総合捜査本部

信川中央署 総合捜査本部


「・・・これより、捜査会議を始めさせていただきます。捜査員はお集まりください。」

司会を務める中央署の制服警官がそう言ったことで本部の空気が変わった。そうして会議が始まった。

「まずはこれまでの本件の経過を管理官お願いいたします。」「分かった。」

そうして今までの事件の進行を全て包み隠さずに話してくださった。

「・・・ここまでが現在の事件の経過だ。」

「管理官ありがとうございました。引き続いてこれからの捜査方針を広域信川支隊長津山警視お願いいたします。」

そうして上司である津山警視が方針を説明し始める。

「広域信川支隊長の津山だ。今後の方針を説明する。大きく分けて2つの捜査を並行して行っていく。まずは一昨日発生のコンビニ強盗。こちらは犯人を確保してある。

だが、本件以外にも複数の犯行が彼らの仕業とみられる。よって信川警察捜査一課を中心にして証拠固めを行う。もうひとつは連続拉致事件とされる女性失踪事案でがこちらは広域を中心として捜査をしていく。まずは先の事案で確保している男の聴取と裏とり。そこから被害者の人数の全把握を急ぐ。なお本事案の捜査では家宅捜索等が必要になった場合は広域で支援を行う。よって特捜班の一部は捜査本部にて待機を実施。待機班は後にこちらで指定する。以上だ。各捜査員は全力で本事案の解決の為奮励を願う。」「以上をもって捜査会議を終了する。解散。」

その一言の直後全捜査員がそれぞれの目標解決に向けて勢いよく捜査本部を出で行った。そうして直ぐに捜査指揮の司令官トップのもとに向かう。

「隊長、どうしますか。」「広域103は先日君たちが確保した森川恭介から話を聞いてくれ。もしあれなも持ち掛けてもかまわない。」

「分かりました。早速行ってきます。」


中央署 取調室

先日佐々木美咲宅に不法侵入しその際にナイフ、違法な開錠器具を携帯していたため

確保した森川恭介の取り調べがこれから始まる。


「・・・今更何の用だ。もう話すことはないぞ。」「森川恭介、今日は君のことではない。妹さんのことだ。」「!?」その不信感にとらわれていた顔つきが一気に変わる。「・・・信じてくれるのか?」「100%とは言わないが。」俺はそう言った。

そうして少しずつ彼から話しを聞き始める。「君の妹さんが行方不明になった時の話をしてくれないか?」「俺の妹の美紀は今年から信川にある企業で働くことになった。俺は両親から時々妹の様子を見に行きながら仕送りを届けていた。俺はたまたま就職先が美紀の家の近所だったのと俺が実家住まいだから。すごく順調そうだった。でもそれは一瞬で崩れた。先月の3日のことだ。俺はいつも通りに美紀の家に行った。行く直前に電話を掛けていったから絶対いると思った。そうして家に着いたら不審な車が美紀の家の角から急発進してったんだ。その時点で不審に思わないといけなかった。今はそう思っている。そうして家に入ったらすぐ気づいたよ。誰かが荒らした。って思った。直ぐに家の中を確認したがそこには美紀の姿はなかったんだ。直ぐに警察を呼んだよ。でも最初に話を聞いただけでそこから音沙汰なしになった。全く動いていないんだと思ったよ。だから…」


捜査本部

「・・・ということでした。現在特捜と協力して裏を確認しています。」

彼から聞いたのは

1.森川美紀は今年信川の企業に就職したばっか。

2.容疑者森川恭介は定期的に彼女を訪ねている。

3.彼女が行方不明になった日不審車が彼女宅付近から急発進している。ということだった。

「そうか。彼は自分の身の危機を自分で防ぐためにナイフを所持していたのか。だとしたら若干減刑を検察に申しておいた方がいいな。・・・しかし彼はとんでもない不幸に直面してしまったんだな。」

管理官がそう呟く。それに誰も異議や反論はなかった。”自分が彼の立場になったら同じことをしていただろう。”全員がそう思っていたからだ。


そこから数時間後特捜班と広域103の懸命な捜査によって1つの結論に達した。

それは森川美紀が今回の事件のさらに前に被害者となっていたこと



それに併せて森川恭介に対応した警察が全く捜査をしていないことだった。


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