第2話 ファントム事件簿①
「降霊術のエクステンダー、またも被害者の霊を降ろして殺人事件を解決。水流のエクステンダー、能力で近場にあった池の水を使い、工場火災を鎮火か」
ガタゴトと換気扇のファンが回る音が響くとある一室。窓際にあるデスクで新聞を読んでいた笠原雅也は立ち上がり、
「人類の新たなる可能性、進化の形。あぁすばらしきかな、エクステンダー。そうは思わないかい、理緒くん」
両手を広げ、まるで芝居がかったように、仰々しくそう宣う。
すると、雅也の対面、出入り口のドア近くのデスクでパソコンのキーボードを叩いていたメガネをかけた女性、切山理緒は、手を止め、ため息混じりに雅也に向き直った。
「所長。下らないこと言ってないで、依頼の一つでも取ってきたらどうですか?」
メガネの奥、心底呆れたような視線と言葉が雅也を射貫く。しかし、当の本人は気にした素振りもなく。いや、それどころか口許に笑みを湛え。
と、そんな時だ。
「あの~すみません。笠原相談所はこちらでしょうか?」
不意に事務所入口のドアが開かれ、セーラー服姿の少女ーー新たな依頼主が現れたのは。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます