第7話 刃物鋼は日立安木に限るが、もう会社がない
スーパーに寄って、夕食とビールを買って、家に帰ってインスタのチェック
やはり悲しい結果に変化はない また滑った
スーパーの魚屋は進化しるのに・・・・
大ハマチ(ワラサ一歩手前)が1300円(税抜き)と格安
まあ野〆だが1300円ならタングステンのジグの半値だしと思えば安すぎる
魚屋がサービスで捌いてくれるが、アラが貰えない
このサイズならカマとかも美味いしい、一本のまま買って帰る
さてと、庭の水道の所で捌く
途中途中で写真をとる
今日は金曜日 明日がゴミ回収日 これを間違えると腐って臭い
出刃はATS34のワンオフ 刃物業界も売れ行き不振で、頼むと結構な融通が効く
刃渡り尺の柳刃も創っては貰ったが、切れる 後始末が楽 なのだが
日立安木が売り飛ばされて鋼材が生産中止だ
止まる前にそこら中の問屋に当たってもらって必死で探して、作って貰った
#12000まで研いだ鋼の一発の切れ味には敵わないけどね
今日は、昨日のうちに頑張って研いだ尺の鋼の柳刃で行ってみよう
こいつも白紙2号で、一緒に探して貰って作ったやつ
ジジイには、刃物鋼=日立安木なのだ
しかし、生産中止どころか会社ごと売り飛ばされていはどうにもならない
武生特殊鋼材や愛知製鋼も頑張ってるので、次はそっちで工房と相談になるなが
今の包丁達を研ぎ直して使えば、死ぬまで使えそうだから安心だ
昆布水と昆布醤油も5日目のが冷蔵庫にある
柵まで創って、バットに入れて昆布醤油にひたして写真を取って
冷蔵庫に放り込んで、あら煮を作り出す
これがまた高い みりんが高いんだ 酒は純米酒 55%の可
アラ煮専用となった、3人前用の土鍋にみりん・酒・昆布醤油・昆布水を
放り込んでひと煮立ち、しばらく冷ましてる間に インスタに上げる
アラを放り込んでひと煮立ちして、冷ましていく
さて、時間が出来たので 祠に行ってみる
夏の移動 と 割り箸 を訊きたいのだ
二礼二拍手一礼をして「泰山様 夕食で大ハマチとかどうですか」と祠に話しかける
とうぜん、360度 人が居ないことを確認してだ
「よろしければ 玄関までおいで下さい」と言い残し家に帰る
帰ると行っても30mしかないが
玄関に到着すると泰山様が居る 普通に見える
リビングに通して、俺は暑いのでもうビールを飲んでるし
神様だしとワンオフの大きめのぐい呑で可を振る舞う様に一升瓶を出す
「そちらの冷たく泡立つのが」泰山様
おいおい、日本の神様だからわざわざ冷やした可を、お神酒にだしたのに
と、思ったつもりが 全力で声に出てたみたいで
「最近は、奉納でビールも多く、特に夏はビールです」と申し訳なさそうな泰山様
「声に出てた? それとも心を読まれた?」訊くと
「思いっきり声に出てましたし、全力で顔にも出てました」泰山様
もう黙って、可を冷蔵庫にしまい缶ビールを2本出して座卓に置き
ガスレンジのアラ煮の鍋に火を入れ3分のタイマーを仕掛ける
なかなか呑み始めない泰山様
「どうしたんです 泰山様 呑んで下さい」声を掛けると
「缶が持てない開けれない 注いで頂けなければ呑めません」糞我儘を言い出す
「いやいや、缶ビールはプシュってやるのが楽しみなのに」言いながら
しかたなく缶を開け、マグカップに注いでいく
「陶器はいいのか」もう敬う言葉では無くなりながら訊くと
「それはすぐ側に 陶器の産土神の神様もみえる土地ですし」軽い回答
「まぁいい 乾杯をしよう」俺は3杯目だが
乾杯を済ませると3分経ってアラームがなる 鍋を見に行きもう一分とセット
そのままガスレンジの前で待つ いい感じに炊けてる アラームで火を消し冷ます
とりあえず買ってきた冷凍の枝豆を水にさらして解凍して皿に盛って
ボールと共に座卓に持っていく ビールも追加
「枝豆は買ってきた 冷凍だけど意外と美味い なにより便利だ」勧める
「高崎さん 大ハマチはどうなってますか」泰山様
「今造ってる最中だ もう少し待て」
「魚をサラッと捌いて、高崎さんの実家は料理店さんなのですが」訊かれる
「ああ、高校の時のダイビングの師匠にな さんざんやらされたからな」
「高校生でダイビングなんて金持ちなのですね」
「金なんて無いよ 弟子入りだ 飯と酒の飲食はあったがバイト代はなし
俺、金払って潜ったのは2回だけ 後はロハか貰って潜ってた
潜水士もあるしな」
「それってなんです?」
「一応 日本国が 持ってないと仕事で潜ってはいかんよ と認めてる国家資格だ
17で受験して受かった 今は下限年令が18になったらしい」
「俺の話はこの辺で この夏の移動 と 割り箸 を訊きたい」
「10月に神様が出雲に集まるのは知ってるますよね
そこで、100年に一回 移動の話が出ます 神々も同じ場所ばかりでは
飽きるとか あそこに行きたいとか 収集が付きません よって割り箸
たくさん割り箸を用意して、祠の場所を書いて神様が引く」
「なんだ、その飽きたとか」
「それは100年も居れば飽きます
私は割り箸を引けたのが2回目と今回
割り箸も引けず300年も前の東尾の祠に居ました
下っ端の神は割り箸も引けない事も多いんです」愚痴になる
「それで泰山様はあの祠を割り箸で引いたと 引き継ぎで夏に移動か」
「飲み込みが早いですね」
「移動するとなるとタスクリストを作ってスケジュールを引かないと
完全に揉め事になる」
「なりました」また愚痴なる泰山様
30分位、泰山様の愚痴を訊く
「動ける神様はいいけど、動けない有名系神様はどうなん」
「そんな有名系な神様はそこら中に支社があります 勝手に動き回る
これがまた、動けない神々たちの不満爆発で」とまた愚痴を聞く
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煮魚以外でも、煮物は温度が下がっていく時に味が沁みていく
新鮮な魚のあら煮なとはグツグツ煮るのではなく
少し大きめの土鍋などの熱容量の大きい鍋でひと煮立ちして自然冷却
食べる前位にもうひと煮立ちで冷めて配膳がいいよ
ちなみに 可 を理解らなかった人はいるかな
関谷酒造 蓬莱泉 可(べし)です
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