第20話 若葉の不安?

若葉は、

夏祭りを楽しみにはしていた。


中学生になってから

大輝とあまり遊んでいない、

みんなもう一緒だが

久しぶりに、一緒に遊べるのだ。


気合いを入れて

浴衣を着て見た。


「大輝にお姉ちゃんの可愛さを見せつけてやる!」


なんて思いながら。


大輝が迎えに来るのを

ワクワクして待っていた。


インタフォンがなり

大輝が来た。



玄関から元気良く飛び出して


「どう?似合うでしょ!」


と、言ってドヤ顔をした。


「すごく可愛いよ!」


大輝が言ってくれた。


「よし!大成功!」


と、心の中で思い


「ありがとう!大輝!

じゃ、行こっか!」


と、言って集合場所に向かった。



二人で歩きながら

若葉は、上機嫌だった。


久しぶりに大輝

遊びに行ける事と

さっき褒められた事が

嬉しかったからだ。



上機嫌のまま話していると

あっという間に

集合場所に着いてしまった。


集合場所に着いてからも

友達みんなに褒めて貰えた。


更に上機嫌になって

祭りの会場に向かった。


そこからは、大輝と

ほとんど話せなかった。


他のみんなに話しかけられ

面白おかしく話していたので

気にもしていなかった。


移動しながら出店を見たり

みんなで、かき氷を食べたりと

とても楽しかった。


大輝の事は、途中で

チラッと見ていたが

他のみんなと楽しそうにしていたので

安心して楽しむ事にしたのだ。



楽しそ時間はあっという間に過ぎ

花火が始まる時間が近づいていた。


みんなで、花火が見える場所まで

移動していると

人混みが激しくなってきた。


いつもより

テンションが上がっていた若葉は、

前に止まっていた人に

気が付かなかった。


少しぶつかって、足を挫いてしまったのだ。


「痛っ」


ちょっと声がでてしまった。


ちょうど隣を歩いていた

白石君がすぐに気づいて


「大丈夫か美咲?」


と、言って来てくれた。


思ったより痛かったので

顔を顰めてしまった。


すると


「あっちのベンチまで行こう。

背中に乗って。」


と、言って来た。


みんなが気付いて

心配そうに寄ってきたので、


「大丈夫だよ!」


と、言ったものの


「無理しちゃダメだよ!」


と、また白石君に言われ


みんなには、

花火を観に行って貰えるように伝え

白石君に甘えることにした。



みんなに心配をかけたくなかった若葉は、

急いで背中に乗せて貰ってベンチまで向かった。


ベンチまで背負ってくれた白石君に

お礼を告げ

ベンチに座った。


背負われていた事に

恥ずかしくなったのか

顔を真っ赤にしていた。


「白石君も花火観に行って大丈夫だよ!」


と、伝えてみたが


「怪我してる女の子一人に出来ないでしょ!」


と、笑いながら言ってくれた。


申し訳なかったが

安心もした。


流石に一人では心細かった。



「ちょっとだけ待ってて!」


と、走って行ったが

すぐに戻って来た。


「ハンカチ濡らしてきたから

少し足冷やして!」


と、ハンカチを渡してきたのだ。


「ありがとう!」


「でもごめんね。

ハンカチ使わせちゃって。」


と、伝えると


「洗って返してね!笑」


気にさせないように言ってくれた。


思わず笑ってしまった。


恋愛の事は、

まだまだわからない若葉だったが。

流石に、女の子にモテる事がわかった。


こんな事を自然にできて

しかもイケメンだ。

モテるはずだと。


少なからず、女子の会話で

白石君の名前は出ていた。



若葉は自分がモテている事を

自覚していないが

中学では


若葉が女子で一番人気があり


男子は白石君が一番人気があった。



足の痛みも治まってきた。

ベンチに座りながら

花火を少し見る事にした。


白石君は隣に座っている。


花火を観ながら若葉は、


「前回も大輝、隣に居なかったなぁ」


なんて思っていた。


そんな事を考えていると

いつに間にか花火が終わっていた。



みんなが来るまで

ベンチに座り白石君と

お喋りして待った。


白石君の話は

おもしろい。

楽しませようとしてくれているのが

良くわかった。

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