第24話 そのまま少しずつ
新学期が始まってからも
二人は、
お互いの変化に気付かずに
いつも通りに過ごしていた。
いつの間に年末になり
冬休みになった。
冬休みも、変わらずいつも通りだ。
毎年、友達みんなで
クリスマスパーティーをしていたので
今年もみんなで集まって
クリスマスパーティーを
開く事になったのだ。
付き合い始めた人達もいたので
来られそうにない友達もいたが、
彼氏彼女がいない人達中心に
久しぶりに、みんなで
集まれる事になった。
若葉も楽しみにしていた。
クリスマスパーティーの日になり
若葉と一緒に向かった。
今年の会場は、カラオケだった。
みんなと合流してから
部屋に入った。
部屋に入ってから
みんなで席を決め
クリスマスパーティーが始まった。
夏祭り以降
白石とも仲が深まったのか
一緒にいる事にが増えたそうだ。
今日も
白石と若葉は、
隣同士に座っている。
周りのみんなも、
若葉と白石を、ペアにしてしまえば
取り合いがなくなるし
お似合いだし、仕方がない
という事になっていたみたいで
二人を一緒に居させるように
隣に座らせていた。
白石も、満更では無いようで、
楽しそうに、若葉と話しをしていた。
若葉は、いつも通りと言った感じだ。
大輝は、
他のみんなと楽しく
カラオケを歌っていた。
白石と楽しそうに
話している
若葉を見ないように、
なるべく意識をしないように、
何も考えずに済むように。
しかし、若葉と白石が
一緒に歌を歌う事になったのだ。
その時初めて
若葉と白石の席の方を見た。
肩が触れ合うくらい
近い距離に座っていた。
見たくなかった。
これ以上は、
見られなかった。
「ドリンクを取ってくるね!」
と、近くの友達に伝え
部屋を出た。
ドリンクを入れながら
深いため息を吐いた。
「まだまだダメだな…」
と、落ち込んでいた。
落ち着くまで
少し待ってから
部屋に戻った為
少し遅くなってしまった。
もう違う友達が歌っていたので
ほっとしていると
若葉が睨んでいた。
気にはなったが仕方がない。
また白石に話しかけられて
顔をそらした隙に
友達の所へ戻った。
その後は、
プレゼント交換などもして
あっと言う間に
パーティーは、終了の時間となり
解散となった。
まだ遊び足りない人達で
ファミレスに行くと
言う事になったが
大輝は、用事があるので
帰ることにした。
若葉は、
白石達に誘われていたが
大輝と一緒に帰る
と言っていたので、
「若葉は、みんなと行ってきなよ!
僕の事は大丈夫だから!」
と、若葉達に近付き
そう告げた。
若葉が、
まだ悩んでいる顔をしていたので
若葉に近づき小声で
「今からお父さんと二人で
ご飯を食べに行く事になっているから
気にしないで!」
と、伝えた。
すると若葉は、
少し悩んだ顔はしていたが
「わかった。
気を付けて帰ってね。」
と、ファミレスに行くことにしたのだ。
そのまま大輝は、
みんなと別れて
一人で帰る事になった。
父親と、夕食を食べに行くと言うのは
本当の事だったが、
これ以上は
自分の目の前で、
二人が楽しそうにしている姿を
見ていられない
と、言うのが本音だった。
白石も、若葉には来てほしかったのだろう。
若葉が、僕と一緒に帰ると言っている時は
あからさまにガッカリしていた。
その後、僕が伝えに行った時も
頼むって顔をしていた。
若葉もきっと、
みんなと
遊び足りなかったと
思っているだろうから
丁度よかったのだと
思うようにした。
大輝も前よりは、
感情をコントロールできるようになり
楽しそうに話しをしている
二人を見ても
我慢は出来る様にはなった。
それでもやはり、
胸が締め付けられるのは、
変わらなかった。
そんな事を考えながら
帰り道を一人で歩いていたのだ。
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