新たな捜査

信川中央署捜査本部


被疑者の仲間と思われる森川恭介を本部待機の捜査員に引き渡してそのまま捜査本部長、各組織部から選抜で2名が参加する小規模の捜査会議に広域代表として参加した。広域特捜の隊長が現場から離れれないだろうと思って連絡したところその予想通りになったので、情報を貰い、代理で参加することにしたのだ。

「忙しい中で集まってくださってありがとうございます。現状の捜査状況を報告願いたい。ある所は?」

そこで真っ先に手を挙げた。「広域、頼む。」

「はい。現在広域特捜が佐々木美咲捜索で信川中央部 で捜査をしていますので、代わりに我々が報告します。現状事件発生地点周辺で聞き込みをした結果、特に不審な情報はなかったとのことです。ですが駅ロータリーで客待ちしていたタクシードライバーから運転の荒い不審車が現場方向から発生後に駅ロータリーに来て何人かを下したとの目撃情報があったとのことで現在、駅構内防犯カメラの映像回収・解析を行っています。また、参考人佐々木美咲の自宅マンションを 張り込んでいた結果、佐々木美咲の部屋の玄関を強硬開錠をし、室内を漁っていた森川恭介を発見、身体検査したところ所持品にナイフとバールなどの破壊器具、ナイフを確認したので現場で銃刀法違反、不法侵入、特殊開錠器具所持禁止法違反の容疑で拘束し、先ほど一課の刑事に引き渡しました。広域からは以上です。」

「分かった。引き続き広域は捜索を継続する様に伝えてくれ。」「了解しました。」

そして一課と中央署刑事課が合同で報告する。

「警察側でも広域と同様です。引き続き捜索を継続します。」「分かった。」

「鑑識等はどうだ?」本部長が優しく聞いた。

「現場の防犯カメラの解析がまもなく終わる予定です。その為現在は現場周辺のNシステムの解析を行っています。並行して高速道路のIC等の監視カメラの回線を提供してもらい、リアルタイムで顔認証システムを使用する準備をしております。運用開始は明日朝一番で行えるように準備しています。」

「分かった。だが、隊員に無理をさせないように。まだその時じゃないからな。」

「了解しました。隊員に酸っぱくなるほど伝えておきます。」

指揮官である鈴木警視は現場の捜査員を大事にするトップとして有名な警察官で

広域にも大変手厚い支援をして下さることで有名だ。

「そしたら君たちは今後どうなると思う?」「広域からすると2択かと。」

「どんな2択かな?」「1つは参考人が人質であって今も拘束の状態で連れまわしている。もう一方は参考人もグルで捜査をかく乱しているか、ですね。」

「なるほどね。確かに今は確信がないね。まだ決めるのは時期尚早かな?」

「そうですね。早いかと。ただ、可能性としては人質の方が高いかと。ただ、人質にした理由と要求が全くないことが少し不明点です。この点が参考人がグルではないかという根拠です。」

「分かった。念のため参考人の両親のもとに捜査員を送ろう。所在は?」

「はい。刑事課で確認したところ、両親は浜松に居ることが判明しています。」

「了解した。今から向かってくれ。栗田君と桑田さん 頼んでもいいかね?」

「分かりました。お引き受けしましょう。」「頼んだ。」

「そしたら鑑識班にお願いなんですけど防犯カメラの映像解析終わったら端末に送ってくれないですか?刑事課は両親の所在地を送ってください。」

「了解しました。送りますね。」「了解した。任せておけ。」「それでは行ってまいります。」「頼んだぞ。」

そうしてすぐに最初に捜査本部入りした時に用意しておいた長期滞在用のバックを携帯して桑さんと覆面車に乗って静岡県浜松市に片道5時間の長旅を始めた。そうして運転開始した直後に広域に無線を入れる。

「広域103から広域信川只今より静岡県浜松市に捜査の為出向しますので車両無線を2時間後に地域から広域に変更します。どうぞ。」

「広域信川、了解した。広域総合指令センターに通達しておく。」


この無線から2時間後広域信川無線局から広域総合指令センター下に車両管轄が変わり広域だからできる捜査が始まった。

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