第28話イケメン四天王   ④

【蝶子side】


 私は、由利凛ちゃんに言い負かされた告下口つげぐちさんを励ましていた。


「 大丈夫よ。 蝶子は、告下口さんの味方だから、頭の良い女の子より可愛い女の子の方が男の子にモテるんだから、告下口さんは間違ってないわ!

 蝶子がアドバイスするから、もっともっと可愛く成って由利凛ちゃんを見返しましょう! 」


 私が慰めると告下口さんは、


「どうして、夜野さんが私を慰めてくれるの?

 私、夜野さんの悪口も言っていたのにぃ~」


 半泣きの告下口さんと取り巻き達の娘たちが不思議に思っているみたいね。


「やだなぁ~、蝶子と告下口さんはでしょう♪

 友達を助けるのに理由なんか無いわよ!」


「夜野さ~ん、ごめんねぇ~、私達は夜野さんのことを誤解していたわぁ~。

 こんな私達で良ければに成ってくれる」


「もちろんよ♪

 私の事は『蝶子ちゃん』と呼んでね」


「それなら、私も『優子ゆうこ』と呼んでね、蝶子ちゃん」


 チョロいわ、チョロインね。

 他の取り巻きの娘たちも私にアピールを始めたわ。


 理由は判らないけど 『今は仲間を集める時』だと私の中で誰かがささやく。

 蝶子は、一人でも大丈夫だけど………本能? のアドバイスに従うことにするわ。


 学園のイケメン四天王である、嵐くんも巧くんもロッキーくんも なかなか私になびいてくれないんだけど、絶対にとしてやるんだからぁ~!


 ………何故か、四天王の一人である竜ヶ崎龍騎くんは、近寄りたく無いのよねぇ~、何故かしら?





【嵐side】



 由利子オバチャンに命令された、グランド10周を走っている時に背中が『ゾクッ』とした。


 どうやら俺だけじゃ無く、巧やロッキーも両腕を抱えて震えながら、キョロキョロしている。


 この三人に共通している事と云えば………


 ロッキーは記憶が封印されているにも関わらず本能的に蝶子を危険視しているようだな。


 三人の気持ちは、重なった。


 蝶子を龍騎に押し付けよう!


 俺達の貞操を守る為に犠牲に成って貰う。

 一応、蝶子は美少女だから感謝されるかも知れない。


 俺達は蝶子アフロディーテの魔の手から逃げられて、龍騎は美少女の彼女が出来る!


 うん、俺の知略も なかなかどうして優秀じゃないか!

 その内に、『ミラクル嵐くん』と呼ばれるかもな。

 もしくは『エルフ◌シルの英雄』みたいに尊敬されるかも知れないから、今から『サイン』の練習でもしようかな~


 ………なんて考えていたら、


「 嵐ぃー! 鍛錬をサボった『罰』として、グランド10週追加だぁー!

 ついでに巧とロッキーも嵐に付き合って鍛錬をしなさーい!」


 ゲッ、由利子オバチャンに見られていたのか!


 巧とロッキーに恨みがましい目で見られたが、同じ由利子オバチャンの弟子同士、仲良くやろうぜ!

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