第69話嵐のごとく Ⅳ ⑥
【星華(マリン)side】
最初のフィールドに出ると可愛いウサギが居た……角が無ければだけど。
一羽だけだったけど、好戦的なのか私達を見るなり襲ってきた。
前言撤回、やっぱり可愛くないわ。
だって口から牙をむき出しにして目付きが悪いんだよね。
左足を軸にして、ウサギが飛び付いたタイミングで右足を後ろに回転して避けてから右足を軸にして左足で回し蹴りを叩き込んだ。
吹き飛んだウサギが再度、襲ってくる前に サリーが火魔法 ファイアを放ちウサギに叩き込んだ。
それが止めになりウサギはポリゴンと成り『パリン』と云う音と共に砕け散った。
「「イエーイ ! 」」
私とサリーは、ハイタッチして互いの初討伐を祝ったのだった。
このゲーム、リアルさを追及しているせいか、ゲームアバターの姿がリアルその者なのよね。
一応、髪色や瞳の色は変えられるけど、大きく変更するには有料の『化粧箱』を買わないと変えられないシステムに成っている。
その『化粧箱』もグレードがあり高いモノだと◌万円と云うリアルマネーが必用になる。
キタナイぞ、運営 !
中学生のお小遣いでは手が出ないので、ゲーム内通貨で仮面を買って私とサリーは着けている。
普通の『JC』としては、身バレはしたく無いのよね。
普通じゃ無い、アノ4人は顔もスタイルも良いから気にして無いのでしょうけどね。
「よぉーし !
この調子で、お金を溜めつつレベルアップをするわよ !」
「おー ! 」
私とサリーの冒険は、これからよ !
あの『女坂』を駆け上がって皆に追いつくんだからね !
♟♞♝♜♛♚♙♘♗♖♕♔
【嵐side】
あの二人は、少しレベルアップしてから合流すると言われたので、予定通りに魔王退治に行くことにした。
アメリカチームとのレイド戦闘に成るので、ゲーム内の翻訳機能のスイッチを入れてみた。
これで英語で話されても大丈夫なハズだ。
だいたい日本に住んでいるんだから日本語を話せよな !
『
彼女達の話しだと、在日アメリカ人の男子チームは生産職に傾倒しているそうだ。
そのせいか、妙にアプローチをしてくる。
俺は、クリス一筋だから誘惑にはのらないぜ !
モテ期、キター !
なんて、ハシャグ程 ガキじゃないんだよ !
……何故か、トモエやネイは感心したように見詰めていたのは気に成ったが、デレデレするよりは良いよな !
ボス戦に備えて攻略会議をした結果、魔王と直接戦うのはアメリカ3チームが対応して、俺達『スリーピング・シープ』は魔王の取り巻き……つまり、ザコ狩りをしつつ台座に聖剣を刺して封印を解く役を割り当てられたのだった。
悔しいが、今の俺達のレベルでは魔王と闘えないから仕方ないな。
俺達、レイドパーティーは『チョウエンビブリオー』が居る海底洞窟に向かった。
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