第9.5話(表)
「お待たせー」
「おはよ、緋奈」
「うん。おはよっ、さーちゃん」
「…?朝からいいことでもあったの?」
「なんでー?」
「なんか嬉しそうな感じがした」
「うーん…今日さーちゃんと遊ぶ事が楽しみだったから?」
「嬉しい事言うわねー」
「あと、朝に達也に揶揄うつもりで行ってきますのキスして〜って言ったら、ほっぺただけどしてくれたことかな?」
「…さっきの言葉撤回するわ。絶対それよね?」
「そうかも。…でも、さーちゃんと久しぶりにこうやって遊ぶのはとっても楽しみだったのは間違いないからね?」
「…そういうことにしとくわ。……それにしても、最近の緋奈。本当に幸せそうね」
「そう?」
「自覚なし?」
「…自覚あり」
「なんで嘘つくの?」
「だって…自分で今幸せだなぁ、って言うの恥ずかしいじゃん」
「…どうせ、達也君とはイチャイチャしてるくせに。絶対そっちの方が恥ずかしいでしょ」
「なんで知っ!?……そろそろ行こっか!」
「ふーん、してるんだ。イチャイチャ」
「言いふらしたら…さーちゃんのある事ない事、大学内に広める。どんな手を使っても」
「さて、そろそろ行きましょ。時間はあるけど有限よ」
「そうね。行くとしましょう」
「「ふふふっ」」
◆
「ねぇねぇ、この服どうかなー?」
「うーん、緋奈には少し大人過ぎる…コホン。いいんじゃないかな?」
「ちょっとどう言う意味か教えてくれる?ねぇ、大人過ぎるってなに?私が子供らしいってこと?」
「あんたが子供だったら私なんて赤ちゃんよ。あんたのその体型…ほんと羨ましいくらい細くて」
「なに、煽ってるの?遠回しに、ねぇ。胸寄越せ」
「あんたは無いものね」
「あるから!」
「どれくらい?」
「………夜道に気を付けなさい」
「怖いわよ!そんなに欲しいのなら達也君にでも揉んでもらいなさいよ!」
「無理なのよ!あいつ…ヘタレだから」
「そうなの?」
「うん。断ってくる。ちゃんとした理由言って断ってくるんだけど…あんなの、逃げてるだけだからヘタレなの」
「本人がいない所で…ヘタレなら逃げ場がないようにしたらできるでしょ」
「それは…ちょっと、恥ずかしいじゃん。そんな場面…」
「あんたも大概よね…もう、そんなの明日休みの日とかにさー、夜とかに下着同然のネグリジェ着て夜這いすればいいのよ。それで抵抗するようなら、無理矢理しちゃえば達也君でも諦めて……ふふふ」
「その笑いなに!?…って、そんなことしないわよ!」
「でも、確実よ?」
「むっ……。む、むり」
「…本当に、いいの?」
「にゃ………ちゃ、チャンスはいつでもあるし」
「逃げるんだ」
「…やってやるわよ」
「(…チョロ緋奈ちゃん)」
「襲ってやるわよ…あんなヘタレ野郎。ぶちぶちにしてやるわ」
「…襲うの意味違うんじゃない?」
「どうしてやろうかしら」
「……やり方間違ったかな」
「…よし」
「まぁいっか。ねぇ、緋奈。感想聞かせてー?」
「何言ってんの?言うわけないでしょ」
「冷たい!!」
「…普通に言うと思う?」
「……うん、ごめん」
「それよりも早く服買お?」
「あ、そうだったそうだった。うん、買お」
「…ネグリジェ、そんなのなくても私の持ってる服で勝負してあげる。待ってなさいよ」
「ゴム持ってるの?」
「ない」
「…買いなさいよ?」
「分かってるわよ」
「ならよし。なら少し時間使いすぎたし早く決めてお昼食べよ?」
「りょ!」
◆
「ねぇ、さーちゃん」
「うん」
「その手に乗ってる小瓶は何?」
「び、から始まる魔法の瓶」
「……叩き割ってやる。そんなもの」
「わー!!ダメダメだめ!地味に高いんだから!この媚薬」
「なんでそんなのあるのよ!しかも、地味にラッピングもされてて…一瞬お洒落なお酒か何かかと期待したのに」
「残念〜。はい、プレゼント」
「へ?」
「少しでも、ね。上手く進むように」
「……はぁ。ありがと、素直に受け取っておくわ」
「珍しい」
「どういう意味よ。私だってあんたが善意で用意してくれたものを受け取らないのは流石にどうかと思ったのよ」
「うん、分かってたから。はい、プレゼント。自由に使っていいから」
「ありがと」
「あっ、それの感想は教えて?私も気になってるから」
「…それならいいかな?」
「ならお願い〜」
「…私たち、今日まともな会話してる方が少ない気がするんだけど」
「…うん。少し落ち着いてきて分かったけどやばいよね」
「……普通に遊ぼ?」
「…うん」
ーーオマケ無し・後書き
お待たせ。そして、あと3日は毎日更新されますのでお楽しみに
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