第94話 嵐のごとく Ⅴ ⑩

【嵐side】


 勉強会が終り、皆で一緒に晩御飯を食べた後にゲームをすることに成ったんだ。

 明日、明後日は学園が休みなので、星華たちはウチに泊まっていくことに成った。

 只、ロッキーはディーンじいさんの許可が出なかったので、しぶしぶながら帰って行った……

 ディーンじいさんオーディーンも心配症だよな。


 女子チームが数人に別れて風呂に入っている間に俺と巧、マーズは俺の部屋で猫たちと遊んでいる。


 最近はゲームにかまけて遊んでいなかったせいか、珍しく猫たちが一緒に居る。


 星華や秋穂、伊緒、由美子には愛想が良いのだが、蝶子には近づこうとはしなかったなぁ~。

 むしろ、近づくと威嚇していた。

 本能で、何か判るのか?


 やがて、俺達三人も風呂に入ってから、寝間着に着替えてゲームを始めようとしたが、猫たちは離れようとしなかった。

 番猫をしているつもりなのか?

 何から俺達を守ろうとしているのか、判らなかったが……まっ、良いか!


 女子チームは、キャ キャ 言いながら『パジャマ・パーティー』だと言って、ジュースやお菓子を部屋に持ち込んでいた。

 ゲームを始めるまで、楽しむつもりなんだろうなぁ~

 …………『えるぞ!』 と言わない俺は空気を読む男なんだ!



 ♟♞♝♜♛♚♙♘♗♖♕♔



 ログインしたら直ぐに、ベルとタヌキチが俺の元に来た。

 俺達が居ない間は、パーティーハウスで従魔同士で仲良くしているようだ。

 寂しくしていなか心配していたが良かったな。



 明日が休みだからといって、徹夜でゲームをすると由利子オバチャンに怒られるから、今日は日にちが替わる頃でログアウトすることに成っている。


 皆で冒険者ギルドに行くと、受け付け嬢が駆け寄ってきた。


「お待ちしておりました。

眠れる羊たちスリーピングシープ』と『風林火山』の皆様に#指名依頼__・__#が入っております。

 ギルドマスターからの依頼なので、よろしくお願いいたします」


 あ~、これは断われ無い奴だな。

 すると妹たちが、ヒソヒソと内緒話しを始めていた。

 ゴッドイヤー 地獄耳で聞こえて来たが、『運営の罠』だとか『嫌がらせ』だとか聞こえてきたが、心配しすぎだよ!

 運営も そこまで暇じゃ無いハズだ!

 考え過ぎなんだよな何も考えていないよな知恵の女神脳筋軍神は。


 ギルドマスターの話しによると、ファーストの街とセカンドの街にある街道で『レッドデビル・グレートベアー大熊』と『ブラックデビル・バイパー大蛇』が縄張り争いをしているので退治して欲しい とのことだった。


 他の高レベルプレイヤーは、新たに見つかった第三の魔王の攻略準備で忙しいらしく断わられたようだった。


 そこで、PK集団を退治した俺達に白羽の矢が立った訳らしい。

 俺は直ぐに依頼を受けようとしたら、妹たちに止められてしまった。

 返事を保留して冒険者ギルドを後にした俺達は情報ギルド『王様の耳はロバの耳』に向かっていた。


 アリア明日菜(アテナ)とエデン英里香(エリス)の話しだと情報ギルドに調べて貰ってからでも遅く無いと云うことだ。


 疑り深いよなぁ~、そんなんだから処女神なんだぞ、アテナは!

 ……口が裂けても言わないけどな!



 ※不和と争いの女神エリスには、子供が居るらしいです。

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