張り込み

捜査本部を出発した捜査一課、広域特捜は信川駅を中心に聞き込みと防犯カメラの映像確保を開始した。それと並行して鑑識とサイバー対策課が各防犯カメラの映像を解析している。特に店内の防犯カメラは解析要員内で最も優秀な隊員が急ピッチで解析を進めており事件の全容はあと少しでわかるものとみられる。

しかし、依然として犯人と行方不明の佐々木美咲は手掛かりがなく、依然として謎のままだった。


佐々木美咲宅付近”広域103”

そんな中俺は今広域103の覆面車で桑さんと佐々木美咲宅が見える所から張り込みを行っている。付近には中央署刑事課の刑事も張り込みをしており彼女の帰りを待っている。

「・・・でも、彼女来ますかね?」

「多分、来ない。来るなら犯人の関係者か彼女の親族じゃないかな?」

そんな予想を話しながら既に張り込み開始から4時間がたとうとしていた。

すると佐々木美咲、マンション前に不審なバイクが1台やってきて、止まった。

「桑さん。あれ。」「おっと、どっちだろうかね。」

すぐに中央署張り込み班に通達する。

「広域103から中央201(張り込み班)不審なバイクが参考人マンション前に停車どうぞ。」「中央201了解。何かあったら連絡を。」「了解。」

そのバイクの運転手は20代前後の若い男のようだ。すると男は何の躊躇もなく奥へと進んでいった。「桑さん行きますか。」「ああ。何か関わっていそうだな。」

直ぐに無線を入れる。

「広域103から中央201、不審人物が対象マンション方向へ向かった。よって確認の為、車両降りる。援護を願う。どうぞ。」「中央201了解。気をつけろよ。到着まで1分。」「了解。」

玄関に着くとその一室のドアが何者かによってこじ開けられていた。

俺たちの判断で彼女の家の玄関のカギをかけたからだ。

それを確認したのと同時に中央署の刑事が2人来た。

「中央署の鈴木と辻本です。状況は?」

「ドアがこじ開けられている。我々が中に入るので外の逃走経路を抑えてもらっても?」「了解しました。」

そうして刑事2人を見送ったら直ぐに拳銃を抜き、玄関に近づいていった。

そしてアイコンタクトをとってそのまま室内へ突入した。

そうして奥に進むと先ほどの男が革手袋をしてタンスの中身をひっくり返していた。

「広域隊だ。その場に伏せろ!!」「伏せるんだ!!」

2人で怒声を響かせながら男に近づいていく。「分かった。分かったから打たないでくれ。」男はそう言いながらフロアに伏せていった。

そうして2人で男に近づいた。

「栗田、援護するから身体検査して拘束してくれ。」「了解。」

そうして俺が男の身体に触れていく。そうして男からナイフが発見された。

「16:37、貴方を銃刀法違反と不法侵入で拘束する。」

そう言って、男の手を後ろに持ってきて手錠をかけて逮捕した。

「広域103から中央201、不審人物を銃刀法違反と不 法侵入で確保。並びに室内安全を確保した。どうぞ。」「了解、そちらに向かう。どうぞ。」「了解。」

そうして直ぐに先ほど合流した刑事2名と合流し、男の話を聞くことにした。

「君の氏名は?」「森川恭介。」「彼女との関係は?」「全くない。」

「なぜここに来た?」「・・・」「まあ答えなくてもいい。その分後で苦しむのは自分自身だからね。」「栗田さん、これ。」「おっと、さらに罪を増やしたな。」

鈴木巡査部長が持ってきたバックにバール、マイナスドライバーそしてピッキング装置が入っていた。

「16:50、特殊開錠器具所持禁止法違反も追加だ。後に軽犯罪法違反でも問うぞ。」

その後応援の捜査員が到着し、張り込みを引き継いだ後、

彼の携帯してきた物を全て押収して捜査本部のある中央署に連行した。


その後本部の刑事に引き渡し、そのまま本部で指揮官中心に会議が行われた。

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