対立Part3

信川大学事務室前 広域103 栗田警部視点

事務室の扉前に来て直ぐに桑さんにハンドサインを送る。

”小型カメラを”桑さんが直ぐに反応し、俺のもとに来る。

そうして背後から小型カメラのコードが扉の奥に向けて進んでいく。

そうして中を確認した桑さんがハンドサインで伝える。

”犯人2人を挟んでその先に例の2人がいる。”それに加えて静かに言った。

「時間稼ぎがもうできないだろう。直ぐに踏み込むべきだ。」

そして確信した。犯人に聞かれないように少し下がってから無線を送る。

「広域103から特捜2、3一方送信。1分後に事務室に突入。慎重に周辺出口を包囲願う。」「広域103もうできてるよ。」

そう無線が返ってくるのと同時に特捜の南山警部が来た。南山警部は同期入隊の心強い仲間である。

「おう。気づいたか。閃光弾で突入する。」「了解。」

そうして静かにもう一度扉に接近して俺、桑さん、南山、一課の刑事の順で

壁に沿って並び、桑さんが閃光弾を扉の奥に投げ込む。

「広域隊だ。全員その場に伏せろ。」そう警告しながら投げ、作動するのを待つ。そしてとんでもない爆音と光を放った直後、5人の捜査員が事務室に踏み込んでいった。


佐々木美咲視点

突然後ろのドアの奥から警告が発せられた。全員が何事となっているすきに床を何かが滑って犯人の近くにやって来た。そこからはよくわからなかった。大きな音と強烈な光で何も感じきれなかったのだ。そうして聞こえてきたのは力強い男の声だった。

「・・・ですか。聞こえますか。」「は、はい。あなたは?」「信川広域隊です。あなたを救出に来ました。お怪我は。」「無いです。・・・早川君は?」「今拘束しましたが。何か知っているのですか?」「ええ。なんでこんな事したのか。でもここじゃなくてしっかりした場所でお話を。」「分かりました。では申し訳ないですが此方に。」

そう言われてその警官についていく。よく見ると彼はライフルを持っていた。

そのまま私は彼の手配したパトカーに乗って、信川中央警察署にやって来た。

「この部屋でお待ちください。」そう言われて暫く待つこととなった。


信川大学事務室 広域103

閃光弾が炸裂した直後、俺を先頭に突入班が踏み込んでいく。そうして踏み込みながら、小銃を背中側に動かしながら犯人の死角に踏み込んでいき、体術で床に屈服させる。「広域隊だ、暴れるな。」そう言いながら素早く結束バンドで拘束していく。

その間にもう1人と参考人の早川健太の身柄も確保された。

「桑さん彼らを頼んでもいいすっか?彼女を中央署に移送してもらいます。」

「分かった。南っちそっちの小隊から応援回してくれ。」「了解しました。」

頼み終わった俺は、人質の佐々木美咲の元に向う。「広域隊です。分かりますか。」

呼びかけても反応が無い。恐らく閃光弾の影響だろう。呼びかけ続ける。

「大丈夫ですか。聞こえますか?」「は、はい。貴方は?」「信川広域隊です。貴方を救出に来ました。お怪我は?」「無いです。・・・早川君は?」「今拘束しましたが。何か知っているのですか?」「ええ。なんでこんな事したのか。でもここじゃなくてしっかりした場所でお話を。」「分かりました。では申し訳ないですが此方に。」

そうして直ぐに携帯無線に手を伸ばす。

「広域103から信川大学周辺の移動局へ。人質移送の為PCで信川大学正門へ来れる局居たら応答ねがいます。どうぞ。」「中央2了解。直ぐ向かう。」「了解。」

迎えを確保したところで本部に無線を流す。

「広域103から捜査本部。現在信川大学にて重要参考人早川健太、人質佐々木美咲並びに関係者2名を確保。人質は怪我なし。なお、病院への搬送は拒否。よってこれより、信川中央署へ移送する。既に移送要請済み。中央2が対応。どうぞ。」す

「こちら捜査本部。了解した。参考人らの移送はこちらから只今向かわせた。車両に乗せて、こちらまで移送願う。良くやってくれた。以上。」「広域103,了解。」

そうして無線系統を変えてまたスイッチを押す。

「広域103から信川大学強行捜査対応の各局、構内で拘束した民間人を開放願う。なお、その際に連絡先の方を聞き取り願います。また周辺の立ち入り規制も解除を要請する。以上広域103」



そうして1つ大きな山場を越えていったのだった。


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