第32話 年明け
無事年が明け新年となった。
大輝の家では、
母親と東郷さんが再婚する年になった。
正式に家族になる事になったのだ。
苗字は今のままの
浜中になる事になった。
大輝が、
名前を変えずにいられるようにと
気を使ってくれたらしい。
大輝の祖父母にあたる
東郷さんにご両親は反対したようだが
今まで言う事を聞いてきたので
これ以上は従わないと押し通したらしい。
大輝も、一度会って話をしたが
悪そうな人たちには見えなかった。
大輝にも、良くしてくれて
「またいつでも来なさい。」
と、言ってくれていた。
これから東郷さんは、
こちらの家から
仕事に通う事になっていたので
一緒に住む事になる。
いつまでも東郷さんでは悪いと思い
司さんと、呼ぶ事にした。
司さんと呼んでんみると
嬉しそうにしてくれていた。
去年も週末は、
いつも来てくれていたので
一緒にいる事も慣れていた。
これからも上手くやっていけそうだ。
そんなこんなで元旦から
市役所に行き
婚姻届を提出する事となった。
大輝も一緒に行く事になり
無事、提出した。
晴れて二人は、夫婦となったのだ。
二人は、夫婦になるまで
長い道のりだっただろう。
辛い事や苦しい事を乗り越えて
やっと今がある。
二人の幸せそうに笑う姿を見ていると
二人が幸せならそれが一番いい事だ。
と、思っていた。
その後は、
三人で初詣に行き
お参りをしてから
家へと帰ったのだ。
家に帰ってから、
母親が作ってくれた
おせち料理やお雑煮を食べて
三人の話をしながら
ゆっくりと過ごした。
ゆっくりしながら
携帯をみると、
友達からメッセージが沢山入っていた。
「あけましておめでとう!」
と、みんなから来ていた。
大輝も、友達みんなに
返信を返した。
若葉からも、
同じように、メッセージが入っていた。
「あけましておめでとう!
今年も宜しくね!」
と、入っていたので
「あけましておめでとう!
こちらこそ今年も宜しくね!」
と、送った。
若葉からすぐに返信が来て
「年が明けちゃった後だけど
クリスマスプレゼントを渡したいんだ!
いつならいい?」
と、言われたので
「今日の夕方なら少しだけ大丈夫だよ!」
と、返信を送った。
「わかった!ありがとう!
夕方に渡しに行くね!」
と、すぐに返信が来た。
夜は、
父親の所に新年の挨拶に行く予定だったので
行く前に少しだけ会う事になった。
そのまま、少し眠くなったので
昼寝をしてしまった。
気付くと夕方になっていて
丁度、若葉からメッセージが入っていた。
「今から大丈夫?」
と、来たので
「大丈夫だよ!」
と、返信した。
すぐに電話が来て
大輝は、家の外に出た。
家の前に若葉が立っていて
「あけましておめでとうございます!
今年も宜しくお願いします!」
と、改めて言って来てくれた。
大輝も
「あけましておめでとうございます!
今年も宜しくお願いします!」
と、改めて新年の挨拶を交わした。
「遅くなっちゃってごめんね。
はい!メリークリスマス!」
と、クリスマスプレゼントを渡してくれた。
「ありがとう!嬉しいよ!」
と、大輝は受け取り、
「大輝は、今からどこか行くの?」
と、聞かれて
「お父さんの所に
新年の挨拶に行こうと思ってるんだ!
若葉は?」
と、答えて若葉にも聞いた。
「今からおばあちゃんの家で
みんな集まってご飯食べるんだ!」
と、嬉しそうに言っていた。
「良かったね!楽しんで来てね!
プレゼントありがとう!」
と、言って家の中に入ろうとした、
「ねぇ、蓮君のことなんだけど…」
と、若葉は突然言ってきたが
応援すると決めていた大輝は、
若葉が、何か言う前に
「デート出来て良かったね!
美男美女でお似合いだと思うよ!
頑張ってね!またね!」
と、言って若葉の話を遮って
家の中に入っていった。
若葉が悲しい顔をしていたが
気のせいだと言い聞かせて。
若葉は、大輝の家の前から
ゆっくりと帰った。
「お似合いってなに…」
何故か、悲しい気持ちになった。
「私はなにを言いたかったんだろぉ…」
若葉も若葉で、自分に気持ちに蓋をしていた。
大輝に勘違いして欲しくなかったのだが
更に勘違いをさせてしまった。
なんともいえない気持ちになっていたが
よくわからない。
最近の若葉は、
大輝に対する自分の気持ちが
わからなくなっていたのだ。
弟だと思い、見守る事を選んだが
見守るより先に
大輝がどんどん先に行ってしまっている。
大輝が、
少しずつ離れて行っている気がしたのだ。
大輝は、家に入ってから
深呼吸をした。
「普通にしていられたかな…」
大輝もまだ、
自分の気持ちを偽り切れていなかったが
「応援するって決めたんだから
今度は、しっかり聞いてあげよう。」
と、自分に言い聞かせるようにしていたのだ。
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