第67話 嵐のごとく Ⅳ ④
【嵐side】
ファァ、
昨日の夜は、ギリギリまでゲームをしていたせいか、眠たくて仕方ないんだよなぁ。
今日は、日直だから早めに登校しているので俺一人な訳だ。
クソゥ、巧の奴が羨ましいぜ !
「おっはー ♪ 今日は一緒に日直を頑張ろうね !」
「オッス 、今日はヨロシクな !
悪いが日誌の方はヨロシク、代わりに力仕事は俺に任せてくれ ! 」
星華や
そうだ、俺達のパーティーは 2人の空きがあるからゲーム内でメンバーを探すのは手間が掛かるから、星華と秋穂を誘えば解決するじゃないか !
コイツらなら蝶子とも敵対していないし頼めば蝶子が勝手な事をしない為のストッパー役にピッタリじゃないか !
フッ、俺の知略もなかなかだな !
きっと、
何時か、またアテナとヤリ合う時には、今度こそ勝ってやるからな !
だいたい
そんな事を考えていたら学園に着いてしまった。
教室にカバンを置いてから職員室に向かう。
学級日誌を担任の由利子オバチャンから受けとる為だ。
職員室のドアをノックしてから、ドアを開き……
「おはようございます ! 」
と、大木な声で挨拶したら一斉に教師たちが振り向き驚いていた。
「……おはようございます」
隣で恥ずかしそうに星華も小さな声で挨拶をしていた。
「おはよう、朝から元気だね。
感心 感心、やっぱり男の子は、このくらい元気な方が素敵だよね 」
クリス……蛍にも褒められたんだから、ラッキーだよな !
うん、これで蛍の好感度も上がったかな。
その後、由利子オバチャンから学級日誌を受け取ってルンルン♪気分で教室に戻った。
あまりにも気分が良かったせいか、危うく星華たちをゲームに誘うのを忘れそうに成ってしまったのは、ご愛嬌だな。
もちろん『OK』を貰ったのだから、俺の仕事は完璧だぜ !
♟♞♝♜♛♚♙♘♗♖♕♔
【星華side】
わっ 判りヤスいなぁ~、嵐くんは。
それが、彼の魅力であり人気があるのも
裏表の無い嵐くんは、イケメン四天王の中でも一番人気があるんだよね。
残念ながら、イケメン度では四天王最弱だけど、それを補うだけの魅力が彼の気さくさだ。
クラスの中で目立たない只野くんとも普通に話すからウチのクラスにはイジメも無く、
そんな彼にゲームに誘われてしまった。
秋穂も一緒とは云え、これは一歩前進よね。
今は蛍先生に夢中だけど、相手は大学生だから まだまだチャンスはあるわよね !
女の子が余っていて男の子が少ない現在、大半の男の子は只野くんみたいな草食男子に成ってしまった。
そんな中での学園四天王は、皆が魅力的で他校の生徒も狙っていると噂なんだよね。
大江戸家は裕福だし、こんな優良物件を皆が狙っている。
どうやら本人たちは意識していないようだけど、せっかくチャンス……鴨が葱を背負って鍋まで持って来たんだから、絶対に無駄にはしないわ !
さっそく、秋穂にも連絡をして共同戦線をしないとね !
敵は本能寺…………敵は夜野蝶子にあり !
懐柔するのが失敗したら秋穂と二人で排除しないとね。
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