第13話




「おはよぉぉぉ…」


「死んでるなぁ」


「眠いよぉ…」


「そうかい」


「なんで今日に限って朝から授業がぁ…」


「ドンマイとしか言いようがないな」


「…ふわぁぁ。眠気覚ましの何か欲しい」


「何か、って……うぅむ。山葵わさびでも買うか?」


「食う……って、待って!!」


「おっ、起きたか?」


「起きるわよ!なんてもん食わそうとしてるのよ!」


「目は覚めるぞ?」


「怒りも目覚めるわよ!」


「そうか。おはよう緋奈」


「ん、おはよっ達也」


「んじゃ、朝食食べるか」


「あい!」





「んまー、んまー」


「…語彙どうした。まだ眠たいのか?」


「かもね。眠たいとどーしても変な事言っちゃうからヒヤヒヤしてる」


「変な事か……反応は鈍い事くらいしかないとおもうが?」


「そう?気のせいかな」


「あー、でもたまに起こした後、ベットから起き上がる時にうにゃーって言ってるけどな」


「恥ずっ」


「そうか?」


「…いや、常に言ってるか」


「そうだな。猫のカチューシャでも付けたらどうだ?」


「恥ずかしくて爆発するかも」


「体が?」


「うん。別にいいんだけど…そーいうのはまた別の機会にしよ」


「あ、いいんだ。まっ、あいよ。覚えてたらな」


「ん」


「それはそうと、明後日て休みだよな」


「…多分?うん、休みだよ」


「デートしね?」


「ふぁ?……いいわよ?」


「ふぁ」


「ぶっ飛ばすわよ。…突然のことに変な声出ちゃったわ」


「はははっ。ふぁ」


「しつこいわよー」


「すまんすまん。で、だ……デートだけど何も決めてねぇ」


「えーー。…もし無理ならお家デートってやつでもいいわよ?」


「日頃やってんだろ」


「そっかぁ…私は別にあんたと居ることさえできたらなんでもいいわよ?」


「嬉しい事言ってくれるねぇ」


「……」


「おっ、自分で言ってて照れてるな」


「…そうよ。何か悪い?」


「いや?可愛いぞって」


「そっ、ありがと」


「もっと正直になってもいいんだけどな……あー、でも少し前のお前なら、暴走してたお前ならとんでもない事言ってたからやっぱ無しで」


「……えいっ」


「っ…おい、足」


「なに?」


「後で、どうなってもいいんだな?」


「別にいいわよ?…あっ、でもちょっと待って。何するつもり?」


「その時のお楽しみってやつだ」


「……まぁ、いっか。えいえいっ」


「地味にうぜぇな」


「酷っ、恋人で超絶ウルトラ美人の生足なのよ?」


「そうだな。蹴り飛ばしてやろうかと思ってしまったよ」


「怒ってるじゃん」


「怒ってはない。…まぁ、勝手にしろ。俺が食べ終わるまでな?」


「はーい。…えいえい」


「……ちっ」


「怒ってるよね?」


「怒ってない」


「……」









「さて、緋奈。仕返しのお時間だ」


「え、もう少ししたら行かないと行けないんだけど?」


「ダメだ」


「えっ…」


「仕返しだ。ほれっ」


「わわっ………ねぇー、遅刻しちゃうんだけど」


「ダメだ」


「もぅ……」


「ははっ、俺も申し訳ないと思ってるけどな。お前があんな事してきたんだから、ついな…なんかこう……分かんねぇわ」


「分かんないんかい。……って、本当に遅刻しちゃう」


「……あぁ」


「ねぇー!」


「…仕方ない、また帰ってきたら続きな?」


「……うん。楽しみにしてる」


「おう。行ってらっしゃい」


「行ってきます」






ーーオマケ無し

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