事情聴取

中央署面談室


信川大学での強行捜査が全て終わり、遂に人質だった佐々木美咲への事情聴取をすることとなったそうして担当は保護をした広域103の2名が行うこととなった。

「・・・失礼します。お待たせしました。体調はどうですか?」

「お気遣いありがとうございます。体調よりもお腹が…」

「分かりました。何か食事を用意しましょう。何がいいですか?」「・・・かつ丼で。」「分かりました。手配しましょう。」

そうして直ぐに事務担当の警察官にかつ丼の手配をしてもらってから聴取を始めた。

「早速なんだけど現在までの出来事を教えてえもらっても?」

「ええ。私がアルバイトをしていたら突然…」

そうして色々と分かってきたことがあった。まず今回の強盗事件は2件だけではなくそれまでも何件か行っているということ。他にも色々判明したがその中でも緊急性がある事案があった。

「・・・何?今までにも何人か同様の被害にあっている人がいるだと?」

まさかの今回の拉致事案が単独ではなく、連続事案であるというのだ。

「彼女の根拠は?」「例の2人組が”次はどうする?”と言ってたらしいです。」

「・・・早く彼らに吐かせるか、担当の方々には少し頑張ってもらうか。そういえば広域が佐々木美咲宅で拘束した森川恭介は何か?」「ええっと、‼そういうことか。」「どうした?」「・・・やっと言ってることが理解できました。実は”連れ去られた妹を探すため。ナイフは悪いのは知ってるうえで自衛用として携帯していた。”と言ってそれっきりで。」

「だとしたらこれは連続拉致事件か。特捜班の意見は。」俺は特捜班に聞く。

「その証言を精査してみんことには何も言えんがこちらとしてもあり得るから簡単に

嘘とは言えないな。」

「・・・これは捜査本部をさらに拡大させるか。人員が間違いなく足りない。

上にこちらから人員増強を掛け合ってみる。広域も頼んでもらってもいいかね?」

「了解しました。広域信川に掛け合ってみます。特捜もお願いしても?」

「勿論だ。ちょっと他支部に応援要請しよう。」

そうして直ぐに上司である津山支隊長に連絡する。

「・・・まずいな。被害者が複数いるってことか。」

「そうですね。このままだと被害者の犠牲が増大するので一刻も早く真相解明と被害者がいた場合救出が早急に求められますね。」

「分かった。追加の捜査員を各課から捻出してもらおう。君たちは引き続き捜査本部を支援してくれ。」

「了解しました。感謝します。」

そうしてその日のうちに信川警察の刑事部から追加の捜査員広域の2つの組織から多数の捜査員が動員され中央署捜査本部の体制が合同捜査本部から総合捜査本部へと変わった。総合捜査本部とは警察組織と広域隊の人員が一定数を超えると合同捜査本部から総合捜査本部となり事件捜査の指揮が共同になり一方のみにから双方が協力しての運用となる。その為捜査指揮を執るのは一課の鈴村警視と広域信川の津山警視となった。



そうして最初の捜査会議が間もなく始まろうとしている。


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