第45話 文化祭 Before ②

【由利凛side】


 楓おばちゃんを台所に残して、妾たちは客間に来て会議を始めたのじゃ。


あっぶっねぇー!

 あやうく父ちゃんにれる処だったぜぇー!

 洒落しゃれに成らないよ、父ちゃん!」

 嵐お兄ちゃんが魂の叫びをしていたのじゃ。


「今度、父様に会った時、どんな顔をしたら良いか判らないよ」

 巧お兄ちゃんが頭を抱えて悩みながら言ったので、


「笑えば良いと思うのじゃ!」

 と妾が言ったら、 皆がタメ息をしていたのじゃ。

 そんなに気にすることかのう。


「私達、三人が美少女なのは前世が女神だった影響だと思っていたけど、お父様大江戸仁とお母様達の遺伝子の力も有ったのね」


お義母様女神ヘラが知ったら嫉妬するかしら?

 かつて、お義母様女神ヘラとアフロディーテの三女神で『美』をたたえられた身としては複雑だわ」


「私は『愛の女神』では在るけれど、アフロディーテとは違うわ!

 正直『美』には、こだわりは無いわ。

 只、冥界に居た私を人間に転生させてくれた大伯父様冥界王ハーデスお祖父様海王ポセイドンは、もちろんだけど人間のお父さんお母さんアリスにも感謝しています」


 英里香、明日菜、パラスの大江戸三姉妹も想う処はあるようじゃのう。


「ところで、文化祭の出し物は どうするのじゃ?

 仁おじさん達に対抗して、メイド喫茶店をやるのかのう?

 妾としては、面白そうだから嵐お兄ちゃんや巧お兄ちゃんの女装した姿も見たいのう」


「だっ 誰が女装なんてするものか!

 ユリリンのことだから、写真や動画を残して ろくでもない事に使うに決まっている!」


「そうだ! 父様じんだからこそ化粧して女装しても美少女に成ったが、俺や嵐が化粧して女装したら笑いの種に成る未来しか見えないぞ!、」


 嵐お兄ちゃんと巧お兄ちゃんに大反対をされてしまったのじゃ。

 想像したのか、恵利凛も大江戸三姉妹も笑いをこらえているのじゃ。


「それなら文化祭の出し物は、どうするのじゃ?

 仁おじさん達の売り上げ記録を抜くのは無理そうだから、食べ物関係をあきらめて無難に『劇』か『合唱』か『創作ダンス』の発表会にしたらお金は関係無いから、

『仁おじさん達を越えられ無い!』

 なんて、誰にも言われ無いと思うのじゃがのう」


 大江戸兄妹の雰囲気が、ガラリと変わったのじゃ!


「 フッフフフ、ユリリン!

 わざとあおっているんでしょうけど、此処は由利凛にせられてあげるわ!」


「そうね、英里香の意見に賛成します。

 知恵の女神として逃げる訳にはいきません。

 何としても、お父様やお母様達の売り上げ記録を越えて私達の力を示しましょう!」


「私は、アテ………明日菜が決めたなら協力するわ」


「おうよ!

 子が親を乗り越えてこそ親孝行だよな!

 女装は、絶対拒否だが協力するぜ!」


「嵐にばかり良い格好かっこうをさせる訳にはいかないからな!

 何か製作するなら、全力で気合いを入れるぞ!」


 英里香、明日菜、パラス、嵐、巧、の大江戸兄妹のモチベーションが上がったようなのじゃ、計画どうり!



 ♟♞♝♜♛♚♘♗♕♖♙


 ──時間を戻します──


 ホームルームで文化祭の出し物を決めているのじゃが、見事に意見が二つに割れたのじゃ!


 一つは、英里香ちゃんや明日菜ちゃんが出した案で、

『執事喫茶店』で女子生徒が男装して執事に成り、お客様を接待する案なのじゃ!

 ターゲットは同じ女子生徒なのじゃ。


 そして、もう一つは 妾が出した案で、

『着ぐるみ喫茶店』なのじゃ!

 妾たち、男子も女子も動物の着ぐるみを着てお客様を接待するのじゃ!

 ターゲットは、選ばないから幅広くお客様を集客出来るのじゃ!


 投票したのじゃが同数で選べない状態なのじゃ、ジャンケンで選ぶのも味気ないし、どうしようかのう~?





※作者よりアンケートをお願いします。(10月13日12時)



❶女子生徒に寄る執事喫茶店


❷クラス全員に寄る着ぐるみ喫茶店



締め切りは10月14日22時とさせて貰います。

よろしければ協力してくださいね。

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