プラネットエスケープ
まめでんきゅう–ねこ
航海日誌1
私は
宇宙配達員というのは、地球以外の別の星に住んでいる地球人に、物資を届ける仕事なのだ。
私はもう入社7年。ベテランってところだろう(キリッ)。
今日も惑星No.0625に、物資を届けている最中だった。
「えっと今日は625と3004に届けるのか。3004遠いんだよなぁ。だる」
私はぶつぶつと文句を言っていた。
その時だった。
ズドォォォォォン
「なんだ⁉︎」
私の宇宙船は、よそ見した時、隕石にぶつかってしまったのだ。
新人なら、ここでパニックになってしまうだろう。しかし、自分で言うのもなんだが、完璧な私はここでパニックになったりしない。
「落ち着いて行動すればなんとかなる」
とにかくお茶でも飲もう。今宇宙船がなんかの惑星に向かって落ちていくが、だからどうした。私はベテランだからベテランのように振る舞ってればいいんだ。社長みたいに何もせずにしてれば、なんとかなる。
「…宇宙人…?」
私は草原に不時着したようだ。目の前に誰かいる。銀色の肌と髪、それ以外は地球人と同じだ。なぜか親近感を感じる。
「あなたは…?」
話は通じないであろう。
「あれ⁉︎話が通じる!」
日本語を喋っただと⁉︎いやまさか…そんなわけない。幻聴だろう。
「ねえ、君どこから来たの?宇宙人?」
いや、はっきりと日本語を喋った!間違いない!しかしなぜだ?
「私は地球人。地球という星から来た」
「地球って何?」
「太陽系にあって、太陽から3番目の星だ。四季とか昼夜の概念がある都合の良い星」
「へえ、そんな星があるんだね。ここは昼夜の概念はあるけど、四季っていうのは存在しないんだ」
「そうか、ってここはどこなんだ。君は誰だ」
「私は咲夜。ここは機球」
「気球?」
「違う機球」
どうやらここは機械が進化しすぎて機械に頼りっぱなしになった星のようだ。地球人もいつかこうなるのだろうか?
「ロケットは⁉︎ロケットはどこだ⁉︎」
「ロケット?ああ光が分離したかと思ったら、片割れはロケットだったんだね」
「多分それだ」
不時着して最初に会ったのが宇宙船の目撃者で助かった。
「よかったら家へ来なよ。ママやパパに見つかったらどうなるかわかんないけど…、大丈夫!心配しないで。友達なら言っても大丈夫かなぁ?」
おそらく、この星の者にとって私は宇宙人。見つかったら色々困りそうだ。
「その友人が情報を漏らさない人なら大丈夫」
「OK!じゃあこっち来て!」
本心を言うと、この人を信用していいのかわからない。しかし、ここは未知の惑星。信用せざるを得ないだろう。
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