第六章 真相

「雨音君……」


 僕の顔を見た白崎部長は、絶望の表情を浮かべていた。自分では分からないが、たぶん僕も似たような表情をしているのだろう。

「どうして……此処に?」

「私がお呼びしました」

 黒原さんが一歩前に出る。

「私が犯人として捕まった場合、他の皆様を連れて地下室に来て欲しいとあらかじめ雨音さんに頼んでいたのです。そして、待っていました。私を殺しに来るであろう、貴方を」

 黒原さんは冷たさすら感じるほどの視線を、白崎部長に向ける。


「この別荘で起きた連続殺人。その真犯人は貴方ですね、白崎さん」

「……ッ!」


 白崎部長は、音が聞こえそうなほど強く歯を食いしばった。

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