第15話新学期 ④
【嵐side】
かなり早めに学園に来た俺達は、中等部の各教室のエアコンに細工をしていた。
完全に壊すのでは無く、冷房の効きが少し………だいぶ悪く成る細工をしていた。
「俺の鍛冶の腕は、こういう悪さをする為にある訳じゃないんだがなぁ~」
巧の奴、いい加減 諦めが悪いなぁ。
「仕方ないだろう!
由利凛に頼まれたんだからよ!
今月のお小遣いを直ぐに使い切った俺達が悪いんだからよ」
貯めて置いた、お年玉とお小遣いで『VRゲーム機』とゲームソフト『ドラゴンファンタジー ⅩⅫ』を買ったからだ。
お陰で貯金箱も財布もスッカラカンだぜ。
家に帰ればオヤツやメシもあるが、男子中学生には それだけじゃ物足りないんだよな!
生身の身体は何かと不便だが、そこがまた良い!
神時代には無かった、生きている実感が湧くんだよな。
「給食で足りなければ、素直に弁当を作って貰えば良いじゃないか?」
巧は簡単に言うが、
「 父ちゃんや母ちゃんが忙しいのに、これ以上迷惑をかけたく無いんだよ」
「軍神だった時には聞けないセリフだな」
「
あのスッチャラカ親父には迷惑をかけても罪悪感が湧かないんだよな!」
「まあ、それは俺も同意見なんだがなぁ~」
成長期とはいえ、燃費の悪い身体だが結構 気に入っているんだよな。
後は由利凛が冷却シートをどれだけ売るかが心配だが………
「よし、完成だ!
俺達の仕事は終わったから、後は妹たちの腕の見せ所だな!」
「妹たちって? 売るのは、由利凛と恵利凛の二人だろう?
妹分には違わないが、二人だけで売ると成ると限界があるだろう」
俺が疑問に思っていると、
「アテナとエリス………今は明日菜と英里香が、気がつかない訳が無いだろう。
二人とも知恵の女神だぞ!
それに、パラスが絶対に明日菜と勝負したがるから、売り上げが思ったより良いと思うぞ」
パラスかぁ~、アテナとは親友にしてライバルだったらしいが、
パラスと逢えて一番喜んだのもアテナ………明日菜なんだよなぁ~。
確か、
だから、神時代を含めて身内だった女神が人間に成ったら妹に成るなんて、何の因果なんだろうなぁ。
「おい、他の生徒が登校してくる前向きにズラカルぞ!
ボケてないで
「俺をダメな子扱いをするな、へっぽこ鍛冶神! 」
俺達は、一瞬
クゥゥゥ、今頃 ゲームをしている
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