第48話 文化祭
夏休みも終わり、
新学期が始まった。
大輝は、
あれから毎日、
予定を入れるようしていた。
週末も、無理やり予定を作って
若葉に会わないようにしていたが
若葉から連絡は来るので
夜だけ簡単に返して最低限ので話だけにしていた。
佐々木に邪魔をしないように言われていたので
若葉を避ける日々が続いていたのだ。
若葉が告白されたと勝手に思い込んでいたので
大輝は落ち込んだいた。
10月の終わりには、文化祭があるので
文化祭の準備も始まる。
週末も帰らずに
文化祭の準備を手伝えるように
9月末からは、
ほとんど父親の所にいる事にしたのだ。
若葉も、
大輝と夜しか連絡が取れない為、
落ち込んでいた。
大輝に、会うことも出来ずに
新学期が始まってしまった。
蓮とは、同じクラスなので
学校に行けば会うのだが
大輝とは、相変わらず
ほとんど連絡が出来ずにいた。
学校でも、蓮と話したり
帰ってからも蓮と、
メッセージのやり取りを
することの方が増えていき
最近では、大輝より連絡を取っていた。
そんな事も合いなって
結局大輝には、会えないまま
10月に入ってしまった。
10月は、お互い文化祭もあって忙しくなる。
大輝はほとんど帰って来ないで
文化祭の準備をすると言っていた。
なので、
大輝に会う時間がほとんどないのだ。
10月に入り、
文化祭の準備もが始まった。
大輝のはクラスでは、
模擬店をする事になったので、
何を出すかで話し合い、たこ焼きになった。
たこ焼きなら
万人受けするという事で、
最終的には多数決で決まった。
教室のイメージや食材の準備など
役割が決まっていき
大輝は、たこ焼きを焼く担当になった。
食材の準備や焼く練習をしたりと
忙しくしていたが
部活をやっていない大輝は、
教室の模様替えなども手伝う事になった。
詩音も部活をやっていなかったので
一緒に手伝ってくれた。
詩音と話していると気が紛れて助かっていた。
準備も率先してやる事で
暇にならずに済んだので
大輝にとってはちょうどよかったので
文化祭まで、忙しく準備に追われたのだ。
若葉達の学校も文化祭があって、
大輝の高校の前の週だった為
若葉にも友達にも誘われたが
準備が大詰めになる為、
断っていた。
若葉は、舞台で主役を演じると言っていた。
観てみたいとは思ったが、
白石が相手役なんだろうなと思い
また胸が苦しくなった。
若葉も、文化祭の準備が始まった。
若葉達のクラスでは、
舞台をやる事に決まった。
恋愛系の脚本で、
やはり、若葉と蓮がメインで事が進んだ。
若葉は、裏方がやりたいと駄々をこねたが
みんなからのプレッシャーに負けた。
クラスのみんなは
思惑通りに進んで悪い笑みを浮かべていた。
部活がない日や昼休みに練習を行った。
最初は、恥ずかしかったが、
だんだんと演技にも慣れてきて
役に入り込む事ができるようになっていた。
蓮も演技が上手く
追いつくのに必死だった。
文化祭が来週に迫った週は、
みんなで夜まで残り練習をした。
他のみんなもすごく演技が上手くなっていて
クラスの一体感が増していった。
若葉は、蓮とも二人で練習を重ねた。
練習している時は、役にに入り込めた為
蓮を、変に意識せずに済んだが
練習を終えると、急に恥ずかしくなってしまう。
恋人役を演じている為
触れ合う機会が多いのだ。
流石に、キスシーンまではなかったが
抱き合うシーンはあった。
恥ずかしなるに決まっている。
大輝を文化祭に誘いたかったが、
あまり連絡が取れていない。
その事を千花に相談したら
「ヒロイン役やるって言えば
連絡しやすいんじゃない?」
と、言われ、
蓮と抱き合うシーンがある事も忘れて、
大輝にメッセージを送る事にした。
だが、
若葉の学校の文化祭の
次の週が、大輝に学校の文化祭で
準備が忙しくて行けないと断られてしまった。
ガッカリしたが仕方がない。
そのまま文化祭当日を迎えたのだ。
文化祭当日
若葉達は、
朝から準備や最終リハーサルなどで大忙しだった。
若葉達のクラスは、三番目だったので、
リハーサルを早く終え、衣装に着替え始めた。
みんな緊張しているのか、
表情から余裕が消えていった。
衣装に着替え終えた若葉は、
とても綺麗だった。
蓮も、顔を赤らめて見つめていた。
みんな衣装に着替え、
舞台袖まできた。
「みんな大丈夫だよ。
練習通りにやれば
きっと上手くいくよ!」
と、蓮がみんなに伝えた。
みんな一気にやる気に満ちた顔になった。
「蓮君は、すごいなぁ。」
と、感心する若葉であったが、
自分も何か言わなきゃと思い
「楽しい思い出をみんなで作ろう!」
と、だけ伝えた。
そこからみんなも声をかけ始め
クラスの雰囲気が一気に良くなった。
若葉のクラスの順番がきた。
緊張しながらも
みんなで一生懸命演じた。
裏方のみんなも、
自分の仕事を真剣にこなした。
最後のシーンまで来た。
若葉と蓮が抱き合って終わるシーンだ。
劇中の山場で
一番盛り上がる所だ。
セリフも完璧に言えて
無事、抱き締め合うシーンで
蓮に、リハーサルの時よりも
強く抱き締められた。
若葉も役になり切っていたので
抱き締め返した。
無事、演劇が終了した。
みんなで並んで
最後のお辞儀をし舞台袖まで履けていった。
練習よりも良くできたので
みんなで若葉と蓮を囲みながら
喜びを分かち合った。
その後は教室まで戻り衣装から着替えた。
衣装から着替えた事で
若葉は、また恥ずかしくなってしまった。
抱き締め合うシーンを
思い出してしまったのだ。
その姿を千花は、見逃さなかった。
「白石君と練習よりも
しっかり抱き締め合ってたね。」
と、ニヤニヤしながら言って来た。
何も言えずに、顔を真っ赤にしていると
「白石と若葉ならお似合いだと思うけどな。」
と、言ってきた。
一緒に役を演じていた事もあって
気持ちが昂っていたが、
「そんなことないよ。」
と、若葉は、
否定したのだが
「そう?みんなそう思ってるよ!?」
と、伝えてきた。
そんな時に蓮が、若葉と千花の所まできた。
「文化祭が終わったら話があるから
聞いて欲しいんだ。」
と、若葉に告げてきたのだ。
若葉も流石に告白だと思った。
どうしていいかわからなかったが
千花が、
「うちが責任持って連れてくよ。」
と、言って文化祭が終わってから
蓮の話を聞くことになった。
文化祭が終わるまでは、
若葉は、友達みんなで
文化祭の模擬店などを回る事になった。
千花には、
「きっと告白だよ。」
と、揶揄われたが
若葉もそうだと思っていたので何も言えない。
残りの文化祭もあまり楽しめなく
そのことばかり考えてしまっていた。
無事、文化祭が終わり、
千花に促され
蓮の所に向かうことになった。
蓮にメッセージを入れ
帰りに一緒に帰ることになった。
帰り道は、緊張して何を話したか
わからなかったが
公園まで来てからの話をした。
「若葉のことが好きです。
俺と付き合ってください!」
蓮はストレートに告白してきた。
若葉も予想はしていたが
ここまではっきり言われるとは思っていなかった。
若葉も今の気持ちをはっきり伝えようと
話そうとしたのだが
蓮は、若葉の答えを聞く前に
「突然言われても困ると思う。
今すぐ答えなくていい。
だから時間をかけて
ゆっくり答えを出して欲しいんだ。
今日は話を聞いてくれてありがとう。
また学校でね!」
と、走って帰ってしまった。
若葉もどうしたら良いのかわからず
何も答えられずに蓮を見送った。
若葉も家に帰ることにし
歩きながら考えた。
だんだんと家に近づいていき
大輝の家の前を通り過ぎた。
大輝の事が、急に頭の中に巡って
「大輝に告白されたらどうするんだろう…?」
蓮に告白された事で
大輝に告白されたらと考えてしまった。
若葉は頭を振って
今は、蓮の告白にどう答えるかを
考えなければと思い直したのだ。
いつのまにかにか
若葉の家の前まで着いてしまった。
家に着いてからもどう返事をするべきかを
考えていたが上手く纏まらなかったのだ。
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