航海日誌2

「私の部屋狭いけど、気にしないで」

それは自分で言うことではないだろう。まあ、泊めてくれるだけありがたい。

「大丈夫。ロケットの操縦室はここよりももっと狭いからな」

「ねえねえ、宇宙船に名前ってあんの?」

「え」

宇宙船に名前なんてつけようとも思わなかった。子供の考え方は私には残ってないのだろうか。

「そうだな、アース号というのはどうだろうか?アースは地球という意味だ」

気づけばもう夜。腹が減った。配達物を食べてもいいのか?いや駄目だろう。

「そろそろお腹すいたでしょ。私料理は結構得意なんだ」

そう言って咲夜は1階へ降りていった。

10分後、彼女はカレーを持って帰ってきた。

「ママになんで料理してるか怪しまれたけど、なんとか作ってきたよ」

見た感じとても美味そうなカレーだ。一口いただく。

う…まz、いやなんでもない。

「私は少食なんだ。もうお腹いっぱいだから、これはあげるよ」

「せっかく作ったのに」

彼女がガッカリしたので、私は急いで食べた。

「お、おかわりください……」

「そんなに美味しい⁉︎ありがとう!」












私は押し入れで寝た。なんだか猫型ロボットになった気分だ。

今日はとにかくカレーを食べたことしか覚えてない。あの後私はカレーを10皿くらい食べたのだ。

今日はもう寝て、明日から宇宙船を探そう。


















「へえ、この星にも学校があるのか」

「当たり前でしょ。私が帰ってくるまで見つからないようにね」

「わかってるよ」

窓から外を見てみると、咲夜は自転車に乗って出かけた。よくみると自転車は少し宙に浮いている。さすが機械に頼りすぎた人たちだ。浮かせる必要があるのかないかはさておき。

さて、暇な時間、何をしてようか。

「⁉︎」

2階に誰かが来る!きっと娘の部屋を勝手に掃除するタイプのお母さんだろう。

ってかこのままでは見つかる!

どこかに隠れる場所はないか⁉︎そうだ、押し入れだ!

ガチャ

「咲夜様は掃除が苦手なのでショウカ?」

掃除機ロボットだろうか?喋り方が明らかに生物じゃない。

恐る恐る隙間から覗くと、ルンバのようなロボットが部屋を徘徊していた。掃除してねぇ。

ロボットは咲夜の机の引き出しを開けた。

「フフ、咲夜様にこんな一面があったとはデスネ」

このロボット危ないやつだ…。

「おや!なんだか未確認生物センサーが反応してイマス」

そんな機能あんの⁉︎ここにいてはマズい!しかし、不用意に飛び出しては、返り討ちにされるだけだろう。策を立てて行動しなければ。

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