第6話
「「ごちそうさまでした」」
「いやぁ、食べたわね〜」
「そうだなぁ…昨晩は食べたじゃなくて飲んだ、だったからな」
「ねー」
「「………」」
「…どうすんのよ、この空気」
「知らねぇよ。それもこれも今朝のあれが悪いんだろ」
「そうだけどさぁ…すぐにあんな気持ちも忘れるでしょ、って思ってたのに…今も続いてて…しかも、あの時より気持ちが強まってきちゃったのは予想外なんだけど」
「なら…答え合わせでもするか?」
「っ!!……うん、しよっか」
「あぁ……俺から先に言っていいか?」
「うん…いいわよ」
「…俺は…この気持ちの答えは……恋なんだろうな。だから…そうだな……緋奈。俺は鈴音緋奈の事が大好きだ。大好きなんだ…」
「っっ!!ーーな、なら次は私の番ね。…私も同じ。この気持ちは恋だと思うの。だからな…私、私は冴島達也。あなたのことを誰よりも愛してる」
「「……」」
「…っ、ってぇ事は…考えるまでもないか」
「ねっ。私たちって…本当はお互いのことが」
「「好きだった」」
「そうだな…」
「…もう、腐れ縁という私たちの関係は終わって…次のステージに上がったのよね」
「あぁ…恋人と言う、な」
「…好き、好き、好きっ!!あぁ、こんな簡単にあなたへの想いを伝えられる。簡単に口に出して言えるのがとても嬉しい!」
「俺も、あぁ…大好きだ。大好き…お前を誰よりも、この世界中の誰よりもお前を愛している」
「あ、溢れ出てっ…達也への想いが、止まらないっ…好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き…こんなにも自分の想いに蓋をして生きてきた頃の自分に殺意を覚えてしまうほどに達也への想いが溢れ出てくるっ…大好き、大好き、愛してる」
「おっと……抱きついてくるのはいいが危ないぞ。…緋奈にそう思ってもらって俺は嬉しい…」
「大好き、大好き」
「さっきから好きしか言ってないぞ。…一旦落ち着いてくれ…」
◆◆◆
「うぅぅ…暴走しちゃった」
「…正直めっちゃ可愛かったし、嬉しかったぞ」
「うぅぅ……」
「もう一度、さっきの好き好き連呼してくれないか?」
「死ねっ!!今思い返すとめっちゃ恥ずかしいんだからね!」
「ははっ。…ほんとっ、お前は愛おしい存在だな」
「っ…ほんとっ、あんたは。……大好き」
「…あー、もう。お前がそんな顔をするなんてな」
「ねぇ、私ね。あんたに言いたいことが沢山あるの」
「なんだ?」
「一つ…大好き。二つ、ずっと一緒にいて欲しい。三つ、私と結婚して欲しい。四つ……私から離れてほしくない…絶対に言いたかった事はこれで終わり」
「お、お前…け、結婚って」
「…だめ?」
「っ…いいけど、まだダメだからな?」
「うんっ。あっ…他にも言いたかったことあった」
「ん?」
「これは…その、出来たらなんだけど……私だけのものになって欲しいなぁ」
「お前だけの…か。…それって、どの範囲だ?」
「範囲?」
「あー…極端な話すると……お前以外の女と話すな。近寄るな、とか?」
「…そんなメンヘラだっけ?そこまでは行かないけど……うーん、それはそれで案外良さそうな気がするんだよねぇ」
「それは困るぞ?」
「流石に冗談だよ?…あー、でも……うーん」
「何をそんなに悩んでる?」
「家にいる間は、他の女と話してほしくないなぁ…って。…LI○Eとかの話ね?」
「うーん、まぁ…別にいいぞ」
「いいの?」
「…今までとそんなに変わんねぇからな。むしろ、こうやって恋人という関係になったんだから…多分、めちゃくちゃ甘やかすぞ」
「それは楽しみ〜。…朝起こさずに寝かしておいてくれる?」
「は?なわけねぇだろ。起こすぞ」
「なんで!?甘やかしてくれないの!?」
「いや…普通に干したいからな」
「…嘘付き」
「ははっ。…まぁ、これは覚えておいてくれたら程度でいいが、俺は甘えられるのは凄く好きだぞ?」
「ほんとっ?…なら、いっぱい甘えていい?」
「おう。まぁ、マジな話いつも通りの日常と同じな気がするけどな」
「…うん。そうだね。よっと」
「急に来られたもしかしたら支えられないぞ?」
「その時はその時で達也を押し倒したって言う実績が作れるからよし」
「なんの実績だよ」
「さぁ?それより、早く後ろから抱きしめてよ」
「甘えるのはいいけどさ…傲慢になるなよ?」
「分かってるてば。…うん、多分、大丈夫。それより、早くー」
「不安でしかないが…はいよ、ぎゅっと」
「んっ……あったかい」
「そうかい」
「恋人になる前の最後にした、これより凄く…心がドキドキする。そっか、これからはこれをいつやってもいいのか」
「時と場所をわきまえるのならな」
「うん、前向きに考える」
「それはやらない奴が言うセリフだ」
「ふふふー。……ねぇ、達也。なんで、私たちってこんな直ぐにでも分かる想いに気づかなかったんだろうね」
「さぁな。でも、今はその想いに気づけたんだ」
「ん、そうだね。ねぇ、もっと強く抱きしめて」
「強く?」
「うん。絶対離さないぞって言う感じに」
「そのままバキッと」
「そうそう。って、それしたら離れちゃうじゃん!本末の転倒だよ」
「それやめろ。の、を間に入れるな」
「えー、別にいいと思うけどなぁ」
「違和感凄くて気になるんだよ……まぁ、それは一旦置いといて、ほら、これくらいでいいいか?」
「ほわぁ…んん…好き好き、好き、私はもうあなたの物になっちゃったわ。大好き、大好き、好き…」
「おっと、また好き好きトリップに入ってきてんぞ。…手遅れだな、もう少し早く俺たちが自分の気持ちに気付いてたらこんな風にはならなかったんだろうな」
「もっと強くして」
「…はぁ。あいよ」
「んんん……ねぇ、達也。私、もう壊れてるのかな?」
「おいおい、馬鹿な事言うな。お前はとっくに壊れてるっての」
「はぁ!?どう言う意味よ!」
「暴れんなっての…意味?…主に頭の方で壊れてるな」
「ぶっ飛ばすわよ。あんたよりは賢いんだからね!」
「そんな大差ないだろ」
「ある!」
「まぁ、それは中学の話だからな」
「高校も今も同じでしょ!」
「…いや、何回か普通に俺勝ってるぞ」
「総数的には私の勝ちなんだから!」
「わーわー、落ち着け落ち着け。はい、よしよし。頭撫でてあげるから落ち着きなされ」
「むぅ……」
「…もし、こいつが犬なら絶対に尻尾ブンブン振ってるのが見えるなぁ」
「なんか言った?」
「いや?可愛いなぁーって」
「ならよし」
「……ちょろ」
「腹パンして、ぶっ倒れたあんたに踵落とし食らわせるわよ」
「えげつねぇコンボだな。聞こえてたのか」
「聞こえるわよ!こんなに…近いんだから、密着してるんだから聞こえるわよ」
「急にしおらしくなるな」
「だって…自覚したら恥ずかしくなってきたもん」
「…明日には治るといいな。こんなお前…も別にいいけど、少し接しずらいぞ」
「えぇー」
「まっ、だからこそ今甘やかして恥ずかしがるお前を見るってのもまた一興」
「私にメリットないよ?」
「あるだろ。…こうやってさ、望みのことがされるんだからな」
「ひゃぁ!?さ、囁かないでよ、急に!」
「はははっ。…やべぇな」
「なにがよ…」
「そう睨むな。…俺がやばいって言ったのはな、お前が可愛すぎてつい色んなことをしたくなる」
「色んなこと…はっ、まさか、変態!?」
「…今までならそれも一蹴してたが、今はやってみたいな」
「っ!!……た、達也が望むなら私はいいよ」
「っ、そんな潤んだ目で見るな。本当にしたくなるだろ」
「別にいいのに…」
「もしものことがあったらやばいしな。…それに、今はこうやって出来るだけで十分だしな」
「…そっか。達也」
「ん?なんだ、んむっ……っ!?」
「んっ…ふふっ、凄く体がゾワゾワするようなキスだった」
「お、おい…お前」
「なぁに?わっわ、急に力強く……んっ」
「マジで、卑怯だぞ。さっきのは…」
「嬉しかった?」
「あぁ、もちろんだ。このまま押し倒したいくらいだ」
「いいよ、しても。って言っても、どうせしないんでしょ」
「あぁ。…その代わりに、緋奈。こっち向いてくれ」
「なぁに?…んむっ……っっっ!!!!?」
(代わりに、こうやって蕩けるような、深い深いディープキスを食らわせてやるよ)
ーーオマケ
「っぷはぁ」
「っはぁ、はぁ……んん〜、わっわっわっ、わっ…はわわ」
「壊れてるな」
「た、達也が私を蹂躙、蹂躙っ…」
「中々に…あれだな。興奮したけどな」
「腰が抜けた…あんなに、舌を絡ませるの気持ちいいんだ…」
「我慢しねぇとやばい気がするな…欲に負けそうになる」
「うん…ねぇ、達也」
「なんだ?」
「ちゃんと責任取ってね」
「はっ、当たり前だろ」
「…ありがとっ」
「何がだよ。お前はもう俺のものなんだからな、他の誰にも渡さねぇよ」
「っ…達也。本当に、大好き」
「おう、俺も愛してるぞ」
ーー
ということです。
次の話は時間的には翌日の朝となります。…ちなみに、やってはいませんからね。
思ってたキャラと違う!と思う人もいるかもしれませんが、作者が思い描くような二人に変えていきます。
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