第64話 お返し
大輝は、次の日急いで
詩音へお返しのプレゼントを買いに出かけた。
だが、
何を買っていいか迷っていた。
若葉の時のように欲しいものがわからないのだ。
詩音の事を知っているようで
知らないんだと思い返していたのだが
プレゼントを選ばなくてはいけない。
詩音の事を思い出しながら考えた。
良さそうな物は沢山あるし、
詩音に似合いそうな
アクセサリーなども沢山あった。
ますますわからなくなってしまったのだ。
とりあえずお店を回ることにしてみたのだが
ピンと来るものがない。
大輝は困ってしまった。
「何がいいんだろう?」
一人で呟きながら
色んなお店を見ながら歩き回った。
結局、何にして良いのかわからなかったので
ネットで調べることにしたのだ。
大輝はネットで調べながら
気を使われない程度の物を探した。
「ハンドクリーム?」
ネットのクリスマスプレゼントの
ランキングに載っていた。
ハンドクリームなら気を使われないはずだし
使いやすいのではと思い
オシャレなハンドクリームが
置いてあるお店に向かい
3つ程選んでラッピングしてもらった。
クリスマスは過ぎていたので
普通のラッピングになってしまったが、
お返しのクリスマスプレゼントを買えたことで
なんとか安心は出来た。
あとは渡すだけなのだが
詩音の家の場所は知らないし
来てもらうのも悪い気がした。
大輝は、
一応電話を掛けて
今日渡せないか聞くことにした。
「もしもし、どうしたの大輝君?」
詩音はすぐに出てくれた。
大輝は、
「もしもし詩音?突然ごめんね。
昨日のプレゼントのお返しをしたくて
それを渡したいんだけど
今日って渡せるかな?」
と、聞いてみた。
「えっ?今日?
プレゼントのお返しなんていらないよ。
私が勝手に用意しただけなんだから。」
詩音はそう言うが
大輝は、
「そんなのダメだよ。
プレゼント嬉しかったし
ちゃんとお返しはしたいから
今日がダメならいつなら渡せるかな?」
詩音は焦って、
「今日でも大丈夫です!」
勢いよく答えた。
大輝は、今日渡せることにほっとした。
「ありがとう。
詩音の家がわからないんだけど
どこにいけばいいかな?」
大輝がそう聞くと、
詩音は、
「家?えっ家?」
と、2回聞いてきた。
「来てもらうのも悪いから
家まで届けようと思って。」
大輝がもう一度伝えると
詩音が
「家じゃなくていいよ。
今から大輝君に所に行きます。
行かせてください!」
大輝は悪い気がして
「それは悪いよ。僕が行くよ?」
と、言ったのだが詩音は引かずに
「私が行きます。
今どこにいるの?
すぐに支度して向かいます!」
と、言われたので仕方なく
今いる場所で詩音が来るのを待つことになった。
詩音が近くに来たと連絡をくれたので
そこまで向かうと
昨日とはまた違う綺麗めな服を着ていた。
「ごめんね来てもらっちゃって、
大丈夫だったの?」
大輝が尋ねると
詩音は
「全然大丈夫です。
逆に申し訳ないです!」
詩音に言い方に大輝も笑ってしまった。
「でも来てくれてありがとう。
今日もオシャレだね。
昨日と違って綺麗なお姉さんって感じだね!」
と、思った事を伝えると
詩音はまた顔を真っ赤にしながら
恥ずかしそうに
「ありがとう。」
と、言ってくれた。
大輝は、
「これ、昨日のお返しなんだけど
もしよかったら使って!」
と、さっき買ったプレゼントを渡した。
詩音が申し訳なさそうに受け取って
「全然お返しなんてよかったのに
気を使わせちゃってごめんなさい。
でも嬉しい、ありがとう!」
と、喜んでくれた。
すると詩音が
「大輝君このあと予定あるの?」
と、聞いてきたので
大輝は
「予定?このあとは帰るだけかな。」
と、答えた。
詩音はまた恥ずかしそうに
「せっかく会ったんだし
少し一緒に出かけませんか?」
と、言ってきた。
大輝も予定もなかったので
「いいよ。どこ行こっか!?」
と、一緒に出かけることにしたのだ。
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