第13話新学期 ②

【由利凛side】



「 それでぇ~、この間も三人でぇ~ 蝶子を仲間外れにしたからぁ~ 学園にぃ~チクっちゃった密告しちゃった!」


 ウワァァ、それでお母ちゃん由利子がお兄ちゃん達を追いかけ回したのかぁ~ 流石の妾もドン引きなのじゃ!


 英里香ちゃんも明日菜ちゃんもほほが引きつっているのじゃ。

 なんだかんだ云っても二人共、お兄ちゃん達を大事に思っている証拠なのじゃ。

 一方、パラスちゃんは普段通りなのじゃ。

 まあ、パラスちゃんは アテナ………明日菜ちゃん以外に執着していないから仕方無いのかも知れないのじゃ。


「 密告したのが夜野さんだとバレたら、お兄様達に嫌われるとは思わなかったのですか? 」


 イラついているハズなのに、冷静に聞いている明日菜ちゃんは流石なのじゃ!


「え~! 蝶子は悪く無いモン!

 蝶子のお願いを聞いてくれなかった三人が悪いんだモン! 」


「クッ、このアマァ~………アフロ………夜野さんは私達が、お兄様達に言い付けるとは思わない訳? 」


 エリス……英里香ちゃんは、相変わらず短気なのじゃ。


「 アフロって! 蝶子の髪に変なクセがついているのぉー 」


 夜野蝶子アフロディーテが、携帯用のくしとコンパクトを取り出して、しきりに髪形を直しているのじゃ………『美の女神』をうたうだけ有って美容やファッションにはうるさそうなのじゃ。

 蝶子が髪形を直してから再び、


みんなぁ~、蝶子のお友達だからぁ~ 嵐くん達にぃ~ チクったり密告したりしないよねぇ~!

 それとぉ~、『夜野さん』なんてぇ~ 他人行儀じゃぁ無くてぇ 『蝶子ちゃん』と呼んで良いよぉ~。

 だってぇ~、みんなぁ~、お友達なんだモ~ン!」


 明日菜ちゃんも英里香ちゃんも『ワナワナ』とふるえているのじゃ。

 妾や恵利凛エリリンでさえ、蝶子の話し方に『イラッ』とくるから仕方ないと思うのじゃ。

 一方、パラスちゃんは『我関せず』なのか興味が無いのか………


「そういえばぁ~、今 蝶子たちが住んでいるおうちってぇ~、ハルト先生とアリスおばさんが住んで居たと聞いたんだけどぉ~、皆ぁ~知ってたのぉ~?」


 ピクッ !


 パラスちゃんの実母であるアリスお母さんの話題には、流石に反応したのじゃ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る