第8話 様こそ着けてるが神様相手に完全に友達口調

「あのさぁ、俺は現し世のタダの人 

 なんで神様の愚痴をここまで聞かないといけない

 まぁ泰山様はご近所だけど、そこは割り引くにしても1時間は長い」

と泰山様の愚痴をブチ切ってガスレンジに向かい、アラ煮の具合を確認


少し摘み食いして「うん OK」とそのままにして、昆布醤油に漬けた柵を一柵だして

尺の鋼の柳刃で引く 「うん いい感じだ」納得して

柳刃を洗い 拭き取り 乾燥させる

「泰山様 陶器は持てますよね あら煮を持って 俺は漬けのお造里を持ってく」

神様を自分の手下のような物言いで使う


座卓にアラ煮と漬けのお造里と取皿が並ぶ しかし箸がない


「大丈夫です 割り箸なら山ほどあります」泰山様が風呂敷包みをだす


思いっきり 封印の御札が貼ってある風呂敷包み 怪しさ満点


「おい これって 件のくじ引きの割り箸か」訊くと


「そうです 処分を押し付けられました こんなの現し世に放置できないし

 出雲にもステ場がない 困ってます 

 神の私と友達言葉で話せる、高崎さんなら使えます」


「そんなん 上司相談しろよ 今の上司は七王子様だろ すぐ近くだ」


「七王子様は。。。泰山さんが受けた仕事で」強烈な他人事で言われたらしい


「泰山様 俺に使えって、使ったら 燃えるゴミで良いのか」


「それはダメです ちゃんと納めないと」


「それって正月のどんと焼きでいいのか それならやってやるが」


「いえ、末社にお世話になってる身としては、七王子様にご迷惑は」泰山様


「はい? 本社に迷惑?」


「神々の希望 との神通力がモロに籠もって普通のトコでは ましてやです」


「おい泰山様 そんな扱いの難しい割り箸を普通に使うとかあかんやろ」


もう、今日は「おい」の連発 それほど「おい」なのだ

様こそ着けてるが神様相手に完全に友達口調


「そんな箸は使えないな」とコンビニで貰った割り箸の余りがあるはずと

探すと10膳位はある 一掴み持って座卓へ戻る

泰山様が不振な動き 封印付きの風呂敷包を座卓の下に隠してる

不審じゃなく ドラゴンズ並みの不振 哀愁が漂うので無視するしかない

開幕で大不振だったタイガースが三位だ!ビールが美味い!


まま、もう一杯と泰山様にビールを勧めて、漬けの刺し身を食う


「うん、2時間しか漬けてないが、それはそれで 明日が楽しみだ」

アラ煮も「うんうん なかなか」と食べ 二人居れば食べ切れる


煮汁は明日も使えるので冷蔵庫にしまう

食って呑んで、玄関まで泰山様を送り、片付けをして、シャワーを浴びる


さてとPCのある居室に戻ってと、インスタは蝿てるかぁ と見てみる

魚の写真にはいいねが30もついてる

俺の着物の写真には3つなのに

コメントも褒め言葉が並ぶ

よし、魚捌き系で行けばいいねが貰える 滑らない と発見する


コメントで

「鷹さん ガチの平成の料理人?」と来ていたので

「昭和な 天ぷらは苦手 海老天の飾り衣が出来ない」とレスを居れておく

そのまま寝てしまい 翌朝5時起床 ちょっと先にある松屋でモーニング


お向かいのお爺さんが出て来るの待ち、朝の挨拶をして一緒に祠に行く

榊の交換用の水は、水筒に入れて持参しているので、その場で交換


「拓海(藤原ではない)さん なにかこの祠 感じませんか」訊いてみる


「いや、七王子神社の末社 うちの町会の祠で代わりはない」との回答


この辺一帯は町中一族と水田一族が多い なので名字では無く名で呼ぶらしい

俺は売れ残った建売をゴネで値引きして貰って引っ越してきた組なので

最初は、ええだけの年上を名前呼びとか と抵抗があったが 

町会の寄り合いとかに引きずり出されて、名字で呼ぶと4人位がこっちを向く

名前呼びが正しいと、町会の生き字引の拓海さんに詳しく教えてもらった


町会の生き字引の拓海さんはもう40年以上この祠の榊も水換えを毎日している

10年くらい前に、夜中にヨッパで溝にハマって呻いてて

俺とかで消防のレスキューと救急車を呼ぶハメになった時はだけは

拓海さんの奥さんが変わりにやった程度だ


その拓海さんは感じられない

拓海さんがしょぼいのか? 泰山様がしょぼいのか? と考えていると

泰山様が化現してくる 

だが、拓海さんには見えない

俺がベトコンを食ったのは一昨日 もうニンニクの臭いもしない


とりあえず、人の世が大事なので、泰山様を無視して拓海さんと世間話


「ワクチンの代理予約程度であのお礼はない 5分で済む

 次回以降はあっても500の缶ビール2本まで」申し入れをするが


「そうは言っても、この年寄り 電話しか使えず繋がらない ええだけ苦労した

 高崎さんだから5分で済むが、儂ら年寄りでは一日仕事

 それをやって貰っててると考えるとあのお礼は正当どころか安い」返される


これどっちの言い分も正しい どうすべぇと考えてると


「年寄りの言う事は聞いておきなさい」泰山様


「拓海さん 貰いすぎてるんで 大ハマチの漬けを造ってる 夕方皿持ってきて」


「ほう、高崎さんのは旨い ありがたく頂く 夕方行くわ」となり散開する


「なぜ、皿をもってこいと」泰山様


「そんなん、俺の家の皿で渡したら、お返しでまた何か載せてくる

 水田の本家に配ったら、爺さんが掛けてきた鮎が載って帰ってきた

 面倒にならないように、皿を持ってきて貰う そうすれば行くだけだ」

そうオフショアにハマってた頃、庭の水道の所で捌く


ご近所に丸見え しかもでかい奴だと食いきれないから配りたいから見せて配る

お隣には、丸のハマチ三本渡したら、捌けなくて魚屋で有料で捌いてもらったとか

二度と配れない 以降捌けるか確認してから配るようにしていた


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コロナワクチンの予約 

高齢者はご近所なり、子供・孫なりで代行して貰うのがいい

作者は高齢ご夫婦のみのご家庭のを何軒も代理で予約している

そして作中の会話となりました

ネタで使わせて貰います 拓海(藤原ではない)さん

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