密行開始

「よし、今日の警らのバディは湊と小山、佐東と阿嘉屋あかや、俺と桑さんでどっすか?」

「いいんじゃない?俺は全然かまへんよ。」

「りょーかい。」「おっ、今日は栗か。頼むな。」

私が今日担当するのは広域遊撃隊。24時間覆面車で街を密行する。

所轄や刑事課の機動捜査隊との連携もある為、比較的市街地でも見かけることのある部隊である。

無線では”広域OOO”と呼ばれる。使用車両はN社やT社のセダン車である。

今日のコールサインは”広域103”。先の2組がそれぞれ”広域101・102”を名乗る。

「桑さんどの辺行きます?」「せやな、信川駅方面なんてどうだ?」

「了解っす、他と打ち合わせてきます。」

先ほどから言っている”桑さん”とは、桑山久くわやまひさし54歳。階級は警部補。信川警察本部管轄に初配属の後20XX年に異動したベテランである。だが、栗と言ってた様に俺も桑山も互いに尊敬している。(2人の年齢差は20歳程ある。)

そうして今日の午前の密行地域が信川駅周辺となり、2人は今日の”足”となる

”広域103”の始業前点検をし、乗り込んだ。運転は日中は桑さんが行い、

夕暮れから明朝にかけて俺が行う。密行開始を俺が本部・広域に無線で伝える。

「広域103から信川本部、広域信川」「本部です。広域103どうぞ」

「了解。現時刻より信川駅方面重点密行。どうぞ」「本部了解」「広域了解」



こうして今日のパトロールが始まった。

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