第3話 神様と友達口調で話す
俺が古事記を何回読んでも途中で挫折するのは神様の名前が多すぎるからだ
挙げ句に、名前が一回出てくるだけで、フェードアウトする神様も多い
というか、エピソードがある神様は極少数でしかない
それでも名前すら出てこないとか気の毒だ
「すごいじゃないか ええだけの神通力の神様」
「ところが、神通力の発揮の条件がニンニクなんです
竹橋さんはベトコン好き 迷っておりましたので送りました」
「ベトコン竹橋の縁で俺のトコに来た神様 ピッタリだ 2つ訊いていいか」
「私がいきなり現れても、ビクともせずで友達口調ですし どうぞ」
「1:竹橋の関係とは理解るが 40年も経って俺の所に現れた理由が知りたい
2:沢田に聞いたんだけど、竹橋って落ちた時にさ、前転してルーフから着地
JAFも手が出せず、消防のレスキューも難しくて
クレーン車が入るまで=そのまま朝までだったと
そうなると、因果物語の逆さ幽霊みたいに逆立ちしてないとおかしい」
「高崎さん 一番目のは解ります 二番目の質問はなんですか」
「二番目の逆さ幽霊は説明が必要だから一番目からだな
狩衣の神様は、どうらや竹橋が迷って現し世に出てきた時に縁を結んだ
ここまでは理解った
後は 俺のとこに来た理由は訊いておきたいだろ」
「ああ、それは訊かれると思ってました
偶々です、高崎さんの家の30m隣に祠がありますでしょ
この夏の移動で、神組合連合の割り箸でそこに移動になって引っ越してきました
見てみると 高崎さんが居る ベトコン好きの竹橋さんが迷ってる
心残りのベトコンを高崎さんにお願いして食べて貰い天界へ送りました」
「地獄じゃないんだ」
「地獄での修行を終え、天界に登る途中でベトコンに行きたかったようで私の所に」
この夏の移動? 神組合連合の割り箸? 余計に疑問が増えた
「おい 余計に疑問が増えたぞ
まぁいい 二番目の逆さ幽霊の説明な
因果物語と言う江戸初期の片仮名本が元ネタだ
平仮名本 絵草子 仮名草子と種類があって色々ある
ざっくり今で言うと同人漫画だ 怖いのからエロいのまで何でもある
最古の二次創作の源氏物語絵巻だって原作から漫画化だし
日本の漫画の歴史は古い」
「元ネタまでは理解りました 逆さ幽霊とは、その因果物語に出てくるのですね」
「流石、神様 察しがいいな
河原に女の幽霊が出てくるんだが、逆立ちしてるんだ
出会う人達に 一生懸命、事情を説明しようとするが
幽霊だわ それも逆立ちした女 当然逃げる
まあ幽霊じゃなくても女が逆立ちして話しかけるの時点で逃げるわな」
「なんで逆立ち? ここからですね 黙って訊きます」
「旦那と愛人に邪魔にされて、埋められるんだ それも頭が下の逆立ちで
なので幽霊となって出てこれても 逆立ち
竹橋だってシュロスの四点で逆さ吊りで朝までだったんだ
そりゃ 関連する神様も 逆立ちして貰わないと」
「高崎さん 貴方は本当に、訊いた通り碌な事を考えてない いい歳のはずですが」
神様に 思いっきり呆れ返られる
「そもそも、真っ当に考えてたら 学生の時に竹橋とベトコン通いはしていない
今だって、自称神様の、この世の者ではない狩衣と普通に話をしてるしな
それでも、俺は大学は4年間でちゃんと卒業した 真っ当だろ」
そう、同好会の1/3は5年間 ひどいのは6年間掛かって学部を卒業していた
「それを言われると竹橋さんから聞いた同好会の惨状 救いようがない」
「だろ、認めろ 俺は真っ当だと」
絶対認めたくない狩衣 神様のくせして黙りやがった
「話を戻しますね
そもそもが、ベトコン大好きの共通点はありますが 私と竹橋さんは別人
竹橋さんも逝った時は逆さ吊りでしたが、ちゃんと棺桶に横にして入れてもらい
荼毘にもふされましたから、ちゃんと普通に出来るのです」
「そうか、因果物語の逆さ幽霊も 堀だして貰って成仏して逝ったからな」
タバコも吸い終わり、コーヒーも飲み終わり チェックインして
もう一杯 コーヒーを頂き 手に持って部屋に移動する
「ちょっと本社で寄り合いが始まりしますので戻ります」
「そうか、もう来なくて良いぞ」
「そうは言っても、祠は高崎さんの家の30mの隣ですし」と言って消えていく狩衣
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古事記の件 ホントに名前が出てくるだけの神様が多すぎて
ホントに1回名前が出てきた と思うとその先二度と出てこない
カクヨムで連載したら、名前だけだしてと非難轟々レベル
鷹さんの世代って男子18−24の年齢層で一番の
死亡原因が交通事故だった筈 そう言う時代でした
知り合いの知り合いまで広げると年に二人が逝ってたきがします
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