少年篇(5)高2『女』 NHK‐FM「烏丸せつこのサウンド・ストリート」」

 今夜のサウンドストリートの水曜日は、浜田省吾をゲストにした回で、大変面白かった。あの烏丸せつこが浜省ファン、というのは意外だったが、二人の掛け合いを聴いていると、本当に、浜省を好きなんだな、と思えた。そして、浜省は、おそらく、鼻の下を伸ばしながら話していたんだろうな、って。


 烏丸せつこが甲斐よしひろの後継としてDJの役に就いた去年(1980年10月)からしばらくは、この番組は荒れ模様だった。読まれる葉書の文面は冷ややかなコメントばかりで、烏丸せつこは、その一枚一枚を丁寧に読み上げ、丁寧に噛みついていた。


 大体において、甲斐よしひろの後継に、映画界以外ではほぼ無名の彼女が就いた時点で、俺らリスナー(の多く)ははしごを外された感を味わい、そして、彼女を採用したディレクター(湊剛)に首を傾げ、そして、後に、甲斐よしひろとはまた違った起爆剤、というか、地雷というか、そういうものを持った女性なんだということを知り、そして、番組内で、導火線に火を点け、ちゃんと着火して爆発し…というのが毎週繰り広げられている。

 しかし、ここのところ、特に女性リスナーから烏丸せつこを擁護するような葉書が届くようになった(読まれるようになった)。そんなときには、烏丸せつこは素直に「ありがとうね」と返しているが、語尾には、『でも、負けないから…』という意味合いの言葉を添えている。


 俺は、雑誌で彼女の素晴らしいプロポーションを垣間見た程度で、彼女の出世作の映画「四季・奈津子」も観ていないけれど、最近は、もしかして、俺に「女」を感じさせた最初の人じゃないか、と思う。

 ベイビーフェイスに日本人離れしたプロポーション、しかし、それを武器にすると思いきや、負けん気の強い性格と、物おじしない物言いこそが彼女の最大の武器だと知り、すっかり引き込まれていった。湊剛は、それをも読んで、彼女をこの水曜日に抜擢したのかもしれない。


 しかし、浜省も、こうやって聴いてみると、なかなかいい曲のように聴こえる。もしかして、高校帰りの汽車で歌うナンバーの候補になるかもしれんな…




*ということで、主人公は、自宅アパートから歩いて3分の高校の受検をあきらめ、鉄道を二本使って1時間半掛かる公立高校に進学したのでした(^^;


*浜田省吾7枚目のアルバム「愛の世代の前に」から多くの曲がこの番組で流された記憶があります。




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