第93話 期末試験 Before ①

【嵐side】


「あ~、今月は期末試験があるから、遊んでばかりいないでゲームばかりしていないで試験勉強もするように!

 君たちの先輩の中には期末試験期間中にも関わらずに遊んでばかりゲームしてばかりした生徒が居て居眠りをして赤点ギリギリだった生徒が居たんだ。

 諸君らが、そんな先輩たちのマネをしないことを信じているぞ!」


 朝のホームルーム、由利子オバチャン先生のお知らせと忠告に、誰もが笑わなかった。

 おそらくは、皆が心当たりがあるのだろう。


 しかし、試験中に居眠りか…………プッ ククク、そんなアホな生徒が居たんだなぁ~。

 まさか、ウチの父ちゃんや母ちゃん達では無いよな?

 このクラスの生徒の親は由利子オバチャンの教え子が多く居たはずだよな。

 後で真知子先生か瑠奈るな先生にでも聞いてみるか。

 二人とも由利子オバチャンの親友で、この学園の古参の教師だから知っているハズだよな。



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 昼休み


 隣の教室から出て来た真知子先生を捕まえて、昔の出来事を聞いて見た。

 興味が有ったのか、妹たちや星華や秋穂たちも一緒に来ていた。

 最初、話したがらなかった真知子先生も俺達の熱意に負けて教えてくれた。


「昔ね、女子生徒の間で流行った『乙女ゲーム』が有ったのよ。

 丁度、試験前に そのゲームにハマった生徒が試験前や試験中に遊んでしまい寝不足で試験中に居眠りしてしまったのよね」


 どうやら、かなり鬼畜なゲームだったらしく攻略の為に徹夜して遊んでいたらしい。

 誰もが笑わなかった。

 そう、自分の親かも知れないと思ったからだ。

 真知子先生に秘密にする約束をして教えと貰った結果、俺達 大江戸ファミリーは『ホッ』として胸を撫で下ろし、星華、秋穂、伊緒いお、由美子は顔色が悪かった……どうやら試験中に居眠りした生徒は彼女達の母親だったみたいだ。



《 恋のバトル・ロワイヤル──真実の恋はひとつ、命短し恋せよ乙女‐君は、真実の愛を見つけられるか── 》


 星華たちの母親達がハマったゲームだ。

 そのタイトルを聞いて、今度は妹たちの顔色が

 悪くなった。


 どうやら、そのゲーム会社をウチの大江戸グループが買収した上に、今 俺達が遊んでいる『ドラゴン・ファンタジー』を担当していると云うことだ。


 う~ん、試験中に居眠りしたら由利子オバチャンにゲームを禁止されてしまうかも知れないから気をつけよう。


 皆と相談した結果、無理に我慢すると爆発するかも知れないから時間を決めて遊ぶことに成った。




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【由利子side】


「 ちゃんと説明したから大丈夫だと思うわよ!」


 職員室に入ってくるなり真知子から報告を貰った。


「ありがとう、助かったよ 」


 あの頃のことは、今でも思いだせる。

 注意していたにも関わらず、六人の女子生徒が試験中に爆睡を始めたのだ!

 六人中、四人の娘が星華、秋穂、伊緒、由美子の母親である聖子、秋奈、伊予、今日子だった。

 どうやら、母親よりは真面目らしい。


 あの時の失敗を繰り返すことが無いように注意しなければ!


「大丈夫よ! 今の子たちは、しっかりしているから」


 そうは言うが、前回の聖子たちも今回の星華たちも私の担任クラスなんだぞ!

 心配しすぎることは無いだろう。

 大江戸ファミリーは前回も大丈夫だったけど、今回も大丈夫…………だよな?

 嵐や巧が心配だが妹たちが、しっかりしているから信じているぞ!

 後は私の娘たちだが、天音も恵利凛も由利凛も信じたい…………信じさせて欲しい!

 我が娘ながら、皆が個性が強すぎる!

 育て方、間違えたかなぁ~、基本的に三人とも良い娘なんだが、誰に似たのか…………やっぱり私か!



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【嵐side】


 今回は、星華たちも一緒に期末試験に備えて勉強してから遊ぶゲームことにした。

 星華たちの母親も過去が、バレたのが判り反対しなかった。

 只、母親からは『乙女ゲーム』だけはプレイしないように注意されたようだ。


 恐るべし、乙女ゲーム!


 試験勉強は、明日菜や英里香、由利凛知恵の女神が中心に成り勉強しているので、少なくとも赤点は取らないだろう。


 この勉強会が終わったら皆でゲームをする約束をしているので楽しみだな!


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