第21話 若葉の不安?…2

白石君と会話をしながら

待っていると


みんなから連絡がきて

すぐに合流出来た。


大輝の姿だけなかったので


「あれ?大輝は?」


と、聞いてみた。


「トイレに行ってくるって!」


と、男友達が言っていたので

少し待つ事になった。


みんなで、

さっきの花火の話などをして

待っていると

大輝から連絡きた。


トイレが混んでいて

まだ時間が掛かりそうだから

先に帰っていていいとの事だった。


若葉は、大輝が来るまで

待って居ようと思ったが


「足少し腫れ始めたね。」


と、白石君が言ってきた。


みんなも心配そうに伝えてきて

仕方なく帰ることにした。


さっきよりは痛みがなかったので

歩こうとすると


人混みを抜けるまでは

無理しちゃだダメと

みんなに言われ

背負ってもらうことになった。



背負ってもらいながら

人混みをやっと抜けた。


「ありがとう!」


と、言って降ろしてもらった。



「大輝が心配だからみんな先に帰っていいよ!」


と言ってみたが


「若葉の足が心配だよ。」


と、みんなに言われて

大輝に連絡をとってから帰る事となった。


大輝に連絡しても

繋がらなかったので

代わりに何人かが

残ってくれる事になった。


帰りは、流石に歩こうと思ったのだが


「無理するとテニスが出来なくなっちゃうよ。」


と、白石君に言われ

申し訳ないと思いつつ

背負って家まで

送ってもらうことになった。


少し距離がある為

帰りの方向が

一緒の人だけで

先に帰ることになった。


帰り道でも

疲れないように

途中にある公園で

一度休んでから帰った。


一緒に帰ってきた友達も

若葉の家より近い距離だったので

一人ずつ減っていき

最後のに残ったのは

若葉の家だけになっていた。



「これ以上は白石君に悪いから

ここからは歩いて帰るよ!」


と、言ったのだが


白石は、家まで送ると

頑なだった。


最後まで背負ってもらい

家の前で降ろしてもらった。


「本当に今日はごめんね。

背負ってもらって、

重かったでしょ?

しかも家まで送ってもらっちゃって」


若葉は、申し訳無さそうに言った。


「全然大丈夫だよ!

少し重かったかな!笑」


と、言ってきた。


「もう、失礼な!

そんなことないよって

言うんでしょ普通は!」


と、顔を真っ赤にして言い返したが


「全然軽かったよ!

本当に乗ってるのってくらい!笑」


と、気さくに返事を返され

笑ってしまった。


「明日には足の腫れ

引いてるといいね!

今日はゆっくり休んで!

また学校でね!」


と、白石君が帰ろうとしたので


「今日は本当にありがとう!

また学校でね!」


と、言って

若葉は、家の中に入っていったのだ。



家の中に入ってすぐに

風呂場に向かった。


浴衣を脱いでいると

ハンカチが出てきた。


「ちゃんと洗って返さなきゃな!」


と洗濯機の中に入れて

ボタンを押した。


そのあとすぐ

シャワーを浴びてから

足を冷やす為に、湿布を貼った。


そこまでしてから

部屋に戻り、携帯をチェックした。


大輝からの連絡は、まだ来ていなかった。


「大輝、大丈夫だったかなぁ?」


と。思いながら

大輝にメッセージアプリで

メッセージを入れておいた。


たくさん歩いて、疲れていたので

眠くなってしまったが

大輝から連絡が来るまでは眠れない。

頑張って起きていることにした。


だが、一向に大輝からの連絡が来ない。


だんだん心配にはなってきて

眠気が覚めていった。


友達にも連絡を入れてみた。


「あの後、ちゃんと合流してから

解散したからもう家に着いてると

思うよ!

シャワーでも浴びてるんじゃないかな?」


と、言っていた。


今度は大輝に電話してみたが

やはり出ない。


メッセージも、

もう一度送ってから

待つ事にした。


若葉は、そわそわしながら

落ち着かなかった。



そのあと一時間ほどしてから

ようやく大輝からのメッセージが来た。


「ごめんお風呂に入ってた!

僕は大丈夫だよ!

若葉も足をしっかり冷やしてから寝てね!

おやすみ。」


と、書いてあった。


「何もなくて安心した!」


と、思いながら返信をした。


「何かあったのかと心配したんだよ!

でもよかった!大丈夫そうで!

安心したからもう寝るね!

おやすみ!」


と、送った。



若葉は、

安心したから一気に眠気が襲ってきて

すぐに眠りについた。



若葉は、夢を見ていた。


白石君に背負われている時の

自分の姿と


白石君に背負われている若葉を

寂しそうに見つめている

大輝の姿を


その大輝の顔を見ていると

胸が締め付けられるような

すごく悪い事をしているような

そんな良くわからない気持ちだった。


夢だとわかってはいるが


言い知れない不安に襲われた。


大輝が離れていくような


逆に、若葉が大輝から離れていくような


だんだんと怖くなって

目が覚めたのだ。


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