第34話 別々に…
大輝と若葉は、
無事、志望校に合格を果たした。
蓮も、若葉と同じ学校に合格していた。
大輝と若葉は、
高校は、別々になる事が
これで決まった。
受験が終わったことで、
久しぶりに
みんなで遊ぶことになったので、
若葉は、
大輝と連絡をとり
二人でカラオケに向かう事になった。
若葉は、大輝と話せる事が
嬉しかった。
朝からワクワクして
集合時間よりも早く家を出ることにした。
大輝に家に着き、
大輝が出てくるのを待った。
「私服姿で遊ぶのは、
いつ以来だろう?」
などと、考えながら
大輝も、私服姿で
家から出てきた。
今までは、受験勉強に必死だったので
大輝を意識して見る事もなかったが、
久しぶりに、
落ち着いて大輝を見る事が出来た。
身長は、若葉よりも
大きくなっていたのは、
わかっていたが
いつの間にか
子供っぽさがなくなり
前より、大人びた顔になっていた。
少しドキッとしてしまった。
弟のように可愛らしい大輝が
気付いたら、
男らしい顔立ちになっていたからだ。
まだ、それが異性として
大輝を見ているという事に
若葉は、気付かなかった。
カラオケに向かって歩いている最中も
大輝は、車道側を歩いたり
歩く速度も合わせてくれていた。
話もしっかり合わせてくれている。
女の子を気遣える事に
初めて気付いた。
この一、二年は、
大輝以外の男の子達と話す機会が多かった。
図書館に勉強に行く時などもあったが、
車道側を歩いてくれる男の子もいたが
ほとんどは気にしていない様子だった。
歩くペースも合わせている感じではなかった。
男の子と話している時も
大体が自慢話などだった。
女の子の話を、
ちゃんと聞いてくれる男子は少なかった。
今までは、
当たり前の様に感じていた事も
今日は、違って見えた。
大輝が、
当たり前に出来ていることを
出来ていない男子の方が
多いのかもしれない
大輝以外だと
蓮も、同じようにしてくれていた。
そんな事を思いながら
歩いていた。
カラオケに着いてからは、
いつもと同じように
蓮が来て、
大輝は、離れていった。
蓮達にと一緒にいても
楽しいのだが
今日は、大輝と楽しみたかった。
しかし、大輝は、
他の友達のところに行ってからは
全く若葉の方を、見てくれない。
いつもながらにモヤモヤした。
みんなで受験のストレスを
カラオケ発散するかのように
盛り上がった。
カラオケも終わり、
前のように
ファミレスでと言う話になっていた。
大輝は
「今日は疲れたから帰るよ!」
と、言っているのが聞こえた。
その時
蓮が、若葉に聞いてきた。
「若葉もファミレス行くでしょ?
まだ遊び足りないし今回も行こう?」
と、言ってきたが
「蓮君ごめん。
今日はちょっと盛り上がりすぎて
疲れちゃったから帰るね。」
と、伝えた。
蓮はもっと一緒にいたかったので
「ファミレスで
少し休んでてもいいから
一緒に行けないかな?」
と、お願いしてきた。
大輝が気付いて近づいてきた。
また、行ってきなよ
と、言われてしまうと思った若葉は、
「みんなに気を使わせちゃうし
家でゆっくり休みたいから
今日は、ごめん。
次回はちゃんと参加するね!」
と、伝えその場を離れた。
蓮は、残念そうな顔をして見送った。
今日の若葉は、
大輝ともっと一緒に居たかった。
今まであまり話せなかった分
もっと話したかったのだ。
大輝に所に行き
「大輝はファミレス行くの?」
と、聞いてみた。
さっき聞こえていたから
行かないことは知っている。
「疲れちゃったから
行かないで帰るよ!
若葉は行くんでしょ?
気にしないで大丈夫だよ!」
と、言ってきた。
「私も今日は、疲れちゃったから
帰ることにしたの!
みんなにも言ってきたから
一緒に帰ろ!」
と、笑顔で言っていた。
疲れているようには見えなかったが
大輝は、なにも言わないことにした。
みんなと別れて二人で歩きながら
若葉が
「ちょっと公園寄って行こうよ!」
と、言ってきた。
疲れてたんではないのかとは
思ったが、
大輝は、公園に寄って行くことにした。
「小学生の時を
思い出すよね!
二人でいつも遊んでたね!」
と、ブランコに乗りながら
若葉が言ってきた。
「楽しかったよね!」
と、答えた。
その後も
昔話を、二人で笑い合いながら
ずっとしていた。
二人で今までの時間を埋めるように。
長い事、話をして若葉も満足したのか、
「よし!大輝成分を充電できたぞ!」
と、言ってから
「大輝が、
どんどん成長して
離れていってる気してたから
寂しかったけど
今日いっぱい話せたから
満足した!
お姉ちゃんも、弟の成長が嬉しいぞ!」
なんて言って、笑っていた。
弟と言われている事が
また、胸を締め付ける。
「ならよかったよ!」
と、大輝は伝えた。
「じゃぁ帰ろっか!」
と、若葉が言って
公園から歩き出した。
家の前まで着き、
「高校は別になっちゃうけど
毎日連絡はしてよね!」
と、若葉は言ってきた。
「わかった!
連絡は、毎日するよ!」
と、答え
「よろしい!」
と、笑顔を見せて帰っていった。
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