第96話 嵐のごとく Ⅴ ⑫
【嵐side】
ゲームが終わったのは夜中だった為にゲーム用のヘルメットを外した後、三人で並べて置いた布団に潜ったら直ぐに眠ってしまったようだ。
一仕事が終わった安心感かも知れないな。
朝のコーヒーを皆で飲みながら、これからの予定を話しあった。
前回の魔王が居た洞窟は封印してある為に使えなかったので冒険者ギルドの地下にある牢屋に連中を入れて置いたんだが、まだ退場したテイマーが居るんだよな。
デスペナルティーで、しばらくの間はステータスが大幅にダウンしているから大したことは出来ないと思うが、念の為に情報ギルドに手伝って貰い『指名手配』にして、ファーストの街だけでなくセカンド、サードの街にも手配書を貼って貰うことにした。
PKは運営サイドとしては罰することは出来ないが、ゲーム内で奴らを犯罪者、『山賊』扱いにして貰いNPC領主に任せることにした。
おそらく奴らは罪に問われ罰として『永久レベル1の刑』に成ると明日菜が言っていた。
あの世界にも行政機関や司法機関があるとは知らなかったなぁ~。
そういえば、最近のNPC達の喋り方や行動が人間に近く成っている気がする。
AIの学習能力は凄いよな!
とりあえず今日は昼まで試験勉強をして、昼飯を食ってからゲームをすることに成った。
昨日もそうだが、今日も由利子オバチャンはビールを呑まないで俺達を監督するらしい。
あのビール好きの由利子オバチャンがビールを我慢するなんて…………
これは、サボれないな!
サボったら確実にヤられる!
そんなこんなで、皆で朝飯を食べた後は真面目に勉強をしたのだ……エライぞ、俺!
♟♞♝♜♛♚♙♘♗♖♕♔
ゲームを始めてから妹たちと別れた俺は街を散策していた。
妹たちは、情報ギルドの話し合いがあるらしい。
パラディンに成ったことを話したら、何故か 微笑ましい笑顔で見ていたが、気にしないことにした。
俺がパラディンに成ったことをしった
アイツらも変な処でライバル心を燃やすからなぁ~。
手持ち無沙汰な俺はベルとタヌキチと一緒に屋台を食べ歩きをしている。
しかし、
ベルなんか、あの小さな身体の何処に入っていくんだろう…………アッ、コイツらはデータだから物理的に身体に入っていく訳では無いんだったな!
ベルもタヌキチも行動が自然だったから忘れていたわ。
そんな、取り留めもないことを考えながら歩いていると、
「あっ! にーにー、発見!」
「本当だ、お兄ちゃん!」
二人の幼女が駆け寄って来て飛び付いてきた。
ボッフ ボッフ !
「ヘッ ?
琥珀姉ちゃんや龍騎のゲームヘルメットを借りた…………龍騎の奴はログインしているから違うな……
と云う事は……」
このゲームは、フレンド登録して置くと メールのやり取りやログインしているかを確認出来るんだ。
「だって、だって、にーにー達が楽しそうに遊んでいたんで
ずるいよぉ~、ヒノメだって遊びたいよぉ~♪」
「アゲハちゃんの配信を見て、私達もゲームがやりたくなったから、パパにおねだりして買って貰ったんだよ!」
こんな高いゲーム機を
二人に聞くとゲーム機の設定は二人の母親である令子おばさんと お絹おばさんが設定したそうだ。
一人娘だから、おばさん達も娘には甘いんだな。
二人にフレンド申請を飛ばしてから『OK』を押して貰ったら…………
ゲッ! 二人のプレイヤーネームが『ヒノメ』『セナ』に成っていた。
忠夫おじさんも おばさん達も教えなかったのかよ!
プレイヤーネームは変更出来ないのによぉ!
とりあえず俺は、二人を回収してパーティーハウスに向かうことにした。
タヌキチとベルが二人を相手にしているせいか、
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