第18話新学期 ⑦
───職員室───
【由利子side】
「ハァー!」
想わずため息を出したら、
「どうしたのよ、由利子。
旦那と
同僚で親友の
「由利子ちゃ~ん、ため息をしていると『幸せ』が逃げちゃうよぉ」
同じく同僚で親友の
この二人は大学時代からの親友で同じ
一時期は、人手不足の為に高等部を担当していたのだが、私達が産休で休んだ後、復職する時に中等部担当へと辞令が出たのだ。
「実は、ウチの娘なんだが……
「あらぁ~、由利凛ちゃん達なのぅ ?
とっても良い娘だよぉ。 授業態度は真面目だし宿題もキチンと提出しているわよぉ。
たまぁ~に、お
そういえば、由利凛たちの担任教師は 瑠奈だったか。
「………
「ちょっ~と、悪どい商売をしていたみたいだけど、ギリギリ許容範囲よぉ」
………聞かなかった事にしよう。
まったく、誰に似たのか 笑えないイタズラをするんだよなぁ~、
「うむ 実はな、長女の
「「えぇっ、あの優等生の天音ちゃんがぁーー!」
誰に似たのか、何重にも猫を被って優等生キャラを演じている娘に頭が痛く成る。
赤ん坊の時は、女神様かと思う程に可愛かったのになぁ~。
むろん、今でも可愛いのだが……どうして、ああ
育て方を間違えたかなぁ~
♟♞♝♜♛♚♙♘♗♖♕♔
一方、大江戸家では
【天音side】
MMOゲーム機のヘルメットを外して、トイレ休憩と軽食を取る為に部屋を出た。
「キャラメイクに凝ったけど、頑張ったかいがあったわね。
ちょっと休憩したらゲームに戻らないと、あの子達が待っているからね」
皆が真面目に学園に行く中で、サボってゲームをするのは最高ね!
こんなことを言うと、お母さんが発狂して怒りそうだけど仕方がないよね。
きちんと出席日数は把握しているので、落第はしないわよ。
将来のお仕事もお家で出来る仕事を探そうかなぁ~。
とりあえず、腹ごしらえしないとね。
冷蔵庫に入っているオカズを取り出してから、ケトルのスイッチを入れた。
インスタントの吸い物を用意して、ご飯を盛ろうとしたらタビとボンドが居間から起きて来て
「ニャァ~」「ニャァ~」
と、餌を要求してきた。
私より年上の猫達は、年齢のわりには元気なのよねぇ。
戸棚からシニア用キャットフードを出して皿に入れると食べ始めた。
「さ~ぁて、私も早くご飯を食べてゲームに戻らなきゃ、あの子達が待っているわ!」
そんな私を猫たちは、冷たい目で見ていた。
タビもボンドも私の事を妹みたいに思っている節があるのよね。
他所から拾って来た子猫達は、外に遊びに行ったようだし、今は私とタビやボンドだけだ。
なんだか、兄や姉に小言を言われる気がして、私は急いでご飯を食べたのだった。
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