古は決まってしまった。
ちなみに、天音姉ちゃんは『風紀委員』の仕事で逃げた。
たぶん、これからも逃げ続けるんだろうなぁ~。
セコいぞ、日本神話最高神 !
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