第14話



「ゴキブリが出たぞー!!」


「なに?それは真か?」


「出たのよ!!」


「よし…」



「「ぶっ殺してやらぁ!!!」」






「はっはっは、どこへ行こうというのかね」


「ム○カ大佐!?いや、ちぃっ…どこに行きやがった」


「逃げても無駄だ?お前という存在は必ずこの私が世界から消し去って見せよう」


「あの一瞬で死を察知して逃げたか…だが、お前の死は既に確定してるぞ」


「3分間だけ待ってやろう。…よし、達也ー。バルサン用意するわよー」


「めちゃくちゃ卑怯だか。…いや、まぁ…そうだな。そうするか」


「用意するね?」


「了」




◆◆◆




「当分家には帰れないな」


「だね。どうする?車だからある程度のところには行けるよ?」


「俺が運転してるがな?……そうだな。ネカフェでも行ってゲームするか?」


「あり。あの狭い個室で二人きり…だね」


「はいはい、そうだな」


「…あれ?冷たくない?」


「いや…そんなネカフェで二人きりになるくらいなら、どこか人がいない所まで車を走らせて、車内でイチャコラすればいいだろ」


「発想がもう、変態」


「は?お前が言ってきたんだろ。禁欲もそろそろ限界が来たのか?最近言動が暴走時みたいになってきてるぞ?」


「マ?うーん…そんなつもりはないんだけど」


「じゃあ、ストレスか?」


「ストレスは違うかな?…その、ただ甘えたいだけ?」


「そうか。なら、どこか人がいない所まで車を走らせるか?」


「ラブホとかは?」


「金かかる」


「…そだね。今の季節だと車内にずっと居ても余程の事がない限り熱中症にもならないし。そうしよっか」


「おう。まっ、結構時間かかると思うから寝たかったら寝ていいぞ?」


「嫌よ、話しましょ?」


「おう。話題はそっちで頼むわ」


「ん。…そうね、4日に一回くらいの頻度であんたと色々したい欲求が最近現れるのよねー」


「そんな病気の症状みたいな言い方すんな……やっぱそろそろ発散させた方がいいんじゃねえか?」


「…でも」


「禁欲中だからってか?我慢する方が体に悪いぞ?」


「そっか……うん。ねっ、達也」


「いや…今日は無理だぞ?」


「え?」


「明日、授業もバイトもあるしな。明日なら出来るぞ?」


「うーー、嫌っ」


「子供か」


「大人よ」


「そうだな。で、なんで嫌なんだ?」


「今日したいの。明日はもうそんな気分じゃなくなってる気がする」


「そうか」


「ダメ?」


「……赤信号、か」


「ん?信号のこと?それとも別の意味?」


「緋奈」


「なに?ーーんっ……」


「…っはぁ」


「…な、な……急に何を?」


「続きは今夜な?」


「っ!!………はぃっ」


「…乙女か」


「…さっきまでの雰囲気返せ」



「はっはっは。まっ、今夜は楽しむか?」


「もちのろん」


「はいよ。あっ、緑に変わった」


「はっしーん」


「出発進行ー」


「目的地は不明〜、不明」


「お降りの際はドアのロックを解除するので飛び降りて下さい」


「いぇーい」


「いぇーい。……はい」


「はい」


「んじゃあ、次の話題を」


「そろそろ公開される映画なんだけど、一緒に見に行く?」


「うーむ。まぁ、行くか」


「やったー。危うくボッチで行く所だったよ」


「行けば?」


「え?」


「冗談、冗談」


「まぁ、ボッチに慣れてる私にはそれほど苦じゃないんだけど」


「悲しいな……って、おい。俺がそばにいただろ」


「っ!…今のはドキッとしたよ」


「そうか。何にドキッとしたんだ?」


「普通に、俺がそばにいただろってセリフに」


「へぇー」


「…私はあんたに助けてもらったことは何回かあるけど、私があんたを助けた事…なんかあったっけ?」


「今だから言えることだが…」


「んー?」


「今だから言えるが…そばにいてくれた事が一番嬉しいよ」


「っ……そういえば、あんたってそんな奴だったわ」


「?」


「私ってあんたをドキドキさせたことある?」


「あるぞ?案外な」


「…ほんと?」


「あぁ。まず、慣れ始めの時は常にドキドキしてたし…そして、慣れてきてからでもたまにドキッとさせられたし、ドキドキさせられてばかりだぞ」


「そうなんだ。…例えばー、私が今胸チラさせたらドキドキする?」


「?無いものをチラッとさせられても」


「……えぇ、我慢よ私」


「おや、珍しくキレないんだな」


「もちろん。だって、無いものをあんたは楽しそうに触ってたんだもの」


「……はぁ。俺の負け」


「アイアムwinner」


「まぁ、言い訳にも聞こえるかもしれんが」


「言い訳やめろー」


「言わせろ」


「ふふふっ、それで?」


「お前だったら何でも愛おしいけどな」


「……」


「まっ、そういうわけだ。後は自分で考えてくれ」


「ん…」


「…口元がニヨニヨしてんぞ?嬉しいのか?」


「っ!!……まぁ、ね」


「…乙女かよ」


「乙女よ!!!」






ーーオマケ



「…そういえば、私だったら何でも愛おしいって言ってたけど…つまり、私の体は全部愛してるの?」


「まぁ、意味は間違ってないな」


「そうなんだ。じゃあ……(規制)や(規制)…他にも(規制)とか…出来るの?」


「……お前、マジでよ。マジで、死ねよ」


「なんで!?」


「エロガキがよ」


「………うぅぅぅ」


「否定しないってことは…そういうことだな」


「だって、やられてみたいもん」


「…キメェ」


「死ねよより酷い!!」


「いや…普通の反応だろ」


「キレるよ?」


「はぁ……なぁ、緋奈。さっきのクソみたいな発言は絶対しないからな?」


「……残念」


「その代わり」


「?」


「普通に満足させられるようにしてやるからよ。…覚悟しとけよ?」


「っひゃい……」

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