第14.5話
「お、この辺良さそうだな」
「ね。意外と時間はかかったけど、自然溢れる場所じゃん」
「そうだな。…今思えば、俺たち車内でひでぇ会話しかしてねぇな」
「気にしないでおこ?」
「そうだな」
「うんうん。その方が良いと思うし…互いに……そ、それより」
「なんだモジモジして。ハッキリ言って似合ってねぇからやめた方がいいぞ?」
「……死んで?」
「断る。もっとお前と一緒に人生を歩みたい」
「…カウンター食らった。じゃなくて、手繋いでいい?」
「そんな事をわざわざ聞くな。俺からの約束だ、約束するか?」
「…ふふっ、そっか。なーんか緊張しちゃうんだよね。じゃあこれからは遠慮しないよ?」
「おう」
「じゃあ、えいっ」
「…手じゃなくて腕に抱きついてきたな。手繋ぐよりツーランクぐらいランクアップしてるぞ?」
「だめ?」
「アホか。いいに決まってんだろ」
「やった」
「とはいえ…今は違うが。機嫌悪い時はあまりするなよ?お前なら察知すると思うが」
「出来るよ?私が機嫌悪い時とかあんたも気付けるでしょ?」
「そりゃな」
「ねぇねぇ。機嫌が悪い時に手を繋いだらどうなる?」
「そうだな……普通にちっ、て舌打ちした後に振り解くかもな」
「酷ーい」
「まっ、もしかしたら癒しとなってストレス解消されるかもな。もしくは……あ、いや…なんでもねぇ」
「なになに?教えてよ」
「…お前なら言わなくても分かってくれるだろ?」
「うーん……っ!!せ、セクハラ!!」
「は?」
「どうせ、あれでしょ!!もうストレス解消のために私を無理矢理犯しまくるんでしょ!!」
「…ほんと、お前なぁ」
「え、あ……違うの?」
「全く違う。普通にうぜぇ…と思ってストレス解消するためにお前の夕飯だけクソ不味くす?」
「私のだけ!?酷いし、高等技術!!ーーん?」
「ん?どうした」
「……さっきの、嘘だよね?」
「何を根拠に」
「腐れ縁の勘」
「勘だけかよ」
「なに?疑うの?ならどうなのよ、嘘なの?」
「…まぁ、考えはしたよ」
「やっぱりー」
「ストレス解消のためにお前を無理矢理ベットに押し倒して、もう無理、や壊れちゃうって言っても俺のストレスが無くなるまでやってやろうって思ったが、流石にやばい奴か。と思って消し去った」
「引くわー、ドン引きもドン引きよ。……うん」
「ちょっと興味湧いてんな?おい」
「だって……」
「はぁ……緋奈。今夜少しだけ、激しくするか?」
「お、お願いします……」
「…まぁ、先に俺がくたばるとは思うから無理な話だが。なんでだろうな?」
「………ノーコメント」
「…話変えようか。…さて、と」
「話題ないねー」
「パッと出てくるのはねぇな。……よし、寝るか」
「…ゴムないよ?」
「お前本当……ぶっ飛ばすぞ」
「…あっ、普通に寝るの方ね?」
「あぁ、背もたれ倒して熱クーラー付けながら寝るか」
「そうしよっか。うん、寝よ寝よ〜。こんなところで車内とは言え寝るのは珍しい体験だし」
「そうだな」
「…くっつきたいんだけど」
「間空いてるからな…そうだな。……あ、そうだ。確か、トランクに……あったあった」
「毛布?」
「おう、これをこうして、こうすれば…ほれ」
「わぁお、凄い」
「じゃあ」
「…うん」
「「寝るか」」
「…起きてるー?」
「…すぅ……くぅ」
「…ふふっ、寝てる。達也っ、達也っ、達也っ。大好きっ、大好きっ、大好きっ、んふふっ」
「そういえば、今日って謎のムラってる日だったなぁ……早く、夜に、夜にさえなれば…ふふふ…あぁ、楽しみっ。ねぇ、達也。早く、この私の体を」
「っ……あー。ダメダメ…正気に戻るのよ。ふぅぅ」
「…よし。…我慢も良くないから今日で発散するとは言え、これは不味い………言葉でなんとかならないかな?」
「大好き、大好き、大好き、大好き……少しだけ紛れたかな?続けよ。
大好き、大好き、大好き、大好き、大好き…もう、あなたの事が大好き過ぎて、壊れちゃった。あなたのためならなんだって……は違う。
二人きりの時なら、あなたのためならなんだって出来る。離したくない大切な人、もうこれから死ぬまで…ううん、死んでもずっと私たちは一緒。離さない、離したくない……私から離れる事は絶対に許さない」
「…他の女があなたを好きになる。…まぁ、人によるかもしれないけど基本的には許さない。あなたは私だけのもの。私はあなたのもの。最高の関係よね?
ねぇ、達也。私って壊れてる。壊れてるのは分かってる…でも、それをあなたは分かってて私を愛してくれてる。それが嬉しいの。
私もあなたを愛してる。子供なんていらない……犬や猫とかのペットもいらない。
私はあなたと二人だけの空間があればいい。そこに私以外の奴が入るのは許さない、私が認めない限り、絶対に………子供も要らない。だから、その分私にあなたの愛を注いでね。
ふわぁぁ………おやすみ、達也っ。愛してる。ふふっ」
□
「…すぅ…すぅ……えへ……達也っ。それは、だぁめ。ころ、すよ?」
「…ったく、どんな夢見てやがる。あと、俺が何をしてるんだよ。怖えし」
「はぁ……起きてたんだが、起きれなかったな。あれ、は……な」
「なぁ、緋奈。お前はそんなに俺のことが好きなんだな。やっぱり長年気付かずにいた想いってのは中々消化されないもんなんだな」
「…お前が子供が欲しくないなら俺も頑張るからよ。二人きりの時間が欲しいってならなんとかする……お前のその重たすぎる愛を全部受け止めて、余すことなく平らげてやるよ」
「いくらでもいいから、お前の愛を俺に食わせろ。しっかりとお代は返すからな。さて…俺も寝るとしようか。
おやすみ、緋奈。愛してるよ。世界一、な」
◆◆◆
「…んんぅ……ふぁれ?……あっ、そっか。…ふふっ、達也の寝顔っ。可愛い。あっそうそう。
どうせ、あんたが起きてることは知ってたのよ。だから、私が本当に寝た後に何言ってたのか録音させてもらったわよ?…ありゃ、めっちゃ長いこと録音してるってことは結構寝たんだ。まぁ、いっか。何言ってたのかな?再生っと」
ーーー
「…ふぁぁ……ぁぁ、もう好き。好き、好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好きふ好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き……大好き」
「あんなの言ってくれるとは、嬉しい〜。…達也ぁ〜、起きてー」
「ん……くぅあぁぁ……んぁ?」
「…間抜け顔」
「あ?」
「そんなことより、大好きっ!」
「んがっ!?…寝起きに抱きついてくるな。どうした?」
「嬉しい事を達也が言ってくれたから」
「嬉しいこと?」
「これっ!…ポチッとな」
ーーー
「ちょっ!!お前っ!今すぐそれを消せ!」
「いーやっ!やだやだやだ!こんなに嬉しいのに消すなんて!」
「黒歴史だ!消させろ!」
「だぁめ。…ふふっ、美味しそうな首元〜。あむっ…」
「ひっ!?」
「ふふっ…あむあむ…」
「おいっ」
「ぷはっ…出来たっ」
「何が…あ!!まさか」
「何て言うのか知らないけど、噛み跡」
「…なら俺もやってやろうか?」
「大丈夫。私にはこのボイスがあるから」
「……代わりの声録音させてやるからそれ消させろ」
「だめ、演技でもない本当の心の声だもん。これ」
「う……」
「…それより、ねぇ達也。私って重いでしょ?」
「体重か?」
「…この声を朝から爆音で流すわよ」
「ほんとにやめて下さい……それしたら、お前…授業ある日だけ行かないように拘束するぞ」
「それは困る……って、冗談は置いといて」
「そうだな。さて、たしかにお前は重い」
「うん…」
「だが、それでも録音されてるように俺はそれを受け止める。大好きだからな」
「うん…知ってる」
「…はい!こんな話はここまでだ。俺のキャラじゃねぇ」
「…えーー」
「緋奈」
「なによ」
「…帰って、色々やることやってからベットでな?」
「うんっ」
「…お前、さっきみたいな事言ったら露骨にテンション上がるよな」
「…ノーコメント」
ーーオマケ
「…バルサン臭いー」
「仕方ねぇことだ。…さて、ゴキちゃん居るかな」
「探しましょっか」
「おう」
「…で、結果2匹も居たと」
「ねー、死んでたけど」
「……ゴキブリ捕るあれ、あるじゃん」
「なんだっけ?でも、あるね」
「それ買っておくか?」
「ありありのあり」
「よし、今度買いに行くか。……少しバルサンの匂い残ってやがるな。窓開けるか」
「了解!」
「…これで、よし。あとは洗えるものは洗って、洗えないものにはファブっておけばいいだろ。それじゃあ行動開始せよ」
「イエス・ボス」
◆◆◆◆
「さて、と…飯食うか。洗濯機は回してる、よし…んじゃ」
「「いただきまーす」」
「……あれ?なにか言いたいことがあったんだけど、なんだったけ?」
「俺に聞くな」
「めんごめんご。…まぁ、いっか」
「また思い出したら言ってくれ」
「うぃ」
◆◆
「あー、明日は月曜か。嫌だな」
「それはもう逃げられない。…ふわぁ、眠い」
「なら寝ろよ」
「……一緒に寝たい」
「…そろそろデカいベット買わないとなぁ。…俺は眠くないけど」
「…ねぇ〜。寝よ?」
「……もう少しだけ待てないか?」
「無理。もう目が限界」
「…はぁ。仕方ないな」
「やった。んっ」
「なんだその手」
「運べ」
「自分で歩け、ほら行くぞ」
「強引だなぁ……しゃーないわね」
「どの口が……よいしょっと」
「それダイブ!」
「…すげーベット揺れたな。重くなったか?あと、眠たくねぇだろ」
「…寝よっか」
「逃げたな…」
「おやすみっ、達也」
「おう、おやすみ」
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