第68話嵐のごとく Ⅳ ⑤

【嵐side】


 巧とロッキーに星華と秋穂をゲームに誘ったことを話したら、すんなり了解して貰った。


「ずいぶん、すんなり許してくれるんだな ?

 勝手にパーティーメンバーを決めたから、怒られるとばかり思っていたんだが……」


 俺が恐る恐る聞くと、ロッキーが由利凛を呼んだので不思議に思っていると、


「巧お兄ちゃんやロッキー君から聞いて確信したのじゃ!

 やっぱりアレは、お兄ちゃん達だったんだね !

 蝶子ちゃんの配信は、バズってMyTubeで凄い人気なのじゃ !

 おそらくゲーム専用配信サービスの方も凄いことに成っているハズなのじゃ !」


 えっ、俺達って、そんなに有名に成っているのか ?

 俺が不思議に思っていると、


「ゲーム専用配信サービスの方は俺が調べたが、蝶子の奴は 『投げ銭』で、相当額を稼いでいるようだぞ !

 俺達の戦闘やNPCのやり取りを編集して、面白可笑しく実況しているのを見た時にはを持った程だからな !」

 ロッキーが苦々しく話すくらいだから、俺達に取っては、相当に腹立たしいモノなんだろうな。


「だからといって、パーティーから追放出来ないのが余計に腹が立つんだよ !

 貴重な回復役だから、外す訳には行かないんだよ」

 巧も悔しそうに言っている。

 神時代にはアフロディーテには|苦労をかけられパッなしだったのだから無理は無い《お前のせいもあるからな!》。


「 ツブヤイター の方も上位にランクインしているから、相当に人気があるのは間違い無いのじゃ……

 嵐お兄ちゃんは、アンチも含めて人気者に成っている

 みたいなのじゃ !」

 ニヤニヤしながら由利凛が言っているが、絶対に面白ろがっているだろうな、コイツ !


「 越後の虎 上杉謙信から名前を取るなんて、いかにもお兄ちゃんらしいけど、歴女の女の子を中心に騒いでいるのじゃ !」


 同じ『軍神』なんだから、良いだろう !


 とりあえず、蝶子の興味が そちらに向いているなら良しとすることにした。

 変に俺達に固執されても困るからな。




 ♟♞♝♜♛♚♙♘♗♖♔♕



【星華side】


 嵐くん達の話が、聞くともなく聞こえてきた。

 なので、秋穂を誘い 予習のつもりで蝶子ちゃんの配信を見たのだけれども……



「ヤッホー ! みんなのアイドル・アゲハの実況が、はっじまっるよー ! 」


 ハイテンションな蝶子ちゃんの番組が始まり所々で説明や闘うシーンでは、アオリ文句を言うなど人気な訳が判ったわ。


 意外と真面目に闘うのもビックリしたけど、この中に交じって遊ぶなら真剣に遊ばないと ついて行けないわね。

 私達は、『ドラゴン・ファンタジー』での職業を話しあっていた。


 放課後、それぞれの部屋からゲームをスタートして、ファーストの街の中央広場の噴水の所で待ち合わせをした。


 私は、職業を『軽戦士』を選んだ。

 武闘家のヨーロッパ版 みたいな職業で、軽い武装と拳やレイピアなどの軽い武器を使うスピード重視の職業だ。

 リアルネームは不味いので、考えた末に『マリン』と云う名前に決まった。

 そして、秋穂は『魔法使い』を選び『サリー』に決めたようだ。

 何でも秋穂の祖母の好きなアニメから取ったと云うことだ。

 闘う魔法少女なら、他にも居るだろうに……


 嵐くん達に合流する前に少しでも戦闘に馴れる為に最初のフィールドに向かうことにした。

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